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<登場人物>
陳為廷(チェン・ウェイティン)、蔡博芸(ツァイ・ボーイー)、林飛帆(リン・フェイファン)
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<スタッフ>
監督 : 傅楡(フー・ユー)
製作・出品 : 七日印象電影有限公司 7th Day Film
プロデューサー : 洪廷儀(ホン・ティンイー)
主題歌 : 《我們深愛的青春 Our Beloved Youth》
詞 /曲 / 演唱 : 楊彝安(ヤン・イーアン) |
原題 : 我們的青春,在台灣-Our Youth In Taiwan
後援 : 台北経済文化代表処台湾文化センター
日本語字幕 : 吉川龍生
台湾語協力 : 劉怡臻
提供・配給・宣伝 : 太秦 |
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<ストーリー>
世界中どこにでも体制に反抗することを夢見る若者たちがいる。
不安定な台中関係下の台湾で、三人の若者の夢は実現したかに見えたが、結局は叶わなかった。
しかし、彼らは成長した。
純粋で世間知らずの私たちが、若さあふれる台湾の目撃者なのだ。
2011年、私は魅力的な二人の大学生と出会った。
台湾学生運動の中心人物・陳為廷(チェン・ウェイティン)、台湾の社会運動に参加する人気ブロガーの中国人留学生・蔡(ツァイ)博(・)芸(ボーイー)。
私、傅楡は台湾のドキュメンタリー制作者だ。彼らが最前線に突き進むのを見ながらカメラをまわし、「社会運動が世界を変えるかもしれない」という期待が、私の胸いっぱいに広がっていた。
陳為廷は台湾の苗栗出身、いつも歌をうたい、ぬいぐるみを抱き眠る人懐っこい青年だ。14年、彼は立法院に突入した。いつだって先陣を切って闘志を剥き出しにしていた彼は、林(リン・)飛帆(フェイファン)と共にひまわり運動のリーダーになった。
蔡博芸は中国の湖州出身、高校時代に民主や自由について漠然としたイメージを持ち、政治のあり方に関心を持つようになった。台湾で学生運動に参加し、文章を通してふるさとの人々に“民主”が台湾でどのように行われているか伝えたいと書いたブログが話題だ。大陸の両親からは毎日のように、お怒りの電話がかかってくるが、自分の意思は曲げず、著作は大陸でも刊行される人気ぶりだ。運動に参加する中で、「台湾人」「中国人」という言葉が叫ばれ、傷つきながらも台湾で出会った“民主主義“を彼女なりに貫こうともがいていく。
ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ず「おままごと」のような選挙で敗北する。
彼らの理想は実現するものだと信じていたが、しだいに失望の谷底へと落ちてゆく。
そして私は期待していた未来をなにも描けないまま、彼らを記録したテープだけが手元に残った。私はなにを期待したのか、私はなにを描きたかったのか、そして私たちはともに進み続けることはできるのだろうか——
これは台湾という息吹の中で、ともに未来を描き、迷い、空っぽになり、ともに理想求めもがく、私たちの青春の物語なのかもしれない。
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<監督メッセージ>
私は台湾人です。この小さな島の市民として、多くの台湾人と同じように、自分の国をより多くの人に見てもらいたいと願っています。しかし、大国の脅威に対する憂慮から、台湾人は中国人に対して私自身の許容範囲を超えたレベルの敵対意識を持ってしまっています。私がずっとドキュメンタリーの題材として関心を持って求めてきたのは、敵対せざるを得ない両極の人たちに最大公約数が存在するのか、つまり相手を理解することを試み、更に進んで協力関係が生まれる可能性があるのかということです。
この作品の撮影を通じて、私は幸いにも蔡博芸と陳為廷の二人と深くつき合う機会を得ることができ、この二人がお互いの国家と民主について理解を深めていく過程を通じて、台湾海峡両岸の市民間における相互理解の可能性と、どのようにしても協力することが難しい政治の現実とに気づくことができました。しかし、更に重要なことは、彼らが単なる「中国人」や「台湾人」「大陸生まれ」「学生運動リーダー」ではなく、自由な意志を持つと同時に極めて弱く、血の通った一個人であることに気づいた点です。一見すると私たちと異なっていて敵対勢力のようにも見える人たちについて、観客の皆さんがこの作品のような視点から理解を深めたいと思うようになって頂ければ幸いです。
傅(フー・)楡(ユー)/監督
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