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安里英子(作家) 池田恵理子(wam館長) 石川真生(写真家)
稲福マサ(元梯梧学徒隊) 大田昌秀(元沖縄県知事) 近藤 一(元日本軍・兵長)
高嶺朝一(ジャーナリスト) 玉城洋子(歌人) 知花カマド 知花昌一(僧侶)
ダグラス・ラミス(元海兵隊/政治学者) レナード・ラザリック(元陸軍・軍曹)
ドナルド・デンカー(元陸軍・軍曹) デビッド・クルーズ(元・陸軍/写真家)
ブルース・リバー(元陸軍・憲兵隊) シンシア・エンロー(クラーク大学)
ロドリコ・ハープ(元海兵隊・一等兵) モートン・ハルペリン(元米政府高官)
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<スタッフ>
監督 : ジャン・ユンカーマン
企画・製作 : 山上徹二郎
製作 : 前澤哲爾 前澤眞理子
撮影 : 加藤孝信 東谷麗奈
Chuck France Stephen McCarthy Brett Wiley
音楽 : 小室 等
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<ストーリー>
「老人と海」で与那国島の荒々しくも美しい自然と風土を捉え、「映画 日本国憲法」で平和憲法の意義を訴えた、アメリカ人映画監督 ジャン・ユンカーマンが、真の平和を求め、不屈の戦いを続けている沖縄の人々の尊厳を描いた渾身のドキュメンタリー。
1945年4月1日、アメリカ軍が沖縄本島に上陸、6月23日(現在の慰霊の日)まで12週間に及んだ沖縄地上戦では4人に一人の住民が亡くなりました。本作は、当時同じ戦場で向き合った元米兵、元日本兵、そして沖縄住民に取材を重ね、米国立公文書館所蔵の米軍による記録映像を交えて、沖縄戦の実情に迫ります。また、戦後のアメリカ占領期から今日に至るまで、米軍基地をめぐる負担を日米双方から押し付けられてきた、沖縄の差別と抑圧の歴史を描き、現在の辺野古への基地移設問題に繋がる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根を浮かび上がらせます。
◇「うりずん」とは◇
潤い初め(うるおいぞめ)が語源とされ、冬が終わって大地が潤い、草木が芽吹く3月頃から、沖縄が梅雨に入る5月くらいまでの時期を指す言葉。沖縄地上戦がうりずんの季節に重なり、戦後70年たった現在も、この時期になると当時の記憶が甦り、体調を崩す人たちがいる。
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<監督のことば>
想像もつかないほどの戦争体験をした沖縄の人々は、一貫して戦争を拒絶してきました。
しかし米軍は沖縄を「戦利品」として扱い、膨大な基地を建設。それらを拠点として、朝鮮、ベトナム、中東で戦争を続けてきました。平和を求める沖縄の文化と、戦争を選ぶアメリカの文化――。
対極にある二つの文化が、狭い島に共存せざるを得なくなったのです。
米軍基地を撤廃するための戦いは今後も長く続くでしょう。沖縄の人々はけっしてあきらめないでしょう。
しかし、沖縄を「戦利品」としての運命から解放する責任を負っているのは、沖縄の人々ではありません。
アメリカの市民、そして日本の市民です。その責任をどう負っていくのか、問われているのは私たちなのです。
ジャン・ユンカーマン
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<改訂版製作について>
シグロ代表・プロデューサー 山上徹二郎
映画製作の過程で、2004年8月13日の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落現場のニュース映像を使用するべく、QAB琉球朝日放送に対して映像の使用許諾を正式に申請しましたが、明確な説明も理由もなく映像使用を拒否されました。
公共性の高いニュース映像は、広く人びとに共有されるべきものであり、一株式会社である放送局に独占されるものではないと考え、フェアユースの概念から許諾を得られないまま31秒間の映像を使用しました。
映画公開後も話し合いを続けましたが、2016年4月4日QABから一方的に提訴されました。以来3年間にわたって、被告として裁判を闘いましたが、2019年6月27日最高裁の上告棄却により敗訴が確定しました。
私たちにとって全く納得しがたい判決ですが、しかし沖縄が抱える問題を広く伝え、深く考える機会を提供するために『沖縄うりずんの雨』を今後も公開することを決意し、判決を受け入れニュース映像を作品中から削除することにしました。
沖縄が置かれている現実をその歴史とともに振り返り、今私たちに何ができるのか何をしなければならないのか、「表現に力あり」を信じて改訂版を製作し公開することにします。
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