先祖になる

家が流されたらまた建てればいい
大昔から人はそうやってこの土地で生きてきた
Photo by Hiroko Masuike
2012年/日本/カラー/デジタル/118分/ヴィスタ


公式サイト

<スタッフ>
製作 : 権 洋子
撮影 : 福居正治
録音 : 青田直也
編集 : 田山晃一
音響構成 : 渡辺丈彦
HD編集 : 椿 学
スチール : 増池宏子
デザイン : 渡辺 純
製作・配給 : 蓮ユニバース

宣伝プロデューサー : 市川 篤
宣伝 : PALETTE

助成 : 文化芸術振興費補助金

© Ren Universe, Inc.
<ストーリー>
その人は木を伐り、自分の家を建て直した。
岩手県陸前高田市在住、佐藤直志77歳の震災後を描いた愛と勇気のドキュメンタリー
「蟻の兵隊」「延安の娘」池谷薫◎監督作品
男の名は佐藤直志。岩手県陸前高田市で農林業を営み、仲間から“親分”と慕われている。彼の家は1000年に1度の大津波で壊され、消防団員の長男は波にのまれた。生きがいを失った男に何ができるのか?
直志はひとつの決断をくだす。元の場所に家を建て直そうというのだ。自分はきこりだ。山に入って木を伐ればいい。友人から田んぼを借り、田植えもしよう。仮設住宅には何があってもいかない――。
土地に根ざし、土地に生きる人々の行く末を想う彼の強さと優しさは、少しずつ周囲を動かし、生きることの本質を問いかけていく。忍び寄る病魔、耐えがたい腰の痛み、遅々として進まない市の復興計画……。
数々の障壁を乗り越えて、77歳の彼は夢をかなえることができるのか――。


Photo by Hiroko Masuike
<概要>
大ヒット作「蟻の兵隊」につづき”老人力”全開のガンコ親父を池谷薫監督が見つめたヒューマン・ドキュメンタリー
本作は、中国残留日本兵の悲劇を描いた傑作ドキュメンタリー「蟻の兵隊」が異例のロングラン・ヒットとなった池谷薫監督の最新作。震災からひと月後に陸前高田を訪れた撮影チームは、そこで佐藤直志というひとりの老人と運命的な出会いを果たす。復興への夢を語る彼の姿に見惚れた池谷は、前作に引きつづき孤軍奮闘する”ガンコ老人”を追うことを決意。寄り添うように撮影を重ね、困難に屈しない“日本人の底力”を描き出していく。撮影期間1年6カ月。東京~岩手往復の走行距離は5万キロに達した。頑強な肉体と茶目っ気たっぷりのユーモア。枯れた中にも残り香のように漂う男の色気。観るものをとりこにする主人公の姿は、戦争や災害から立ち直ってきた”日本人”とは何なのか、人が生きていくとはどういうことなのか、静かに語りかけてくる。

-----------------------------------------------------------------------