『マノン』

いま最高に新しい女--マノン。胸にチクリと痛む、いとおしい女が生まれた。
1981年/日本/カラー/107分


<出演>
烏丸せつこ    佐藤浩市    ビートたけし    ビートきよし
伊佐山ひろ子    荒木一郎    津川雅彦
<スタッフ>
 監督 : 東陽一

 製作 : 前田勝弘
 原案 : 東陽一
 脚本 : 田中晶子/東陽一
 撮影 : 川上皓市
 編集 : 市原啓子
 音楽 : 荒木一郎
 主題歌 : 「BIG BIRDを待たないで」
         作詩 東陽一/作曲 荒木一郎
         歌 TENSAW
 デシタルテレシネ : 東京現像所
 製作 : 幻燈社 1981年作品

<解説>
青春映画「サード」で日本の数々の映画賞に輝き、「もう頰づえはつかない」「四季・奈津子」「ラブ・レター」「ザ・レイプ」「湾岸道路」等、 “女性の自立”をテーマに数々の作品を撮り続けた東陽一監督の、最高傑作ともいわれる『マノン』。
しかし、東宝東和配給で1981年公開後は、インデペンデント作品であったため上映が限られ、ファンの間では、東監督の唯一幻の作品とされていた。
アベ・プレヴォー作「マノン・レスコー」は今までも映画化され、その作品ごとに話題になったヒロインたち。東監督は『マノン』として自由奔放に生きるヒロイン“みつこ” に烏丸せつこを選んだ。烏丸は東監督のもと「四季・奈津子」で映画デビューし注目を集めたニューヒロインであった。
また、他の出演者も注目される。みつこのやくざな兄には映画初出演のビートたけし。恋人にはこの映画でブルーリボン助演男優賞を初受賞した津川雅彦、そして当時21歳の佐藤浩市。最高のキャストが時代の風を巻き起こす。
今回、東監督と川上皓市カメラマンの監修のもと、ほぼ公開当時のフィルムに近い色合いを再現した
デジタルハイビジョンのマスター版を作成した。
<ストーリー>
劇団の研究生のみつこ(烏丸せつこ)は、いつも恋の匂いがただよう---
バニーガールの店で働くみつこは、サラ金を経営する滝沢(津川雅彦)と出会い一夜をともにする。
みつこには、しのぶ(ビートたけし)というヤクザな兄がいる。しのぶは滝沢との関係を知り金づるに狙いだす。滝沢は松本へ急死した友人の葬儀へ向かう。そこにみつこも同行する。葬儀の間一人残されたみつこは深夜の街へ。そして、工事現場でバイトをする青年、至(佐藤浩市)と知り合いデパートの屋上で一夜を過ごす。
みつこに魅かれ至は同じ特急で東京に出てくる。
ある日、みつこの友人曳子(伊佐山ひろ子)からみつこは「マノンよ。マノン・レスコー」と聞かされる‥・。あてもなく夜の街に彷徨い歩く至は、スーパーのレジから金を持ち逃げし、滝沢の会社に駆け込んだ。滝沢は無鉄砲な至に、奇妙な親しみを感じるのだった‥・

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