『七人の刑事 終着駅の女』
(1965年/87分/35mm)
(C)日活
監督 : 若杉光夫 脚本 : 光畑碩郎 撮影 : 井上莞 音楽 : 渡辺宙明
出演 : 堀雄二、芦田伸介、菅原謙二、佐藤英夫、城所英夫、美川陽一郎、天田俊明、大滝秀治
上野駅で謎の女の死体が見つかる。死体の正体と犯人を追跡するために上野駅構内に捜査本部が設けられ、七人の刑事が事件を追う!音楽をほぼ排除して、駅の音を巧みに使った傑作サスペンス。今年亡くなった大滝秀治演じる”七人”に含まれない若き刑事の哀愁も必見。昔の上野駅の改札や、食堂、ホームと駅の外の繋がりなど、駅の情感がこれでもかと描かれる、未ソフト化の本企画目玉作品!(石川)
<1/3(木)10:30、1/5(土)16:30、1/6(日)16:30、1/8(火)10:30、1/10(木)10:30、1/11(金)16:30>
『乳母車』
(1956年/110分/35mm)
(C)日活
監督 : 田坂具隆 原作 : 石坂洋次郎 脚本 : 沢村勉
撮影 : 伊佐山三郎 美術 : 木村威夫 編集 : 辻井正則
出演 : 芦川いづみ、石原裕次郎、新珠三千代、山根寿子
登場する駅は「鎌倉駅」と「東急九品仏駅」。そこでは人と人との出会いと別れが、さりげなく大胆に描かれています。奥行きを演出する伊佐山三郎の撮影と、空間をつくりだす木村威夫の美術セットが、2Dのモノクロ画面に目を見張る成果を挙げています。「様変わりしていくモラルを若者の視点から見つめ直す青春ドラマ」らしいけど、実のところ、そんなにさらりと片付けられないクセのある映画です。(小原)
<1/6(日)10:30、1/10(木)16:30>
『闘牛に賭ける男』
(1960年/93分/35mm)
(C)日活
監督 : 舛田利雄 脚本 : 山田信夫、舛田利雄 撮影 : 山崎善弘
美術 : 木村威夫、横尾嘉良 編集 : 辻井正則 音楽 : 佐藤勝
出演 : 石原裕次郎、北原三枝、二谷英明
若き新聞記者・北見は闘牛の日本公演を土壇場で潰され、怒りに燃えて会社を辞める―。ファムファタール・北原三枝と、彼女を巡る男二人(石原裕次郎・二谷英明)が見事なトライアングルを描く。スカンジナビア航空の全面協力のもと、マドリッドでの闘牛シーンや、マジョルカ島のバカンスシーンなど大ロケーションを慣行した大作。その中でも、やはり男と女は東北に向かう。上野駅の待ち合わせシーンの発車ベルが印象に残る巨匠・舛田利雄による怪作。(石川)
<1/3(木)16:30、1/7(月)10:30>
『風と樹と空と』
(1964年/86分/35mm)
(C)日活
監督 : 松尾昭典 原作 : 石坂洋次郎 脚本 : 三木克巳 撮影 : 萩原泉
美術 : 千葉和彦 編集 : 井上親彌 音楽 : 池田正義
出演 : 吉永小百合、浜田光夫、川地民夫、和田浩治
石坂洋次郎原作の同名小説を、日活黄金時代を支えた松尾昭典監督が映画化。東北の高校を卒業後、集団就職にて上京し、箸が転んでもおかしい年頃の“お手伝いさん”を吉永小百合が愛嬌たっぷりに好演。本作では当時、東北地方からの上京者にとっての"心の駅"であった上野駅が、出会いと別れ・始まりと終わりの象徴として登場。都会と郷里の狭間で揺れ動く若者たちの感情を、谷内六郎の郷愁溢れる情景画を絡ませ明るく笑い飛ばす青春文芸物語。(香田)
<1/4(金)10:30、1/7(月)16:30>
『高原のお嬢さん』
(1965年/93分/35mm)
(C)日活
監督 : 柳瀬観 脚本 : 千葉茂樹、柳瀬観 撮影 : 上田利男
美術 : 川原資三 音楽 : 池田正義
出演 : 舟木一夫、和泉雅子、山内賢、西尾三枝子、堺正章
青春歌謡曲映画。でも失恋もの。舞台は開発途中の蓼科高原。といえば登場する駅は中央線の始発駅、新宿。今から見ると、どうみても中学生同士の恋愛なのですが、純愛、友情、涙、舟木、マチャアキ、和泉、西尾というスター、綺麗どころを見ていると見入っちゃうんですよね。モンキーダンスをぎこちなく踊る舟木一夫とスパイダーズの演奏、「フリフリフリフリフリフリフリフリ」と「リーフ、リーフ」のフレーズが耳に残ります。(大槻)
<1/5(土)10:30、1/8(火)16:30>
『スリ』
(1960年 /76分/35mm)
監督・脚本 : ロベール・ブレッソン 撮影 : レオンス・H・ビュレル 音楽 : J・B・リュリ
出演 : マルタン・ラサール、マリカ・グリーン、ピエール・レーマリ、ペルグリ
駅は駅でも上野とパリでは別モノだ。特にブレッソンの映画で見れば音のひとつからして全然違うはず・・・本橋さんの『上野駅の幕間』新装改訂版を見た。そこにはなぜか、僕らの目には見えないところで、誰かの財布がポケットからポケットへと移動していてもおかしくない空間の気分が広がっていた。だからって、マリカ・グリーンみたいな女の人に出会えるのは、やっぱり映画の中だけなんだ。(小原)
<1/4(金)16:30、1/9(水)10:30>
『秒速5センチメートル』
(2007年/63分/Blu-ray)
(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
原作・脚本・監督 : 新海誠 作画監督 : 西村貴世
音楽 : 天門 主題歌 : 山崎まさよし
声の出演 : 水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華、ほか
アニメーションの新世代作家・新海誠による三話のオムニバス作品。新宿駅で1620円の切符を買った少年は、栃木へ引っ越してしまった初恋の少女のいる街へ、初めての一人旅をする。武蔵浦和を越えて、大宮で乗り換え、小山では降雪のため立ち往生する―。ダイヤの乱れを知らせる構内放送や、精緻に描かれた駅構内の表示板などが、誰もが見たことのある冬の東京を描き出し、白い息までもが美しく見えるファンタジックな作品。(石川)
<1/9(水)16:30、1/11(金)10:30>
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