オモニ――
面と向かって言うのは照れくさいけれど、心から感謝しています。
家族のために、なりふり構わず生きたあなたの半生。
その苦難の道を決して忘れる事はありません。

2004/81分/35mm/日本

公式ページ



ナレーション 原田芳雄

エンディングテーマ 「Day Dream feat. chimin」 KP


製作 亀山千広 / 太田英昭  
企画 西渕憲司  

プロデューサー 岡田宏記

協力プロデューサー 宮澤 徹     
企画協力 大槻貴宏(ポレポレ東中野)
構成 上久保直哉

監督 野澤和之      

製作 フジテレビジョン

製作協力 湧源社 / ジャパンビジョン

配給 フジテレビジョン / ポレポレ東中野

これってカッコわるい生き方ですか?


ヤミ商売で37回の逮捕歴。
怒涛の人生を生き抜いてきた在日一世の母と、そんな母の姿を記録してきた朝鮮総連・カメラマンの息子。母が一生懸命生きてきた人生を傍らでずっと見てきた息子は、彼女の人生の瞬間瞬間をフィルムに記録した。
現在では国籍を北朝鮮籍から韓国籍に変え、日本で母から焼肉屋を継いだ息子が、老いて行く母に見るものは。
7人の子供を抱えながら、激動の時代と放蕩する夫に振り回され、極貧生活、一家離散を経験した金本春子さん。亡くなった後も夫を絶対許せない彼女は、「父」として慕う子供達と事あるたびにぶつかる。「国籍」や「思想」でも親子間で価値観が食い違い、口論も絶えない日々。87歳の今、彼女の幸せの瞬間とは。
幸せを目指して生きてきた母と家族の絆の記録。

<テレビから発信!旧さと新しさが同居する新しいドキュメンタリー映画>

2003年9月28日、フジテレビにて放送された『ザ・ノンフィクション「母よ!引き裂かれた在日家族」』は、ある普通の在日朝鮮人家族の半生を描いたドキュメンタリー作品でしたが、好視聴率を記録しただけでなく、ギャラクシー賞も受賞。在日社会では大きな話題となり、11月には番組の上映会と金本春子さん(HARUKO)の講演会が開かれました。
この「HARUKO」劇場公開版は、そういった放送後に寄せられた様々な反響と再放送を望む声に応える形で、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」「解夏」等の大ヒット映画を手掛けてきたフジテレビが、初めてドキュメンタリー映画の製作に挑んだ作品です。
映画化にあたり、45分のテレビ版には入りきらなかったエピソードも組み込み81分へと大幅に拡大、ある在日家族の特殊な物語ではなく、どこの国でも存在する母と家族の普遍的な物語であるというメッセージを込めて「HARUKO」というタイトルがつけられました。

各界から寄せられた「」へのコメント


母親というものは、かくも逞しくなれるのであろうか。
度重なる逆境に耐え忍びながら、愛する子を守るためにわが身を削って働く姿、限りなく溢れる、温かくも悲しい情愛、私は驚嘆と郷愁の念をもってこの作品を観た。時代の激流に翻弄され、一家離散の憂き目に会った、ある在日家族の過去と現在が、全ての脚色を排して赤裸々に綴られている。母と子の間で交わされる率直な会話が、観客に強烈な印象を与えるとともに、在日家族の世代間における価値観の微妙な揺れも垣間見られて深く考えさせられた。
異国の地に暮らす一家族を捉えたドキュメンタリーだが、親子の絆の潔さ、人間のもつ底力の壮烈さという普遍的テーマについて一考させられる作品である。
中曽根康弘氏(元内閣総理大臣)

一家離散。そして異国でのなりふりかまわぬ悪戦苦闘の末の、孫娘の結婚式でようやく迎える一族再会。そのすべてを生み出したのも母なら、家族のだれかれの失踪や病や死を引き取るのも、不屈不倒の母。故国という場に安心立命している日本の母親からはおよそ想像もつかない生き方に、異様なものを見たと思う人もあるかもしれない。だが、足がかりのない異国で生き、泥まみれで母なるものの高貴な本質を、強烈なインパクトのうちに容赦なくブチまけてみせる「女の一生」、いや「母の一生」の映像は、ありきたりの美醜、善悪の分別をはるかに超えて、わたしたちをおおらかにもあたたかい胎内にあゆみさせてくれるのである。
種村季弘氏(ドイツ文学者)

2005年 5月5日より、アンコール上映開始!

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