山懐に抱かれて

岩手県下閉伊郡田野畑村。
限りなく自然に近い環境で牛を育て、牛乳を生み出す、
父と、母と、7人の子どもたちの、24年間を追いました。
2019年/103分/16:9/カラー/HD/日本/ドキュメンタリー

テレビ岩手 開局50周年記念作品

公式サイト

<スタッフ>
監督・プロデューサー : 遠藤 隆

協力 : 日本テレビ系列 NNNドキュメント
製作著作 : テレビ岩手
配給宣伝協力 : ウッキー・プロダクション

協賛 :
 全農いわて いわての牛乳 
 エヌティーコンサルタント 東北銀行 福田パン
後援 :
 岩手県 盛岡市 田野畑村
 東京農業大学 早稲田大学 岩手大学
 田野畑村教育委員会 田野畑村漁業協同組合 
 田野畑村森林組合 田野畑村商工会 
 田野畑村産業開発公社 
 新岩手農業協同組合田野畑支所 
 田野畑村漁業協同組合浜岩泉浦女性部 
 田野畑村漁業協同組合田野畑浜女性部

ナレーション : 室井 滋
<ストーリー>
「みんなが幸せになる、おいしい牛乳をつくりたい」
山の牧場を切り拓く吉塚一家。
雨の日も雪の日も、泣いた日も笑った日も、その歳月はいつも家族とともにありました。
美しくも厳しい岩手の自然を背景に綴る長編ドキュメンタリー


 岩手県下閉伊郡田野畑村に暮らす、5男2女・9人の酪農大家族。
 一家が営むのは、一年を通して山に牛を完全放牧し、大地に生えるシバと自前で栽培する牧草だけを餌に牛を育てる“山地酪農”。自然の営みのなかから生み出される、その理想の酪農の実現を胸に、大学卒業後この地に移住した父・公雄は、山を切り開き、シバを植え、牧場を育ててきました。
 プレハブの家でのランプ生活が続くなか授かった7人の子どもたちは、父の背中を追うように牧場を元気にかけまわり、手伝いをし、すくすくと育っていきます。夏には冬のための草を刈り、秋にはヤマナシの木に登ってその実をオヤツに、冬にはみんなで薪を拾い、春には仔牛が生まれる…四季の風景に彩られ、休むことのない牧場の暮らし。
 一方、自然とともに歩む“山地酪農”ゆえの課題は、次々と一家の暮らしの前に立ちはだかります。
限りある乳量、広さに応じて決まっている牛の頭数、販売価格の調整…ジレンマと闘いながら試行錯誤を繰り返す日々は続きます。
みんなで囲む楽しい食卓、周囲の支え、成長した子どもたちと頑なな父との衝突と葛藤、そして仲間とともに踏み出したプライベートブランド《田野畑山地酪農牛乳》設立への挑戦、第二牧場への夢————。
山懐に抱かれて、365日24時間“いのち”と向き合いながら、愛情いっぱいに育まれるその営みを大切に綴りました。


< 山地酪農(やまちらくのう)とは…>
山を切り開き、四季を通じて完全放牧し、草だけを餌に育つ牛が牛乳を生み出す、限りなく自然に近いサイクルで営む循環型酪農法。植物生態学者の猶原恭爾博士により提唱され「一度形が決まれば、末代までほぼ毎年、普遍的な牛乳の供給ができるようになる」とし、民俗学者の宮本常一も期待を寄せた。近年では、安心安全を重視する消費者からも注目を集めている。一方で、山の生育・大自然とともに歩み、広大な牧地を必要とするこの酪農法の定着安定までには多くの時間も労力も要することから相当の覚悟と忍耐が必要とされ、実践・継続する農家はごくわずか。吉塚牧場と仲間がともに営む《田野畑山地酪農牛乳》では、自ら厳しい「生産者規定」を定め忠実に守っている。
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