常に時代に先行、あるいは並走しながら数々の問題作、衝撃作を世に送りつづけてきた若松孝二。
この作品は、最新作「17歳の風景 少年は何を見たのか」の東北ロケを中心に、映画監督・若松孝二
の、知られざる創作の現場に迫ったドキュメンタリーである。
67歳のベテラン監督が、なぜ、17歳の少年の映画を撮ろうとしたのか。
自らスタッフの先頭にたち、極寒の東北を旅していくことを選んだのはなぜか。
それは、肺がんを克服し復活の雄叫びをあげるべく、若松孝二が自らの原点を辿った旅でもあった。
メイキングは竹藤佳世。「17歳の風景」シナリオへの参加をきっかけに、富士山に始まる
東北ロケに完全同行し、今なお映画界の中で突出する、若松孝二の映画の作り方を記録した。
撮影中、絶対統率者としてスタッフを叱咤激励する若松流の監督術は、時に記録映像にも乱入し、
見るものを驚かせる。若手から抜擢されたスタッフと監督とが、少年の心情を追いながら共に旅をし、
互いの関係と、作品をつくりあげていく過程が、もうひとつのロードムービーとして形づくられた。
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