あの鷹巣町のその後


選挙の結果も記録した続編60分も併せて上映!
前編・後編 2005年 / カラー/ 180分(前編・後編)/ドキュメンタリー
続編 2006年/カラー/5959分/ドキュメンタリー


<スタッフ>
自由工房作品

製作 工藤充

演出 羽田澄子

撮影 宗田喜久松
    西尾清
    相馬健司
録音 滝澤修 ピアノ 高橋アキ
バイオリン 加登萌々子

演出助手 佐藤斗久枝 
撮影助手 河戸浩一郎

協力 北秋田市の皆さん 
    大森弥(東京大学名誉教授)
    大友信勝(龍谷大学教授)

鷹 巣 町 高 齢 者 安 心 条 例
第1条 この条例は、介護の必要な高齢者等に対して提供される介護サービスの質の向上を図ることを目的とする。介護保険制度のもと、保険者たる鷹巣町は、高齢者の尊厳を守ることを最大の価値と考える。その証として、人権擁護の防波堤をここに築き、地方自治体に課せられた高齢者福祉行政の責務を全うするための礎石とする。
安心条例は、18条より成り、平成14年4月1日から施行されていたが、平成17年9月、町村合併後の北秋田市議会において廃止案が可決された−−−
前 編 ・ 後 編
<前編・後編 概要>
秋田県鷹巣町は、1991年、高齢者福祉の充実を掲げた若い岩川徹氏が町長に当選して以来、住民参加を基礎にして高いレベルの高齢者福祉を築きあげてきました。
ところが2003年の町長選挙で、岩川氏は、町村合併を推進する対立候補に大敗してしまいました。新しい町長は、「福祉のやりすぎだ」といい、町の福祉政策は大きく変化しました。
いったい鷹巣町に何がおきたのか。この映画では、福祉政策を進めてきた鷹巣町を振り返るとともに、2003年以降、多くの関係者に取材をかさね、2005年9月までの町の変化を追いました。それは、十数年前、鷹巣町を取材しはじめたときには想像もしえない、驚くべきものでした。
2005年3月22日、4つの町が合併し、鷹巣町はなくなり、北秋田市となりました。町村合併問題をはじめ、「身の丈福祉」、「官から民へ」など、鷹巣町が直面した問題は、今まさに日本の各地で私達が直面している問題でもあります。
「あの鷹巣町のその後(前編・後編)」に寄せて  演出 羽田 澄子
私は秋田県鷹巣町で、2本の映画を作っています。「住民が選択した町の福祉」と「問題はこれからです」の2本です。鷹巣町は米代川の流域の人口2万2千ばかりのまちですが、1991年に老人福祉の充実を掲げて、当選した若い岩川町長が、デンマークの福祉に学んだシステムを「住民参加」を大切にして、町に作り上げてきました。しかし、議会に反対勢力が多く、ことはスムースに運びません。

それでも岩川町長は3期12年の間に、社会福祉協議会による24時間の在宅ケア、福祉公社が運営する「ケアタウンたかのす」。----それは、充分な人手。すべて個室でユニットケアの80床の老人保健施設、30床のショートステイ、デイセンターをもつ施設をつくりあげ、鷹巣町は日本一の福祉の町と言われるほどになったのでした。

2本の映画はこの経過を描いています。ところが2003年の統一地方選挙で、4期目を目指した岩川氏は、町村合併をかかげた対立候補に、驚くような大差で敗れたのです。

新しい町長は、町の一般会計からの補助で支えられているレベルの高い福祉を、福祉のやりすぎだといい、福祉を壊しはじめました。2005年3月22日、鷹巣町は消えて北秋田市が誕生しました。鷹巣町の福祉を全国に紹介した私には、この事態を伝える責任があると思って作ったのがこの映画です。「一体この町に何がおきたのか」 私はこの町の政治を見つめることになりました。その驚くような展開とともに、この小さな町の姿に日本の国の姿を見る思いがするのです。

長時間の作品ですが、是非ご覧いただきたいと願っております。


*前編・後編が完成した後の10月14日に、ケアタウンを運営する「たかのす福祉公社」の理事、監事、評議員、利用者の家族、職員が地元記者団と会見をして、来年度からは市の支援を受けずに運営することを宣言しました。これは大変重要な決断です。この地域の変貌はまだまだ続くでしょう。
 
続 編
<続編 概要>
町村合併で北秋田市となった旧鷹巣町。その市議会議員選挙が3月26日にありました。
自由工房は「あの鷹巣町のその後」の続編として、この市議選の撮影をしました。
定数26人に43人が立候補した激戦でした。その結果と町の人の声などを記録。
「あの鷹巣町のその後」はこの続編を加えて、完結することになります。

「あの鷹巣町のその後(続編)」に寄せて  演出 羽田 澄子
これは映画「あの鷹巣町のその後」の「その後」となる作品です。
「あの鷹巣町のその後」は鷹巣町が近隣の阿仁、森吉、合川町と合併して北秋田市となり、鷹巣町の町長になっていた岸部陞氏が市長になったところまでを描いています。
この続編は、それから1年たった2006年3月26日に、合併後初めて行われた市議選を取材したものです。
北秋田市の市議会は在任特例で、旧町の議員71人がそのまま残って構成されていたのですが、この選挙で議員は26人になりました。どのようなメンバーが市議会を構成することになるかは、北秋田市の今後の行方を左右する大きな問題です。私たちは、この選挙までを取材して、映画「あの鷹巣町のその後」を終わらせることにしました。
 選挙では、福祉を支持していた人たちは高得点で当選、福祉否定派の主だった人たちは落選という、驚くような結果をもたらしました。それでも議会全体では福祉支持派は少数です。選挙の行方とともに、町の人々のさまざまな意見をこの続編では記録しています。

この続編によって、この小さな自治体の政治や住民の思いを、さらに深く見ることができると思っています。

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<料金>
料金:一般2,000円 学生・シニア1,500円
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