セシウムと少女

まだ何も終わっちゃいないのに?
(C)
2015年/日本/111分

公式サイト


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<出演>
出演:白波瀬海来、長森雅人、飯田孝男、川津祐介、山谷初男、金野美穂
<スタッフ>
監督・脚本 : 才谷遼

アニメーション : 久里洋二
            吉野ナオコ・梶原由貴子

撮影 : 加藤雄大
音楽 : 加藤久貴
主題歌 : 知久寿焼

ナレーション : 原マスミ

配給 : ふゅーじょんぷろだくと
<ストーリー>
3月3日生まれの少女ミミちゃんは、不思議な力をそれぞれもった七人の神様たちと出会い、入院中のおばあちゃんの九官鳥”ハクシ”を探しに一緒に東京の町に繰り出す。
昔の東京にタイムスリップし、ハクシの名前の由来となった憧れの詩人・北原白秋と出会う。
時空を超え、神と人間の垣根も超えて、東京の水辺に降り積もってしまったセシウムと付き合いながら、東京で未来も生きていくために旅を続けるミミちゃんに、「10万年経ったら僕ら、もう少し賢くなってるのかな」という歌が聞こえてくる。
<コメント>
東日本大震災以降、福島の現状を追ったドキュメンタリーや、証言を元に作られた劇映画など、数多くの映画が作られてきた。
しかし、こんな「震災映画」を観たのは初めてだった。
封切りから暫くして、上映は苦戦しているという情報が伝わってきた。
僕はもしかすると、この映画が何を描いているのか、が伝わっていないからじゃないか、と思った。
興行が思わしくない映画を上映するというのは、映画館としては賢いやり方とは言えないかもしれない。
しかし僕は、この映画が作られ上映出来ていること自体が、あの震災を経験した僕たちにとって大きな転換を意味している様に思えるのだ。
この映画は震災直後には考えられなかった映画だ。
それこそ不謹慎だとバッシングの対象にしかならなかっただろう。
しかし、あれから4年以上が経ち、僕たちも変わってきている。
僕たちは、誰から圧力を受けている訳でも無い筈なのに、自粛し続けてきていなかっただろうか?
でも、「オレだって被害者だろ!」そんな東京に住む人間の主張を、目撃して欲しい。
ポレポレ東中野支配人 大槻貴宏
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