獄友

『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』
『袴田巖 夢の間の世の中』に次ぐシリーズ第3弾!
“冤罪青春グラフィティ”
ドキュメンタリー映画/2018年/カラー/1時間55分


公式サイト

<スタッフ>
監督 : 金聖雄

プロデューサー : 陣内直行

撮影 : 池田俊己/渡辺勝重  

現場録音 : 池田泰明 
録音 : 吉田茂一

編集 : 金聖雄/野村太
編集助手 : 池田剛
制作デスク : 沢口絹枝

スチール : 村田次郎
イラスト : 千葉佐記子
音楽 :
 谷川賢作(作曲・ピアノ)
 小室等(ギター・ハミング) 
 こむろゆい、李政美(ハミング)
 トリ音(テルミン)
 橋本学(ドラム)
 牧原正洋(トランペット&フリューゲルホーン)
 吉野弘志(コントラバス)

音楽録音 : ichiro

印刷物制作 : 松井一恵
印刷物デザイン : 加藤さよ子

製作・配給 Kimoon Film(キムーン フィルム)
<概要>

獄中生活、5人合わせて155年!
奪われた時間の中で、彼らは何を失い、何を得たのだろう!?

獄中29年 布川事件 桜井昌司さん/獄中29年 布川事件 杉山卓男さん   
1967年、茨城県で起きた「布川事件」の強盗殺人犯にでっち上げられたふたり。無実を叫び続けた29年間の獄中生活の後、仮釈放。2009年再審開始。そして2011年無罪が確定。釈放後それぞれ結婚。杉山さんは2015年病死。

獄中17年6ヶ月 足利事件 菅家利和さん 
1990年に栃木県で起きた「足利事件」で4歳の女児殺しの犯人にでっち上げられた。獄中生活は17年6ヶ月。2009年におこなわれたDNAの再鑑定で無実が証明され、再審開始を前に釈放。2010年、再審で無罪が確定。

獄中31年7ヶ月 狭山事件 石川一雄さん 
1963年埼玉県で女子高校生が殺害された「狭山事件」の犯人として、不当な捜査によって逮捕される。1964年一審死刑、1977年無期懲役確定。その後、1994年仮釈放。獄中生活は31年7ヶ月に及んだ。現在第三次再審請求中。釈放後結婚した早智子さんとともに、無実を訴え続けている。

獄中48年 袴田事件 袴田巖さん  
1966年、静岡県清水市で味噌会社専務一家4人が殺され放火された、いわゆる「袴田事件」で犯人にでっち上げられた。1980年死刑確定。その後も無実を訴え続けた。2014年、ようやく静岡地裁において再審決定され、48年ぶりに釈放。検察が即時抗告したため今も死刑囚のままである。現在は、姉の秀子さんと浜松市で暮らす。



主題歌「真実・事実・現実 あることないこと」について
冤罪をテーマにしたドキュメンタリー映画『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』、『袴田巖 夢の間の世の中』に続く、『獄友 』。この三部作をきっかけに、冤罪で苦しむ人たちを、歌を通じて応援しようと「冤罪音楽プロジェクト イノセンス」が立ち上がりました。谷川俊太郎さんの作詩、小室等さんの作曲で原曲が誕生。さらに27名のミュージシャンに参加していただき、「真実・事実・現実 あることないこと」が誕生しました。
その楽曲は今後CD化、またプロモーション映像として広く冤罪支援のツールとして拡散。同時に映画「獄友」の主題歌として使用されています。

<参加ミュージシャン>
 ayako_HaLo  アン・サリー  李政美  伊藤多喜雄  うじきつよし  及川恒平

 大熊ワタル  こぐれみわぞう  河野‘菌ちゃん’俊二  小室等  こむろゆい

 坂田明  沢知恵  白崎映美  谷川賢作  趙博  トリ音  中川五郎 

 中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)  橋本学  POE(朴保)   *はなおと*

 牧原正洋  良元優作  吉野弘志  四角佳子

    「冤罪音楽プロジェクト イノセンス」 公式サイト

<監督コメント>
        
やっていないのに、殺人犯。人生のほとんどを獄中で過ごした男たち。
彼らは言う「“不運”だったけど、“不幸”ではない」。

「また冤罪映画!?」と思う人もいるだろう。しかしどうしても描かなければならないものがある。
 彼らは人生のほとんどを獄中で過ごした。いわれの無い罪を着させられ、嘘の自白を強要され、獄中で親の死を知らされた。奪われた尊い時間は決して取り戻すことができない。しかし、絶望の縁にいたはずの彼らは声を揃えて言うのだ。  
 「“不運”だったけど、“不幸”ではない、我が人生に悔いなし」と。
  冤罪など、許されるはずがない。しかし、彼らにとって“獄中”は生活の場であり、学びの場であり、仕事場であった。まさに青春を過ごした場所なのだ。「冤罪被害」という理不尽きわまりない仕打ちを受けながら、5人は無実の罪が証明されることを信じ懸命に生きたのだ。時に涙し、怒り、絶望し、狂い、そして笑いながら…。
 冤罪被害者の横のつながりはほとんどなかったが、「足利事件」の菅家さんの釈放をきっかけに、彼らは同じ痛みを抱えるものとして、お互いを支え合うようになった。はじめて彼らの話を聞いた時、どんなに重い話をされるだろうかと緊張し身構えていたが、会った瞬間、笑いをこらえることができなかった。自分たちのことを「獄友(ごくとも)」と呼び、獄中での野球や毎日の食事や仕事のことを懐かしそうに語り、笑い飛ばす。そこには同じ「冤罪被害者」という立場だからこそわかり合える特別な時間があった。そしてなぜ自白したのか、獄中で何があったのか、娑婆に出てからのそれぞれの人生を自ら語ってくれた。
 奪われた時間の中で、彼らは何を失い、何を得たのかを描き出す。そこからあぶり出されるものは、司法の闇であり、人間の尊厳であり、命の重さだ。
 今“獄友”たちは、“青春”のまっただ中にいる。               監督 金聖雄
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