毎年恒例上映

<27年目のチェルノブイリ>



<4.26オールナイト VOL.5> 


~天国はいらない、故郷を与えよ~






ポレポレ東中野は、4月26日(チェルノブイリ原発事故の日)に毎年恒例の企画<27年目のチェルノブイリ>を開催致します。

本年は『ナージャの村』(監督:本橋成一)の冒頭で汚染地に住み続ける村人が語る、ロシアの詩人エセーニンの言葉「天国はいらない、故郷を与えよ」を手掛かりに、これまで各地で行われてきた大規模開発の影で故郷との結びつきを裂かれ、人間関係を分かたれてきた人々に視点を置いた作品群を上映します。

日中は本橋成一三部作『ナージャの村』『アレクセイと泉』『祝の島』(プロデュース作品・纐纈あや監督)の上映。いまだ故郷を喪失する人々を生み続けているチェルノブイリ、福島にそれぞれの分野から向き合う、有機農業研究家の明峯哲夫さんと本橋成一監督のトークイベントを行います。

同日深夜の<4.26オールナイト VOL.5>では、原発のみではない「開発」を住民の視点から捉え、故郷に生き続ける人々、あるいは故郷を離れざるを得なくなった人々の暮しを描いた作品を上映します。

故郷喪失者を生み続けてきた開発とは何なのか。
暗闇とスクリーンの間で、思索を巡らせて頂ければ幸いです。

企画 : ポレポレ東中野


日時 : 20013年4月26日(金)

料金 : <当日>   一般 1500円 / シニア・学生 1000円 / 小学 700円

      <オールナイト> 前売 2000円(Pコード:550-972) / 当日 2500円


日中上映作品


12:40~ 
ナージャの村
(1997年/118分/35mm)
監督・企画・原案 : 本橋成一

製作 : 神谷さだ子、小松原時夫
撮影 : 一之瀬正史  音楽 : 小室等  録音 : 菊池信之
編集 : 佐藤真  スチール : 大西暢夫

ナレーション : 小沢昭一
 
チェルノブイリ原発事故で汚染されたベラルーシのドゥヂチ村。そこに故郷を離れず、汚染された村に残る6家族がいる。そこは汚染されているとは思えないユートピアのように美しい村。写真家・本橋成一の初監督作品。

上映後に本橋成一監督と、約40年にわたり東京近郊で有機農業を研究・実践されてきた明峯哲夫さんをお迎えし、福島第一原子力発電所事故以降の食の問題から、様々なテーマにわたるお二人の鼎談をお届けします。

上映後、明峯哲夫(有機農業研究家)×本橋成一(本作監督)トーク有り


15:40~
『アレクセイと泉』
(2002年/104分/35mm
監督:本橋成一

撮影 : 一之瀬正史
音楽 : 坂本龍一
録音 : 弦巻裕   編集 : 村本勝
スチール : 明石雄介
ナレーション : アレクセイ・マクシメンコ
ベラルーシ・ブジシチェ村はチェルノブイリ原発事故によって放射能で汚染された。しかし村の泉からは放射能が一切検出されない。豊かな大地、奇跡の泉と共に暮らす人々を、坂本龍一の音楽と美しい映像で綴ったベルリン映画祭受賞作。


17:40~

祝(ほうり)の島
2010年/105分/HDV
監督 : 纐纈あや

プロデューサー : 本橋成一
撮影 : 大久保千津奈
音響効果 : 菊池信之  編集 : 四宮鉄男  製作 : 大槻貴宏

ナレーション : 斉藤とも子
瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町祝島。豊穣な海や山の恵みに支えられた1000年の歴史を刻む島。1982年、島の対岸4kmに
原子力発電所の建設計画が持ち上がる。効率と利益を追い求める社会が生み出した原発と、大きな時間の流れと共にある島の生活。原発予定地と祝島の集落は、海を挟んで向かい合っている。
上映後に纐纈あや監督をお迎えし、映画完成以降の祝島の状況を伺います。


上映後、纐纈あや(本作監督)ティーチイン有り


※各回終了後、1階カフェにて監督・トークゲストによる茶話会あり。(飛び入りゲストあり。乞うご期待!)




オールナイトコーナー

<4.26オールナイトVOL.5>
 23:15 開場 / 23:30 開映 (5:45終映予定)

5回目となる<4.26オールナイト>。過去には『ゴジラ』『へばの』『世界は恐怖する』『プリピャチ』など、多様な視点から原子力について考える上映を企画してきました。
東日本大震災から2年が過ぎた本年は、いま福島を中心に広がる故郷を離れた人々の暮し、「天国はいらない、故郷を与えよ」とつぶやいたチェルノブイリ汚染地の人々の暮しに思いを馳せ、原子力から一歩視点を広げて、故郷に住み、働き、食べること、将来を思い描くことを絶たれてしまった人々、それにあらがう人々を映した作品を上映します。
共に瀬戸内海を舞台にし、近代化で代々暮らしてきた島を離れなければならなくなった夫婦を描いた『故郷』と、対岸に計画された原発建設によって二分されてしまった小さな島の暮らしぶりを映した『祝の島』は互いのアンサームービーともいえ、今こそ注目すべき組み合わせです。また『水になった村』でダムに沈む村に最後まで住み続けたジジババの明るさは、映画ならではのファンタジーまで描き出します。夜明けに上映する『わが街わが青春』は、20歳を迎えた胎児性水俣病患者たちが主催するコンサートの一部始終を描いた感動作です。チェルノブイリ事故から27年になる夜、是非とも観て頂きたい4作品を一挙上映します!

『祝(ほうり)の島』
(2010年/105分/HDV)
日中上映欄参照

『故郷(こきょう)』
(1972年/96分/35mm)
監督・原作 : 山田洋次

脚本 : 山田洋次、宮崎晃
撮影 : 高羽哲夫  音楽 : 佐藤勝

出演 : 井川比佐志、倍賞千恵子、笠智衆、渥美清、前田吟

作品提供 : 松竹
「みな”大きなもんには勝てん”とか言うが、大きなものとはなんかいのう」「そうか、船長さんは労働者になっちゃうんだな―」 近代化の波に押され、代々暮らしてきた瀬戸内海・倉橋島を離れることを決意した夫婦を描く、山田洋次初期の傑作。美しい瀬戸内海の映像と音楽、言葉によって映画全体が切なさに包まれる。

『水になった村』
(2007年/92分/DVCAM)
監督・撮影・スチール : 大西暢夫

企画・製作 : 本橋成一
編集 : 土井康一  録音 : 米山靖  整音 : 渡辺丈彦  音楽 : 林祐介  音楽コーディネーター : 和田亨

作品提供 : サスナフィルム
ダムに沈む徳山村。写真家・大西暢夫が出会った最後まで村に住み続ける老人たちは、土地で採れるものを大切にする暮らしの知恵や技があり、笑い声に満ちていた。2006年秋、工事が終わり水がたまり始めた。もう誰も、村に帰ることはできない。変わりゆく暮らしに寄り添った15年間の記録。

『わが街わが青春 石川さゆり水俣熱唱』
(1978年/43分/16mm)
監督 : 土本典昭

製作 : 高木隆太郎、中川真次  撮影 : 一之瀬正史、他
ナレーター : 伊藤惣一

作品提供 : シグロ
水俣病の公式発表から20年。成人となった胎児性水俣病の患者たちは「何かデッカイことをやりたい!」と、石川さゆりのコンサートを考えついた。水俣病も障がいも飛び越え、いち若者として目標に向かってひた走る夏の、青春の輝きと挫折を記録したドキュメンタリー。彼らの情熱に応える若き石川さゆりのプロ魂も必見!

※上映素材は変更になる可能性がございます。ご了承ください。


カフェコーナー

<27年目のチェルノブイリ> 関連企画
本橋成一 × スズキコージ 
「ゲンパツイラナイ展」

日時 : 2013年4月16日(火)〜5月12日(日)  
      火曜〜土曜 11:30〜21:00 / 日 11:30〜18:00
     ※月曜定休(祝日は営業)
     
※祝日は閉店時間を変更する場合があります。
     ※イベント開催のためご覧いただけない場合があります。詳しくはお問い合せください。

会場 : Space&Cafeポレポレ坐(ポレポレ東中野ビル1F)
お問合せ : ポレポレタイムス社 03-3227-1405

ある日、スズキコージはぼくのチェルノブイリ三部作の写真を思いきり切り刻んでコラージュを作りだしました。それはぼくが思ってもみなかった、もうひとつの世界の出現でした。彼の「ゲンパツイラナイ」への強い想い、そして、ぼくの想いまでもアートとして作り上げたのでした。(本橋成一)