ゾンからのメッセージ
(the Call of Zon)

古澤健(脚本・プロデュース)× 鈴木卓爾(監督) 「誰も観たことのない映画を創る」--
2018|日本|カラー|ステレオ|ゾンスコープ|117分


公式サイト

<出演>
高橋隆大   長尾理世   石丸将吾   唐鎌将仁   飯野舞耶   律子

古川博巳   山内健司(青年団)
<スタッフ>
監督 : 鈴木卓爾

脚本・プロデューサー : 古澤健

撮影 : 中瀬慧
音響 : 川口陽一
照明 : 玉川直人
編集 : 浜田みちる 鈴木卓爾
音楽 : 澁谷浩次(yumbo)

撮影助手 : 大橋俊哉
制作担当 : 五十嵐皓子 大城亜寿馬
助監督 : 石川貴雄
監督助手 : 磯谷渚 本田雅英

製作 : 映画美学校 不写之射プロ
宣伝協力 : SPOTTED PRODUCTIONS
配給・宣伝 : 不写之射プロ

フライヤー・ポスター・パンフレットデザイン :
 井上則人 安藤公美 (井上則人デザイン事務所)

イラスト : 山田参助
<イントロダクション>
不思議で懐かしい時の止まった町、その名は夢問町
20 年前のある日突然、夢問町は、謎の現象「ゾン」により町全体が覆われてしまいました。 無謀にもゾンの向こうへ行った人もいましたが、帰ってくる人は誰もおらず、今ではそんなことをする人もいなくなりました。この町の人々は何を想い、20 年の日々を過ごしてきた のでしょう? 生まれた時から町の外を知らない若者は、ゾンに何を見るのでしょうか? 町の外はまだそこに在るのでしょうか?

古澤健(脚本・プロデュース)× 鈴木卓爾(監督) 「誰も観たことのない映画を創る」--
-数々の TV・映画の話題作を手掛けてきた古澤健(『今 日、恋をはじめます』『クローバー』)と、映画の地平を次々と塗り替え続ける鬼才・鈴木卓 爾(『ゲゲゲの女房』『ジョギング渡り鳥』第 8 回 TAMA 映画賞特別賞)が異色のタッグを 組み、とびきり奇妙で魅力溢れる青春 SF 群像劇がここに誕生した。古澤は、本作で初のプ ロデュースも務める。

<ストーリー>
20 年前から謎の現象「ゾン」に囲まれた夢問町(ゆめといちょう)。町の人々が集まる「BAR 湯(ゆ)」を舞台に、店のママ常本道子、店員の狩野晶、セミナー主催者の二宮賢治、「ゾン 以後世代」の若者たち・羽佐間一歩と安藤麗実ら、住人たちの人間模様が繰り広げられてい る。ある日、町のはずれに住む永礼貫太郎のもとへ、ゾンから謎の VHS テープが飛来し、 住人たちに変化が起き始める......。それは果たしてゾンからのメッセージなのか。境界の向 こう側への不安や願望に搖れる6人を描く、SF 群像劇。

<コメント>

古澤健(製作/脚本)
宇宙の映画を作りたいといつも思っています。 というか、あらゆる映画は宇宙を舞台にしています。ただ登場する人間たちが、そこを宇宙 の中心だと思っているか、それともそこが宇宙の辺境であると認識しているか、その違いが あるだけです。 『ゾンからのメッセージ』の舞台となるのは、宇宙の中心でもあり、宇宙の辺境でもあるよ うな、不思議な町です。宇宙そのもの、かもしれません。だから、町の大きさは自転車で往 復できるくらい狭くもなるし、地平線が見えなくなるまで大きくもなります。 そういえば、なにかの本でこんなことが書いてありました。現生人類が生き延びたのは、水 平線の向こうになにも見えなくてもその彼方に陸があるかもしれないと想像する力と、その 無根拠さをあてにして舟を出す無謀さがあったからだ、と。僕は、その話のロマンチックさ に魅了されると同時に、現生人類の傍若無人な暴力性に辟易ともしてしまいます。『ゾンか らのメッセージ』はそんな矛盾する思いをこめた物語でもあります。 そして僕は「映画の宇宙」についても知りたいと思っています。だからこそ僕は商業映画と 自主映画を往復しているのだと思います。監督であること、脚本家であること、そしてとき には撮影や合成もやってみること。配給や宣伝もまた「映画の宇宙」の一部であり、僕はそ こにも触れてみたい。気づくと僕は「不写之射プロ」なるプロダクションまで作ってしまっ ていた......(僕はいつかカメラを使わない映画を夢見ているのです)。 そんな整理し難い思いの詰まった『ゾンからのメッセージ』が、僕らの住むここから遠く離 れた宇宙の反対側のご近所にいるかもしれないあなたの心へ届くことを、僕は根拠なく祈っ ています。


鈴木卓爾(監督)
『ゾンからのメッセージ』は、謎の現象「ゾン」に囲まれた町に暮らす人々についての映画 です。脚本と登場人物は、古澤健監督の呼びかけに応じた、映画美学校アクターズ・コース 第 2 期の 6 名が、ワークショップの時間の中から見つけたものを基につくりあげられまし た。映画の中の彼等が暮らす場所「Bar 湯」も彼等の手によって、埼玉県深谷市の、とある 小屋をリフォームして撮影されました。編集作業と並行して、この作品に関わったキャスト &スタッフらの手によって、町の空を覆い尽くす現象「ゾン」が組み上げられました。それ は、膨大な量で、壮大な作業でした。そうやってこの映画は出演者自身の痕跡が、演技だけ ではないところにまで反映されているであろう、奇妙な天蓋を持つシェルターのような映画 になりました。
撮影の行われた 2014 年からだいぶ経った 2018 年、多くのお客さんに観ていただく事にな りました。「どうしてこんなシェルターみたいな映画を作ったのだろう?」と私の記憶も曖 昧になって来つつあります。私達はいろいろなことを忘れて生きています。忘れていても事 態は全く変わっていないという事もあります。シェルターに裂け目が出来て、中から出てく る者にそのことを思い出させられる為でしょうか。あなたには、外側の世界はありますか? 彼女彼らの町、彼彼女らの暮らし、町の人々が想いを馳せる、ゾンの外側の世界。『ゾンか らのメッセージ』をどうぞご覧下さい。

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