『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』

1972年5月15日、沖縄返還。
日本のプライドをかけアメリカと闘った外交官、“千葉一夫”を知っていますか?
2018年|100分|DCP|16:9|日本


公式サイト

<キャスト>
井浦新    戸田菜穂

尾美としのり    中島歩    みのすけ   チャー ルズ・グラバ
吉田妙子    平良進    津波信一

佐野史郎   大杉漣   石橋蓮司
<スタッフ>
監督 : 柳川強

脚本 : 西岡琢也
音楽 : 大友良英

語り : 仲代達矢

原案 : 宮川徹志「僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫」(岩波書店刊)
プロデューサ : 西脇順一郎

資料提供 :  那覇出版社、那覇市歴史博物館 沖縄県公文書版社、

制作・著 : NHK
配給 : 太秦
<ストーリー>
理想を求めずして、何の外交でありましょうや―
沖縄返還で外交交渉の最前線にいた実在の人物、千葉一夫。戦後、外交官となった千葉は、本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねた。さらに何度も沖縄に足を運んでは、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。立ちはだかる本土の思惑に挫折しかけながらも、妻・惠子に支えられ、「鬼の千葉なくして沖縄返還なし」と称された伝説の外交官が生涯をかけて貫いたものとは――。

沖縄に人生をかけた男の生き様を知れば、本当の戦後史が見えてくる。
主人公の千葉を演じるのは、40代に入り益々活躍の場を広げる井浦新。“鬼の交渉人”を見事に演じきり、新境地を見せている。戸田菜穂は、妻・惠子の知的で上品な美貌に隠された“情熱”を体現した。又、当時の外務官僚、沖縄主席を演じる尾美としのり、佐野史郎、大杉漣、石橋蓮司といった映画界の名優たちの演技合戦は本作に重厚感とリアリティーを与えている。音楽は「あまちゃん」などの大友良英、語りは日本映画界の至宝である、名優・仲代達矢が担当する。

2010年の外務省の“密約問題”調査により、今までは見ることのできなかった返還当時の外交資料がほぼ全て公開された。資料を読み解くと、対米交渉・対沖縄折衝の両面で1人の外交官が大きな役割を担ってきたことが初めて判った。本作は、アメリカの理不尽な圧政に“怒り”、沖縄の現状に“泣いた”、黒衣の外交官である千葉の存在を非公開資料や遺族への丹念な取材から掘り起こした、宮川徹志の「僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫」を原案にして、沖縄返還交渉の裏面史を骨太に描いたNHKドラマに、新たな映像を加え再編集した劇場版として上映が実現しました。





<コメント>

井浦新(千葉一夫役)
真剣に、本気で生きる千葉一夫さんの姿が、深く胸に突き刺さった。
千葉さんが見た沖縄、そして闘い続けた日本は、あれからどう変わったのだろうか。
僕たちは真実を知らなくてはならない。


戸田菜穂(千葉惠子役)
「沖縄をこの国に取り戻す!!」
そう断言した男の、なんとたくましく魅力的なことか!!日本の歴史を変えた、魂と信念の男の妻を演じて一年経つが、私はいまだにその熱が冷めやらない。

仲代達矢(語り) 
私は戦時中、軍国少年として育てられ、敗戦の時、中学1年でした。そして、岡本喜八監督の『激動の昭和史 沖縄決戦』(1971年 東宝)に出演し、何度も沖縄へ足を運びました。
いろいろな考え方があると思いますが、私は、沖縄はこの72年間、置きざりにされ、アメリカにとっての前線基地となってきたと感じています。
日本の盾のようになってきた沖縄を、早く解放する道はないのか。
再び、愚かな戦争を起こさないために、日本はこれから、どうしていけばいいのか。
そのような思いを抱きながら、この作品に参加させていただきました。

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