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6月1日は、舞踏家・大野一雄さんの命日です。
限りない哀しみと溢れるばかりの愛で、そこにある魂に気付かせてくれる舞踏は、逝去しても尚、言葉にならない感動を多くの人に与え続けます。
人はみな人間である以前に、こころとからだをもつダンサーなのかもしれません。
人生 KEEP ON DANCING!
大野一雄はいつまでも踊り続ける。 |
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<スタッフ>
演出 : 平野克己
撮影 : 大津幸四郎
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共演 : 大野慶人
製作 : アーバン21 |
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<ストーリー>
平野克己監督『魂の風景~大野一雄の世界』がデジタルリマスター版となってスクリーンに蘇ります。
この映画は、1990年、83歳の大野氏を北日本の原風景の中に連れ出し、山野に宿る生命(いのち)たち、そこに眠る死者たちとの一期一会の出会いを通して、大野舞踏が産まれていく時空を記録した映像詩です。
大野一雄と向き合うと涙が溢れてくる。…その心の場所に迫ろうとした平野監督。1990年、北日本の原風景の中、そこに宿る生命に触れ、死者と対話し、精霊と化して無心に舞い踊った大野一雄。忘れられた心、喪われた感動を取り戻そうとする魂と魂の交流。記録映画の一つの頂点を示す圧倒的な映像美がデジタルリマスターで蘇る!
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<コメント>
「自らを限りなく裸にしていく勇気」 平野克己
大野一雄の舞踏には、人間にとって根本的に大切な何かがある。この直観が、大野氏の映画をつくろうとし、また、つくった理由である。
その何かがよくわからないままスタートした。手がかりはただ一つ、大野氏の心に関わる場所を一つでも多く発見し、そことの出会いの純粋な感動を表現してもらうこと。踊ってもよし、立ちつくしてもよし。
母の胎内に似た沼、生命の始源を思わす林、未知の国に船出したくなる川、さびしい山の分校、口寄せのお堂や崩れ落ちた農家…、大野氏は、それぞれの場所とそこに宿る生命との出会いを一期一会の出会いのようにして踊り、それが記録された。
発見したことが少なくとも二つ。
一つは、「自らを限りなく裸にしていく勇気」が、大野舞踏の土台を支えており、それは同時に観る側の私達をも裸にしていくことによって感動が生まれるということ。もう一つは、大野氏の舞踏が美しいのは、弱者の魂を天空に解き放とうとする、氏のぬきがたい偏執に起因するということである。美はすべからく受難者側の生きざまと死にざまからもたらされるのである。
(演出ノートより)
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