Hal Hartley is Back!


NYインディーズの良質な才能 ハル・ハートリー監督
待望の4作品公開!

公式サイト

<特集概要>

ハル・ハートリーは、長編デビュー作「アンビリーバブル・トゥルース」で頭角を現し、その後は作品を発表するたびに注目を集め、新鋭監督の位置を獲得。日本でも90年代を中心に大きな人気を呼んだ映画作家である。ゼロ年代からは国内での公開が途絶え、現在にいたってしまったので、彼の名前を聞いてピンとくるのは、40代以上の映画ファンかも知れない。しかも、作品の大半は未DVD化! それ故、最新作を含む4作品が公開される今回の上映は、新たに彼の名前を知った方にもハートリーの魅力を知る絶好の機会となるだろう。まさに今、発見されるべき監督なのだ。音楽も担当するハートリーのシンプルかつ辛口な映像と男女のナイーブな恋愛模様は、観る方の心の琴線にふれるだろう。そして、何よりも全く色褪せていない瑞々しい作品世界にひたる喜びを味わっていただきたい。
 
<監督からのメッセージ>

日本のみなさまへ

私にとって日本はとても大切な国です。東京と京都の訪問は日本文化をさらに深く理解することが出来ました。
ですから、先頃、日本を襲った災害とその後の惨事には大変心を痛めております。
初長編作「アンビリーバブル・トゥルース」は、原子力の危険性とオゾン層の崩壊を杞憂する少女の話です。当時の観客は世界の終わりを唱える少女を笑っていたものです。「シンプルメン」は、思ったことだけを言葉にするという状態を望んだ登場人物に注目しました。実際にそんなことが可能なのかは分かりませんけどね。「愛・アマチュア」は、自分が犯した罪を覚えていない人間に罰を与えることの意義がテーマです。これらの登場人物は、倫理観や感情面において全て私自身と言えるでしょう。
無知なるが故に、恐れるものが多い若者だった私は、不安で混乱し、腹を立て、欲求不満で、自信がありませんでした。ですが、楽観的な私は仕事に喜びを見出し、長い間、落胆することもありませんでした。たとえ間違いがあっても良い作品を監督すれば、世の中を生き抜く道は拓けるのです。
20年が過ぎて、私が50代になって撮った「はなしかわって」の主人公は、時代や合理主義に囚われない感情こそが、唯一信じられるものだと知っています。彼は自身の勘を信じていますが、その勘はポジティブで、決してセンチメンタルではありません。
主人公は、初期作品の登場人物たちが成長した姿だと言えるでしょう。

ニューヨーク、2013年9月 ハル・ハートリー
〈上映作品〉

アンビリーバブル・トゥルース

[1989/米/ヴィスタ/97分]

殺人罪で服役していた青年が故郷に戻ってくる。整備工場で働くことになり、経営者の娘と惹かれあうが…。NY郊外の街を舞台に描く、スタイリッシュでオフビートな長編デビュー作。ほろ苦いラブコメの佳作が日本初公開!



シンプルメン

[1992/米/ヴィスタ/106分]

泥棒稼業の兄と真面目な学生の弟。2人はテロの容疑者である父親が刑務所を脱走したと聞き、ロングアイランドへと向かう。そこでルーマニア人女性とバーの女主人に出会い…。故・淀川長治氏も絶賛したロードムーヴィーの秀作。



愛・アマチュア

[1994/米・英・仏/ヴィスタ/106分]

尼僧からポルノ小説家に転身した女が、殺されかけて記憶を失った男を介抱する。男は国際的犯罪組織の一員で、殺害を企てたのは彼の内妻だった…。破天荒でエロティックな傑作。TIFF1994ヤングシネマ・シルバー賞受賞!



はなしかわって

[2011/米/ヴィスタ/59分]

マンハッタンに暮らすジャズドラマーの中年男。マルチな才能で様々なプロジェクトに関わっている。困ってる人を見ると放っておけない性分から…。傷つきながらも明日を見出す希望をスタイリッシュに描く約5年ぶりの待望の最新作!

 
<プロフィール>

ハル・ハートリー

1959年、NY州生。NY州立大学で映画製作を専攻。89年に長編デビュー。2作目「トラスト・ミー」(90)と「シンプルメン」は世界の映画祭で注目を集める。6作目「ヘンリー・フール」(97)でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞。
日本ロケの「フラート」(95)で知り会った女優の二階堂美穂と結婚。その後、離婚している。
近年、製作会社“POSSIBLE FILMS”を設立。
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