草の乱

凄いやつら
2004年/劇映画/カラー/120分

〈キャスト〉
緒形直人
藤谷美紀
杉本哲太
田中実
並木史朗
尾美としのり
益岡徹
河原崎兼三
堀内正美
高橋元太郎
綿引勝彦
原田大二郎
山本圭
佐々木愛
田中好子
林隆三
〈スタッフ〉
監督 : 神山征二郎
製作 : 映画『草の乱』製作委員会

<ストーリー>
1883年(明治16年)秋、秩父郡下吉田村。山間のこの地方の人々は、蚕を飼い、生糸を売って生計を立てていた。

しかし当時の政府は、デフレ政策を推し進め、軍備拡張のための増税を強行した。その結果、生糸価格が大暴落し、養蚕農家はどん底に叩き落とされ、高利貸しから金を借り、身代限り(破産)となるものが続出していた。そんな窮状を見るに忍びず、動き出したのが自由党員たちだった。

生糸の商家「丸井商店」を営む井上伝蔵、農民の高岸善吉、落合寅市、坂本宗作などが不当な高利の取り締まりを求めて役所などへ誓願運動を始めた。各地で集会を開き、賛同者を募り、さらに加藤織平を副総理、大宮郷の顔役の田代栄助を総理として迎え入れ「困民党」を組織した。そして、警察署への誓願や高利貸しとの交渉をねばり強く行うが、ことごとくはねつけられる。

そのうちに高利貸しが裁判官に賄賂を贈っていることが明るみに出て、丸井商店の土蔵に集まった困民党幹部たちは「もはや願いをかなえるには政府を打倒するしかない」と、命をかけた武装蜂起を決意する−
<解説>
≪凄いやつら≫

1884年、こうして困民党は税の軽減、高利貸しへの借金返済の据え置きなど4項目の要求を掲げ、略奪や女性への暴行を軍律5か条で厳しく禁じての武装蜂起を行った。当初3千余名の軍勢は1万人にもふくれあがったが、軍隊と警察により9日後には鎮圧され、「暴徒」の「暴動」による事件として12名が死刑を宣告され、3千余名が懲役・科料となった。これが世に言う「秩父事件」である。

しかし、事実は自由民権運動と結び合い「圧政を変じて良性に改め、自由の世界と人民を安楽ならしむべし」と訴え、専制政府打倒を視野に入れた闘いであった。
勝ち負けを超えて戦わなければならないときがある。家族のため、仲間たちのため、そして未来のために・・・。

これは、120年前の日本で、そう信じて戦った『凄いやつら』の物語である。

歴史の闇に封印された事件の真実が、ついに明かされる時がきた!

≪凄い映画≫
「月光の夏」「ハチ公物語」「遠き落日」「郡上一揆」の神山監督が30年来夢見たこの映画の実現を映画人生の集大成と位置づけ、76日間に渡る大ロケーションを敢行。支援者は日増しに増え、全国から数千人がこの映画製作に出資、総額4億5千万円が集まった。そして、全国各地からエキストラが結集、総出演者は8千人を超えた。

東京・有楽町スバル座には初日の9月4日2500人を超え、東京単館系ランキングでは初登場で動員数2位を記録(ぴあ9月27日号)。その後も平日でも1,000人動員が続いた。
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