願いと揺らぎ

海が揺れた、土地が揺れた、そして心も――。
(C)
2017年/147分/HD/カラー・モノクロ/16:9/日本/ドキュメンタリー


公式サイト

<スタッフ>
監督・撮影・編集 : 我妻和樹
プロデューサー : 佐藤裕美
宣伝 : 佐々木瑠郁

製作・配給 : ピーストゥリー・プロダクツ
<ストーリー>
震災が生んだひずみを乗り越え、土地とともに生きていく。
2005年から続く12年の記録が実を結んだ震災映画の大いなる到達点。
 
宮城県南三陸町の小さな漁村「波伝谷」(はでんや)。その震災までの3年間の日常を追ったドキュメンタリー映画『波伝谷に生きる人びと』から1年後が舞台の本作では、映画の冒頭、荒涼とした波伝谷の風景が映し出される。
 津波によって集落が壊滅し、コミュニティが分断された波伝谷では、ある若者の一声から地域で最も大切にされてきた行事である「お獅子さま」復活の気運が高まる。それは先行きの見えない生活の中で、人びとの心を結びつける希望となるはずだった。
 しかし波伝谷を離れて暮らしている人、家族を津波で失った人、さまざまな立場の人がお獅子さま復活に想いを寄せる一方で、集落の高台移転、漁業の共同化など、多くの課題に直面して足並みは一向に揃わない。震災によって生じたひずみは大きく、動けば動くほど想いはすれ違い、何が正解なのかも分からぬまま、摩擦や衝突を重ねお獅子さまは復活する。
 それからさらに時は流れ、仮設住宅から高台へと居を構え、波伝谷で生きることを決意した若者は、改めて当日の地域の混乱と葛藤を振り返ることになる。
 学生時代に民俗調査で波伝谷を訪れ、2005年からお獅子さまを撮り続けてきた監督が、ともに迷い、もがきながら、それでも復興に向けて歩み続けた人びとの「願いと揺らぎ」を鮮烈に映し出したドキュメンタリー。


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