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〈スタッフ〉
出演 : 水谷洋一
水谷甲太郎 他
監督・撮影・編集 : 柴田 誠 |
製作:『鳥類』/ Sei SHIBATA
配給・宣伝:Nui企画 / 楠瀬かおり
録音・整音:岸本祐典 / 浅井佑介
音楽:米田みちのぶ |
題字:ジュンコ
協力:ビジュアルアーツ専門学校・大阪
後援:山ドキュin大阪 |
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<解説> 2002年1月。雪印食品による牛肉偽装詐欺事件が発覚した。結果、雪印食品は解散。
そのきっかけを作ったのは、西宮冷蔵社長・水谷洋一による告発だった。
しかし、告発者を締め出すかの様な、業界の相次ぐ取引停止により、会社は倒産。
その後、世間の支援によって、2004年に会社は復活再建を果たすものの、いまだ以前の経営状態には及ぶべくもないというのが現状である。
また、会社だけでなく、事件当時、連日の加熱する取材、会社が倒産に追い込まれてゆく不安な生活は、個人としての水谷家にも大打撃を与えた。
これだけの犠牲を払いながら成された「告発」であったが、その後、相次いで発覚する企業犯罪に対しても、内部告発は相変わらず不当な制裁・報復行為を誘発する恐れが高いままであり、結果、現在も東京電力、オリンパス光学を始め、企業の不祥事に対する隠蔽体質は変わっていないのが現状である。
2012年。この事件から"10年"を経た社会は、どこへ向かうのか。
いま一度、どん底から復活した男の姿から、指し示す未来への途を見つけてもらいたい。
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こんな俺が、いつまでも注目されとるという事は、
今の日本が狂とるからやろな。情けない話や。
何事もなかったかの様に、やがて何年か、何十年か経って、"そんな事もありましたっけねぇ"って
早く言ってもらえる様に、言える様に持ってイカンとな…。
水谷洋一(西宮冷蔵 社長)
2002年の"告発"から10年。あの時、男が暴いたものは何だったのか…。
この事件に端を発し、次々と明るみになる企業不正。豊かだと思っていた社会の歪み。
食べること、暮らすこと、生きること、そのものが揺れている。
それでも我々はまだ黙っているのか。
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<監督の言葉>
「10年。生きて、生かされ、生きる。」
昨年、2011年10月31日。
僕は水谷社長と会うため、一路、兵庫県・西宮市へと向かった。
駅に着くと、いつもの様に社長は改札で待っていてくれた。
ロータリーに待たせていた車には、長男・専務 甲太郎さんも居られた。
「寒くなったので、今夜は久しぶりに鍋にしましょう」
この夜の場面から僕は再びカメラを向けることになった。
この日、まさに11年前の【2001年10月31日】、西宮冷蔵倉庫内で「関西ミートセンター」職員による"牛肉詰め替え偽装"の作業が行われたのだ。
この10年で失くしたもの、残したもの、始まったもの、生まれたもの。
そして、見えてきたもの。
「始まりの終わり」を経て、もう一度、生き続けている物語と寄り添っていたい。
監督 柴田誠
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