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『ほかいびと 伊那の井月』
2011年/119分/HD
信州の北の一茶あり、南に井月あり!
芥川龍之介や山頭火・金子兜太ら日本を代表する文人から高く評価された放浪の俳人・井上井月(いのうえせいげつ)。ドキュメンタリー&フィクションの手法で、謎の多い井月の境涯を解き明かす。井月は、幕末から明治にかけて30年間、信州伊那谷で放浪し、一宿一飯のお礼に俳句を置いていく。やがて野垂れ死に同然に死ぬ。1800の俳句と聞き書から謎の生涯を明らかにした。
井上井月[いのうえ・せいげつ]
ふらりとやってきた漂泊の俳人、井月。
幕末から明治にかけて、長野県の伊那谷をおよそ30年放浪した男。家もない、家族もない、ここに一泊、あそこに二泊と一所不在を貫く。井月は、伊那の自然、風土、生活を詠う。訪れる家を寿ぎ、死者への追悼句を捧げる。乞食井月、一宿一飯のお礼にと句を置いて去る姿は、古来日本の「ほかいびと〈寿・祝人〉」を思わせる。
主演 : 田中泯
語り : 樹木希林
監督・脚本 : 北村皆雄
撮影 : 高橋愼二・金沢裕司・明石太郎・北村皆雄・桜庭美保・石曽根志気季子 技術 : 黒木禎二
照明 : 小西俊雄 映像効果 : 森崎荘三 音響 : 齋藤恒夫
選曲 : 細見浩三 整音 : 飯森雅允 美術 : 北澤一伯 CG : 山田みどり 編集 : 田中藍子
音楽 : 一柳慧 衣装 : 山口源兵衛 題字 : 石川九楊
プロデューサー : 三浦庸子・北村皆雄 制作 : 堀内功・平澤春樹
製作 : 一般社団法人井上井月顕彰会・ヴィジュアルフォークロア
助成 : 文化芸術振興費補助金 後援 : 上伊那広域連合ほか |
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『修験』
2004年/115分/HD
初めて映像化された〈擬死・体内籠り・再生〉
人は、死んで山に入り、山を胎内として再生する。このような古代的感覚を色濃く残す羽黒修験は、中世から密教的色彩に彩られ複雑に儀礼を発達させた。古代から山岳信仰に、仏教や民間習俗が融合して生まれた日本固有の山岳宗教<修験道>は、明治の廃仏毀釈による仏教排斥、破壊の波にのまれて多くが消えたり神道化して本質を変えてしまった。唯一、羽黒山荒澤寺だけがその根幹を今に伝えている。修行の舞台となる出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)で、生きながらに<死と再生><生まれ清まり>を体験する修行者の秘密の儀礼を通して、日本人が山に対して抱いてきた精神世界が見えてくる。この作品はこれまで部外者の立入を禁じ、門外不出とされた九日間にわたる羽黒修験・秋の峰の修行の全容を後世のために記録保存するという目的で初めて撮影が許可され、実現したものである。
監督 : 北村皆雄
助監督 : 神央 撮影 : 高橋愼二・村口徳行・毛利立夫・東野良
録音 : 山主文彦 スタジオ技術 : 久米智之 音響デザイン : 山﨑宏
音効 : 齋藤恒夫 整音 : 飯森雅允 制作 : みうらようこ
語り : 浜畑賢吉
協力 : 羽黒山荒澤寺正善院 助成 : 日本芸術文化振興基金
撮影年 : 2003~2004
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『海の産屋 雄勝法印神楽』
2017年|75分|HD
〈交叉する震災と芸能〉2部作 第1弾
宮城県雄勝半島、石巻市の漁村立浜(たちはま)は、東日本大震災の大津波で46軒中1戸だけを残し被災した。
その絶望の淵から立ち上がったのは、村に残ることを決めた12人の漁師たち。
「いっさい、いっさい、海を恨んでいねぇ」と、男たちは生活の再建とともに祭りの復興に乗り出した。流出した一切の神楽面と祭具を作り直し、何もない海辺の居住地跡に柱を立て、舞台を作る。
神楽に憑かれて“好き神”を自称する漁師が祈りの神楽を舞い、笛と二人の太鼓打ちが息を合わせ600 年前と変わらぬリズムを打つ。産屋の庭は神楽が舞い遊び、笛・太鼓の音が、命の誕生を告げる産声のように響く。海辺に立てられた舞台、それは新しい命を再生し、力強く鼓動させてくれる産屋となったのだ。
津波から1年後、人々を勇気づけ絆を取り結ぶ芸能の底力を描いたドキュメンタリー。『ほかいびと 伊那の井月』の北村皆雄と戸谷健吾による劇場公開作品。
監督 : 北村皆雄・戸谷健吾 撮影 : 山田武典・東野良 音声 : 黒木禎二・河合正樹
音響 : 齋藤恒夫 整音 : 浜口崇 音楽 : Ky(Yann Pittard &仲野麻紀)
プロデューサー : 手塚眞・三浦庸子 製作 : ヴィジュアルフォークロア、ネオンテトラ
出演 : 雄勝法印神楽保存会
語り : 寺尾聰
配給 : ヴィジュアルフォークロア(C)VISUAL FOLKLORE/NEONTETRA
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