「アメリカばんざい」
〜 crazy as  usual 〜

『闇を掘る』(2001)の監督・藤本幸久が満を持して描く“戦争の入り口と出口”

 公式サイト

<スタッフ>
監督:藤本幸久

インタビューアー:影山あさ子

撮影:栗原良介、中井信介 
コーディネーター:加藤鈴子、福原顕志  
編集:藤本幸久、栗原良介
製作・配給:森の映画社、太秦  


<解説>
◇ホンモノのブートキャンプはこれだ!

ブートキャンプ、そこはダイエットの場ではない!
正しい兵士をつくる場所!
2007年空前の大ブームとなった“ビリーズ・ブートキャンプ”。ビリー教官に叱咤激励されつつ、目指すべきは引き絞まった身体。しかし、ホンモノのブートキャンプが生み出すのは、欠陥のない、国家に従順な戦争兵士。パリス・アイランドの海兵隊だけでも、毎週500〜700人の普通の若者が入隊し、3ヵ月で立派な兵士へと変身を遂げる。
◇戦争する国は、いつも「ばんざい」の声とともに若者を戦場に送る。
60年前、日本では「天皇陛下ばんざい」、ドイツでは「ハイル・ヒットラー」と若者を戦争に送り出した。イラク戦争開戦5周年を迎えたアメリカでは、今なお、「アメリカばんざい」の声とともに若者を世界の戦場に送り出している。
送り出された若者たちの、その後を追った。ベトナムに送られた若者たち。コソボに送られた若者たち。アフガニスタンに送られた若者たち。イラクに送られた若者たち。アメリカに還ってきた若者たち。還れなかった若者たち、イラクだけでも4,000人。
どんな経験をしたのか。どんな今を生きているのか。マスコミが伝えない「ばんざい」の裏側が見えてくる。
◇どん底を生きる元兵士たち
現在、アメリカの全人口の100人に1人、350万人がホームレス。男性ホームレスの3人に1人が元兵士といわれている。ホームレスの若者たちから見えてくる“戦争が社会に与える影響”。アルコール、ドラッグ、暴力の連鎖。「crazy as usual」、これは日本の近未来なのか?!


<プロフィール>

監督:藤本幸久

1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
土本典昭監督の助監督となる。アフガニスタンの内戦を描いた「よみがえれカレーズ」を最後に、フリーランスになる。
『教えられなかった戦争−侵略・マレー半島』(1992)で初監督を務めた後、映画製作の拠点を北海道新得町に移す。1996年から毎年、新得で「空想の森映画祭」を開催。大雪・トムラウシの原生林を舞台とした『森と水のゆめ』(1999)を製作。また、1994年から6年の歳月をかけ、閉山する炭鉱を記録した『闇を掘る』(2001)は、2002年レティナ国際映画祭準グランプリを受賞。その後、『オッケンドンムーアジアを結ぶ若者たち』(2004)を経て、沖縄(辺野古)、韓国(梅香里)、北海道(矢臼別)にある基地で、演習や作戦を展開するアメリカ軍と、そこに暮らす人たちを丁寧に捉えた『Marines Go Home』(2005)を完成させた。『Marines Go Home』の取材を通し、出会った若い米兵たちから感じた「彼らはどこから来た?なぜ兵士になった?そしてどこに行くのか?」という疑問を追い求め、2006年10月から2008年4月にかけ、計7回のべ200日間のアメリカ取材・撮影を重ね、本作を完成。
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