『A2-B-C』

日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュが、カメラにおさめた“フクシマ”
(c)Ian Thomas Ash 2013
2013年/日本/71分/日本語&英語

<スタッフ>
監督 : イアン・トーマス・アッシュ

配給 : A2-B-C上映委員会
<ストーリー>
福島で生きる子どもたちに、今何が起きているのか
本作は、日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュが福島原発事故以降の福島の子どもたちを追ったドキュメンタリーである。

2011年3月11日 東日本大震災による福島原発事故発生。
その11日後、日本在住のドキュメンタリー監督イアン・トーマス・アッシュは、福島の取材を決意する。
今福島で、一体何が起きているのか?
その事実を知りたいという一心でアッシュは福島へ向かった。

福島を訪れたアッシュはカメラを片手に町の様子、人々の様子を撮り続けた。
中でも、外国人の自分に興味津々な様子で無邪気に声をかけてくる子どもたちに、アッシュは「兄弟」としての親しみを感じるようになった。
しかし、その子どもたちに、ある異変が起きていることを知る。

映画本編で、取材に応じた母親たちは、「県内で子どもたちを対象に行われた甲状腺検査で、A2判定を受ける子どもたちが2011年は28.2%だったのに、2012年は43~44%に増えている」と訴える。【A2】【B】【C】これは、甲状腺に発生した嚢胞(のうほう)や結節(しこり)の大きさによる判定レベルを表している。

同時にアッシュは子どもたちをとりまく校庭や通学路の汚染除去の日常の実態もカメラにおさめてゆく。

まるで家族のポートレイトを撮るかのように愛情をもって、原発事故以降の福島を撮り続けるアッシュ。テレビでは報道されない福島の厳しい現実と、福島に住む人々の切実な訴えが、カメラを通して静かに映し出されるー。
果たして、子どもたちの未来は安全なのか?
それでも、私たちは、何も起こっていないと見過ごすことができるのかー。




<コメント>

世界はフクシマをどう見たのか?
「この映画は、日本だけなく世界中の人々のために重要な映画です。
ここに描かれている問題は、国境を越え、地球の全ての住民に関連するものです。」
― チェルノブイリ博物館館長

「福島での核のメルトダウン:その危険とまやかしと裏切り」
― ハフィントン・ポスト(米国最大のニュースWeb)

「ひとりの子どもが『ぼくたちはみんなガンになって、若くして死ぬんだ』と言いますが、いったい日本では何が起きているの?と恐ろしくなりました。今だからこそ、この映画をより多くの日本人に見てもらうことがとても重要なのです。私たちが何としても、子どもたちを守らなくては。」
― キャサリン・ハムネット(ファッション・デザイナー)

「福島のことに関しては公式発表とは別に現地の事実があります。
子供の健康の話になると、いうまでもなく事実を知りたいのです。この映画を見れば少なくともその一部は把握できます。見た方はそれぞれ、住民の生活に影響を及ぼす決断を安心して行政に任せることができるかどうか、判断してください。」
― ピーター・バラカン(音楽評論家、ラジオDJ)

 
<プロフィール>
イアン・トーマス・アッシュ(監督)
1975年生まれ。
アメリカ・ニューヨーク州出身。
初めて撮った長編ドキュメンタリー「the ballad of vicki and jake」(2006年)が、スイスで開催されるドキュメンタリー映画祭Nyon Visions du Réelでグランプリを受賞。2000年に英語教師として来日して以来、日本滞在歴は13年にも及ぶ。福島第一原発事故以降、福島県内の避難区域周辺で生活する人々を追ったドキュメンタリー「グレーゾーンの中(In the Grey Zone)」(2012年)がロードアイランド国際映画祭にて新人監督賞&観客賞をダブル受賞。さらに福島の子どもたちを追った本作「A2-B-C」(2013年)でも世界各国で絶賛される。
最新作にガンにかかった友人の最期を記録した「Minus1287」(2013年)が控えている。
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