あの夜から9年、亡き由美香に捧ぐ“死と私”を見つめる珠玉のドキュメント3連発!!!
平野勝之、バクシーシ山下、カンパニー松尾の3監督によるトークショーあり!
|
【上映作品】
『監督失格』
2011年/110分
監督 : 平野勝之
出演 : 林由美香、小栗冨美代(由美香ママ)、カンパニー松尾
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ総監督の庵野秀明が、実写映画を初プロデュース。その注目の作品『監督失格』は、35歳の誕生日前日に自宅で急逝した女優・林由美香をめぐる、14年間に及ぶ美しくも壮絶な愛の記録です。「音楽を作るしかなかったのです。この二人のために」と、矢野顕子が音楽を担当し、主題歌「しあわせなバカタレ」を書きおろしました。本作は大切な人の「喪失」と、それに向き合う人々の「再生」を描いたドキュメントであり、人間賛歌です。
『死ぬほどセックスしてみたかった』
1994年/60分/未発売/AV
監督 : バクシーシ山下
出演 : 大崎ひとみ
奇才バクシーシ山下による当時20歳で交通事故死したAV女優の足取り追ったドキュメンタリー。ラストシーンが問題となり発売禁止になった20年前のAVだが、今年3月に渋谷、5月に大阪で上映され、その奇想天外な展開と衝撃のラストシーンに観たものすべてが度肝を抜かれ、映画評論家の柳下毅一郎氏に「この世にこれを超える映像などありえない」と言わしめた超怪作。
『私を女優にして下さい AGAIN11 上映版』
2011年/60分/AV
監督 : カンパニー松尾
出演 : やせぎす子さん、むちむち子さん、他
元は監督カンパニー松尾が末期の肺がんと宣告された父の最後と、その時の身の回りを撮った180分のAV。それを2012年3月に行われたポレポレ東中野における『監督失格』公開記念オールナイト用に60分に短縮したもの。
松尾が自分の父にカメラを向けるきっかけは、公開前の『監督失格』を試写で見て「やっぱり僕も撮らなきゃ」と奮い立ったことにあり、色んな意味で“繋がっている”作品である。
|
〜 『監督失格』の平野勝之監督からのコメント 〜
1ヶ月後の6月28日、ポレポレ東中野にて、オールナイトイベント上映あります。
異常な盛り上がりを見せているカンパニー松尾「テレクラキャノンボール2013」の上映が6月22日からポレポレ東中野で行われますが、その関連イベントです。
「監督失格」を上映します。実に久しぶりの劇場上映となります。
林由美香が亡くなったのは6月26日の夜。
28日は遺体が発見され大騒ぎになった日です。
あれからまる9年になりました。
今回の企画はカンパニー松尾が企画したものですが、ポレポレ東中野は、AVが初めて劇場公開された劇場でもあります。
17年前、1997年に当時、BOX東中野という名前だった同劇場で「由美香」が上映されました。これが引き金となり、ここから「監督失格」が生まれ、東宝を経て最後にここで上映されました。
そして、今また「テレクラキャノンボール2013」が上映されます。
「由美香」「監督失格」「テレクラキャノンボール2013」
この3本は内容的にも不思議な一致があり、一直線に繋がっているようにも思えます。
そして、このオールナイトではカンパニー松尾「私を女優にして下さいAGAIN11劇場版」バクシーシ山下「死ぬほどセックスしてみたかった」も上映されます。
「私を〜」は松尾君の父親の死と自身の特殊な日常を描いた、気取りのない素晴らしい傑作です。自分は以前、一度だけ劇場で上映した時に見たのですが「テレキャノ」同様、その潔い人柄と映像が一致していて、死という重いものを描きつつも、決して飾る事をしていません。飾らずに作る事ができて、見せ切る事ができる作りては実はそうそうはいないのです。だからこそ周囲の社会が逆にくだらなく思えてくるわけです。このあたりがカンパニー松尾の真骨頂で、どんな題材を扱おうと松尾作品を見た後の気持ち良さはこのあたりに秘密があります。これぞ松尾効果と言えるでしょう。テレキャノだけではないのです。
バクシーシの作は自分は未見ですが、凄いという話がジワジワと広がっています。亡くなった名も無い企画AV女優を追跡するドキュメントですが、なんと言っても山ちゃんの事です。どえらいものである事は間違いないでしょう。
死にまつわる3本立てですが、死も日常のひとつです。
ぜひご覧下さい。
自分は当日、久しぶりに林由美香を、あの世から降ろしてやろうと思ってます。
前にポレポレで一回降ろしてお客様にドン引きされましたが(笑)
あ、今度は由美香ママとガンモも降ろさないとまずいですね。
かなり厄介ですが、二人と一匹分頑張って降ろしますよ。
ええい、めんどくせーな
平野勝之 |
|