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<キャスト>
新妻聖子
筧利夫
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秋本奈緒美
三上真史
紗綾
宇都宮雅代 |
村野武範
ぶっちゃあ
宮内知美
萩野貴継 |
上田耕一
正司照枝
中条きよし(友情出演)
松方弘樹 |
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<スタッフ>
企画・製作:桂壮三郎
監督:金田敬
脚本:山田耕大
プロデューサー:利倉亮
ラインプロデューサー:江尻健司
キャスティング:松永琴
音楽:山谷知明
撮影:志賀葉一
照明:佐々木英二
録音:山口勉
VE:小澤進司 美術:山田好男 早坂英明
編集:桐畑寛
助監督:江利川深夜 上野貴弘 |
制作担当:酒井識人
衣装:村島恵子 澤田枝里
ヘアメイク:大久保恵美子 間宮直子
スチール:佐藤初太郎
メイキング:榎本敏郎
協力:ケイプランニング グループ飾り屋 おかもと技粧 APEXU パナソニック映像 高橋ロケサービス
製作:ゴーゴービジュアル (株)ブルボン
制作プロダクション:株式会社レジェンド・ピクチャーズ
推奨:全国農業共同組合中央会 JAグループ千葉
制作支援:千葉県横芝光町民の会
助成:文化芸術振興費補助金
(C)2010映画「アンダンテ〜稲の旋律〜」製作委員会
原作 : 旭爪 あかね(「稲の旋律」新日本出版社刊) |
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Andante(アンダンテ)
〜 ゆっくりと 歩く速度で 〜
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<ストーリー>
薮崎千華(新妻聖子)は母親・由利恵(宇津宮雅代)の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、音楽社会の競争は激しく、次第に自信をなくしていく。やがて登校拒否になり、大学を中退した千華はアルバイト生活に入るが、職場の人間関係も上手く行かず、仕事も転々とする日々。教職につく父親(村野武範)との軋轢、社会になじめない劣等感から部屋に閉じこもるという悪循環。仕事の上司とともに職場に向かう途中、対人恐怖に絶えきれず千華はあても無く電車に飛び乗った。
そしてたどり着いたのは千葉・横芝光町の見渡す限り広がる黄金の田園風景。千華は「だれか私を助けてください」と書いた手紙をペットボトルにつめると、水田に放った。
ある日その水田の持ち主である広瀬晋平(筧利夫)から千華のもとに手紙が届く。そして二人の交流が始まった。
自然農業に取り組む晋平の誘いもあり千華は仕事場の同僚だった逸子(秋本奈緒美)と横芝光に通うようになる。脱サラして農業を目指す青年・新(三上真史)やフリースクールに通う晋平の姪・奈緒(紗綾)らとともに体を動かし、非効率な作業を重ね、汗をかき、自然相手に四苦八苦しながら自分たちの食べ物を作る充実感。農業に従事するにつれ、次第に千華は生きる喜びと晋平への恋心を抱き始める。
一方で千華の母は複雑な想いを抱えていた。母の実家は農家であり、作業と反比例する貧困に苦しんだ少女時代を送っていた。ピアノに触れたくても触れられなかった母は、娘に自分の夢を重ねていたのだ。それに反発する娘。母の想いとは裏腹に、横芝での生活こそが次第に千華をピアノへと向かわせる。
そんな折、千華は晋平から逸子への想いを聞かされ、千華は再度実家に引きこもるようになる。逸子からの連絡も聞き入れない千華に手を差し伸べたのは、晋平の農業の師である山原(松方弘樹)だった。山原は、晋平がみんなで育てた稲穂が刈られる前に千華のためのピアノコンサートを計画していることを知らせる。「そういうつながりをしっかり握りしめることこそが生きるということなんじゃないかね」
千華は、今度は母とともに横芝光へ向かう。母は父の反対を初めて押し切ってまで千華のピアノが聞きたいと言ってくれたのだ。
町の人々に囲まれた広大な田園の稲穂の中で、千華の奏でるグランドピアノからはパッフェルベルの美しい旋律「カノン」がゆっくりと響きだす。 |
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<解説>
社会に適応出来ず、対人恐怖症とひきこもりから抜け出し、新たな自立の道を懸命に模索する主人公・千華。そして厳しい農業経営の傍ら、食と農業問題に独自の哲学を持ち、土と共に生きる晋平。そこからは現代日本の問題が見えてくる。
親の過剰な期待と愛情、そして親から自立出来ない子供の悲鳴。対人恐怖の苦しみやひきこもりを抱える子供たちの増加はすでに家庭の問題ではなく、社会的問題に発展してきた。
一方で日本の食料自給率は41%と低い水準にあり、私たちの食卓のそのほとんどが安価な海外からの輸入に頼りきっている。そこには安全性に疑問のある食料も含まれ、子供たちの健全なからだ作りを蝕む一面もあると同時に、日本の農家経営を圧迫している。しかし世界の人口増加、食料飢饉にともない、これからの日本農業の自主的な向上は重要な課題である。
美しい田園風景の中で四季のうつりかわりを実感しながら大地に感謝を捧げ生きる、まさに「アンダンテ(ゆっくりと、歩く速度で)」な時間のなかで、現代社会に疲弊した女性が再び生きる喜びを発見し、再生していく物語である。
原作者である旭爪あかねは、自らの対人恐怖の苦しみや、ひきこもり生活の体験を主人公千華に反映させ、葛藤をよりリアルに描き出した。農作業を通して千華が不器用ながらも人を信じること、自分を信じることの大切さを学んでいく姿は、本当の幸せとは何なのかを教えてくれるに違いない。
主人公・千華を演じるのは、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」など超大作ミュージカルで国内外から高い評価を得ている新妻聖子。映画初出演にして初主演を飾り、家族や他人との関係性に葛藤を抱える女性という難しい役を熱演。また、千華を再生へと導く農業家・晋平を「踊る大捜査線」シリーズ(CX)などTV、舞台、映画と幅広く活躍する名優・筧利夫が演じ、作品に深みを持たせている。
また、秋本奈緒美、松方弘樹、宇津宮雅代、村野武範ら実力派が脇をかため、三上真史、紗綾らが伸びやかな演技をみせている。また中条きよしが友情出演しているのもみどころだ。
舞台となる千葉・横芝光町では、町長を筆頭に町を挙げて撮影隊をバックアップ。エキストラから昼食の炊き出しにいたるまで、町の人々の多大な協力を得て、2009年春から秋にかけて、稲の成長とともに撮影を進めた。横芝光町の鮮やかな田園風景やつややかな農作物、そしてたわわに実る稲穂もまた、本作の主人公といえるだろう。 |
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<プロフィール>
新妻 聖子(にいづま せいこ)(薮崎千華役)
愛知県出身。父の仕事により11歳から7年間タイで過ごし帰国後、上智大学在学中の2002年TBS「王様のブランチ」ブランチレポーターとして芸能活動を開始。2003年夏、ミュージカル「レ・ミゼラブル」エポニーヌ役で初舞台。ミュージカル女優として華々しいデビューを飾った翌年、超大作ミュージカル「ミス・サイゴン」でヒロインのキム役に大抜擢。2006年11月から半年間に渡り上演されたミュージカル「マリー・アントワネット」では、世界初演のオリジナル・キャストとしてマルグリッド・アルノー役を熱演し、平成18年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞した。歌手としては2006年CDデビュー。最新のミュージカル・アルバムでは、語学力を活かして自ら英語楽曲の対訳を担当。NHK BS-2「魅惑のスタンダードポップス」の司会やJ-WAVE「ZENSHO WILL FOR TOMMOROW」のパーソナリティを勤める他、サンケイエクスプレスにて月1回ロングエッセイを綴るなど、多方面で活躍中。映画は本作が初出演である。
筧 利夫(かけい としお)(広瀬晋平役)
1962年静岡県出身。大阪芸術大学在学中、当時学生劇団だった劇団☆新感線に加入。卒業後、鴻上尚史主宰の劇団第三舞台に所属し、殆どの作品に参加する看板役者として活躍。同時にその軽妙なトークが人気を呼び、バラエティ番組にも多く出演。1997年から始まった人気TVドラマ「踊る大捜査線」シリーズ(フジテレビ)では管理官を演じ話題となった。「踊る?」シリーズは映画(本広克行監督)も製作され、日本映画史上に残る大ヒットを記録する。そのほか主な映画出演作は「容疑者 室井慎次」(君塚良一監督)「22才の別れ」(大林宣彦監督)「昴?スバル?」(リー・チーガイ監督)など。舞台作品は劇団第三舞台作品のほか「飛龍伝」(つかこうへい 作・演出)「贋作 罪と罰」(野田秀樹 作・演出)「す★け★だ★ち」(岡村俊一演出)ミュージカル「ミス・サイゴン」など多数。現在NHK-hi「名曲探偵アマデウス」テレビ朝日「交渉人2」に出演中のほか、映画「交渉人 the Movie」(松田秀知監督/10年2月公開予定)が待機中。
原作:旭爪(ひのつめ)あかね
1966年東京都出身。宇都宮大学農学部出身。大学研究室などでアルバイトをしながら小説を書き始める。この間激しい対人緊張とうつ状態のため職場に行けなくなり、ひきこもりに近い生活を送る。1997年より文芸誌などに小説を発表。本作「アンダンテ」は「稲の旋律」三部作の第一部となり、第二部「風車の見える丘」は2008年舞台化。月刊誌「女性のひろば」に連載されてきた第三部「月光浴」で完結した。
【原作者の言葉】
「千華やかつての自分とおなじように苦しんでいる人たちに、「悩んだり、苦しんでいるはあなただけじゃないよ」と伝えたい、という気持ちで、この小説を書きました。泥から生まれる美しい稲の海が、銀幕一面に揺れている様子を想像します。そのなかを、ときには立ち止まったり後退もしながら、ゆっくりゆっくり歩きはじめる千華の心が、観てくださる方々の胸に届きますように。映画の完成を心待ちにしています。」 |
監督:金田敬(かねださとし)
1963年大阪府出身。大阪芸術大学舞台芸術学科を卒業後、井上梅次、廣木隆一、石川均監督達の助監督として映画・TVで活躍する。1990年監督に昇進し、単館系映画・Vシネマ作品を監督する。2003年「青いうた のど自慢青春編」(シネカノン製作)を監督し好評を得る。2007年「愛の言霊」、2008年「春琴抄」と続けて監督作が公開。日本映画界で最も期待される監督の一人である。
【監督の言葉】
「どうせどこかに向かうなら無駄を省いて最短距離を選びたい……そう思うのが一般的で、美徳とされている昨今、この原作は無駄なことや不器用に立ち止まった人間を、稲穂が風にそよぐように静かに応援しているようです。映画化するにあたり、声高に何かをメッセージするのではなく、原作の持つそのスタンスを大切に挑みたいと思案しています。」
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企画・製作:桂 壮三郎(かつら そうざぶろう)
1994年短編アニメ作品「くまのおいしゃさん・すてきなコンサート」をプロデュース。その後「5等になりたい」(1995)「いのちの地球・ダイオキシンの夏」(2001)他短編・長編アニメの共同製作やプロデュースを多数手がける。2005年長編アニメ映画「ガラスのうさぎ」を手がけた際、主題歌を歌っていた新妻聖子と出会い、本作の製作に着手した。 |
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