物置のピアノ

いつもそばにある大切なもの。
2014年|日本|115分|HD・DCP

公式サイト

<出演>
芳根京子     小篠恵奈       渡辺貴裕      西野実見 
平田満       赤間麻里子     神田香織   
佐野史郎      長谷川初範     織本順吉
<スタッフ>
監督 : 似内千晶

企画・製作 : 武重邦夫 

原作 : 原みさほ
脚本 : 齊藤三保 

プロデューサー : 佐々木裕二  橘内裕人 

撮影 : 岡雅一 
美術 : 相馬直樹 
照明 : 緑川雅範 
録音 : 若林大介 
装飾 : 野村哲也 
編集 : 小林由加子 
スクリプター : 吉田久美子 
VFXプロデューサー : 野崎宏二 
音楽 : 丸山朋文 
助監督 : 日垣一博 
制作担当 : 角田道明 

主題歌 : 「Little Melody」 kainatsu 

協力 : 福島県桑折町 
制作協力 : シネマネストJAPAN
©2014「物置のピアノ」製作委員会
<ストーリー>
福島の小さな桃農家に生まれ、ピアノに魅せられたひとりの少女の物語。
 2012年7月。あの震災から一年後の夏。高校3年生の宮本春香(17)が奏でるピアノは薄暗い物置から夏草の薫りの中に溶け込んでゆく―。
 ある日、東京の大学に通う姉・秋葉(20)が突然帰ってくる。優秀で何でも器用にこなす人気者の秋葉といつも比べられてきた、不器用で臆病な春香。
 そんな春香にとってピアノを弾いている時が唯一の心安らぐ時間であり、物置は世界の中心だった。
 宮本家には幼い弟を亡くした悲しい過去の記憶がある。そのことで自分を責め続けてきた春香。物置でピアノを弾く事は、弟への償いでもあった。そんな中、桃の風評被害が更に祖父を苦しめていく。春香は、いつも優しく自分を見守ってくれている祖父のため、ある決断をする―。
 失った命への家族それぞれの思い、福島の桃農家の現状、浪江町から避難して来た少年との出会い。そして、秋葉との衝突……春香の中で何かが変わろうとしていた。





<解説>
震災後の福島で生きる人々の祈り、そして希望の光へ―。
 福島県の中通りにある桑折(こおり)町は夏になると至る所に美しく色づいた桃が実る、自然豊かで歴史ある田舎町です。この町で育った少女が上京し、故郷を想い書いたシナリオを元に、福島出身の若者が中心となり、映画の製作が開始されました。
 ところが、2011年3月11日、東日本大震災が発生。東北地方は甚大な被害を受けました。そのため映画製作を中断、家族や友人の安否を確認するために里帰りをし、凄惨な現実を目の当たりにしました。
 「物質的な支援は難しいが、映画を作ることによって精神的な面で故郷の人たちの心を支えることはできないだろうか」私たちは中断していた映画製作を再開しました。
 そして、桑折町の方々も映画スタッフとして製作に加わり、更に500人を超える町民、浪江町から仮設住宅に避難されている方々にもエキストラとしてご参加頂きました。
 映画製作に関わったたくさんの人々が共に泣き笑い、同じ時間を共有し、可能な限りの到達点を目指して一緒に歩んでゆく……こうして8年の歳月を経て「物置のピアノ」は作られました。


“わたしもピアノに救われてきたから―”
 主人公の春香は、福島、東京で行われたオーディションで選ばれた、映画初主演の芳根京子。幼少期からピアノを弾き続けてきた凛とした姿勢と澄んだまなざしが印象的な16歳の少女だ。その対照的な姉を演じるのが同世代の女優の中で独特の魅力を放つ小篠恵奈。仮設住宅に引っ越して来た少年を新人の渡辺貴裕。そんな若い主人公達を織本順吉、平田満、赤間麻理子、長谷川初範、そして佐野史郎と、名優の面々があたたかく、そして力強く包み込んでいる。
 
-----------------------------------------------------------------------