|
ゴンドラは1986年に完成した映画です。
2017年に、デジタルリマスターで蘇り、東京での30年ぶりのリバイバル上映、そして全国に広がった。
佐々木すみ江さんは、下北半島の貧しいけれど温かい青年良の母親を熱演してくれた。
東京から来た心を閉ざした少女かがりに、生きる勇気をあたえてくれた。
|
|
<出演>
上村佳子 界健太 木内みどり
佐々木すみ江 佐藤英夫 出門英
<スタッフ> 監督 : 伊藤智生
配給 : 有限会社キューカンバー
|
|
<ストーリー>
大都会の中で、学校でも家庭でも孤立した9歳の少女かがり。彼女を癒やしてくれるのはAの音の音叉。
青森の下北半島から上京して高層ビルでゴンドラに乗り窓掃除している青年良。彼も都会で孤独だった。
かがりの飼っている文鳥が怪我をした時、窓越しに運命的に出会う2人。
死んだ文鳥を葬うために2人は、下北半島の海へ向かう。
|
|
<イントロダクション>
話題性に頼ることなく、映画でしか成し得ない本当の独創性にこだわって、
当時20代の若者たちの参加によって独立プロで製作し、1988年に劇場公開された映画『ゴンドラ』。完成から30年を経て今、美しい映像と幻想的な色彩に透明なメッセージを封印して、ひとりの少女の“心の対話の物語”を刻み込んだこの作品のリバイバル上映が決定!古いけれど新しい…大事な忘れ物を思い出させてくれるこの映画を、ますます先が見えにくくなった現代に彷徨い、浮遊する、たくさんの“孤立する魂”に、今あらためて届けたい。
|
|
<解説>
主人公かがり。『ゴンドラ』はこの役を演じた上村佳子という少女の限りなく実像に近いドキュメントである。当時小学校6年生であった彼女は自らの10年間の人生を作品に叩きつけた。
笑うことのできない瞳を持った少女―かがり―のひと夏の出来事はゴンドラに乗った―青年との出逢いによって不思議なほど寓話的展開を示す。そしてその方角が暖かい北であることに透明なメッセージを封印したこの作品の美しい映像と幻想的な色彩に静かに刻みこまれているものは、現代に生きる一人の少女の心の対話の物語である。
|
|