ありがとう


「奈緒ちゃん」から「ぴぐれっと」そして「ありがとう」へ

公式サイト

〈スタッフ〉
出演 奈緒ちゃん一家

脚本・演出・編集 伊勢真一

撮影 石倉隆二
照明 箕輪栄一
音響 渡辺丈彦
録音 米山靖 永峯康弘 井上久美子

音楽 横内丙午
テーマ曲 Arnold von Bruck作「AVE MARIA」
合唱 フレーベル少年合唱団

タイミング 笠原征洋
スチール 内藤雅行 菊池喜孝
宣伝デザイン ジオングラフィック
上映デスク 相原余至子 東志津

題字 西村奈緒
絵 木島浜子
プロデューサー 渡辺哲也

製作協力  ヒポコミュニケーションズ
       一隅社
       クロスフィット
       ヨコシネD.I.A.
       奈緒ちゃん一家
       社会福祉法人「ぴぐれっと」
       グループホーム「みなみ風」
       助川満 岩永正敏 守内尚子 大場健二
       篠塚昌述 宮本皓司 野口香織
       飯田光代 藤崎和喜 児玉真由美
       山本起也 金聖雄 澄川嘉彦

企画製作 映画「ありがとう」製作上映委員会
       いせFILM

支援 文化庁
<解説>
「ありがとうって言って」が口グセの姪っ子の奈緒ちゃんの言葉をそのままもらってのタイトル「ありがとう」は、私が奈緒ちゃんに言いたいお礼の言葉でもあります。25年間も撮影させてもらってありがとう、と……
クランクインは奈緒ちゃんが8才の冬、家族そろっての初詣のシーンでした。てんかんと知的障害を合わせ持つ奈緒ちゃんは、長くは生きられないのではないか、という両親やまわりの人達の心配をブッ飛ばして、薬の世話になりながら今も、元気一杯です。病気があっても元気な奈緒ちゃんの姿を撮影して、家族のアルバムのようなものを創ってプレゼントしよう。そして奈緒ちゃん一家を励まそう、という思いで始められた映画創り、気がついたら25年の歳月を記録していました。
奈緒ちゃんはびっくりするほど成長しました。自分だけが元気に成長したわけではなく、お母さん、お父さん、弟の記一にも大きな影響を与え、家族全員を育んで来たように思います。「育み、育まれる家族のしあわせ」という言葉は前作の映画「奈緒ちゃん」のキャッチフレーズですが、その家族の中心に居たのは常に奈緒ちゃんでした。
奈緒ちゃんがいて良かった……と家族は口を揃えます。そして、家族だけでなく、地域の人達や仲間達、奈緒ちゃんにかかわるみんなを育ててくれたと思う。もちろん、私を含めた映画のおじさん達にも「しあわせ」のオーラのようなものをたっぷり振りまいてくれ、こうして素敵な映画を創らせてくれました。多分この映画を観るひとりひとりにも「しあわせ」をメッセージしてくれるにちがいありません。「しあわせ」のカタチは似ているけど「不幸」のカタチはそれぞれに違う……というらしいけど、私は「しあわせ」のカタチはそれぞれに違うのだと言いたい。「不幸」と思い込むことよりも、ひとりひとりがそれぞれの「しあわせ」に気づくことが大切なのだと思う。奈緒ちゃんは何よりもそのことを私に教えてくれました。「ヨカッタサガシ」です。
撮影を始めてから25年、奈緒ちゃんは32才になり家を出てグループホームに自立、お母さんは自ら起ち上げた地域作業所「ぴぐれっと」を見守り、弟記一くんは「ぴぐれっと」の中心的な存在、そして、お父さんはサラリーマンを定年退職……
奈緒ちゃん一家四人の「しあわせ」は、カタチを変えながら今も発展途上です。「ありがとうって言って」映画を観るひとりひとりに奈緒ちゃんは問いかけます。
<コメント>
“家族”っていいな 
そう思える
ドキュメンタリーでした。
撮り続ける事の凄さ、
撮られ続ける事の凄さ。


最初っから笑えているのに
なにか泣きたいような、
でも笑いながら
泣いちゃいました。


「面白かったなー
奈緒ちゃんダーイスキ」


奈緒ちゃんの
「やさしく ありがとう」
という祈りが……
それが平和の
根っこかもしれない。
「こんなに笑える
ドキュメンタリー初めて」


愛情で結ばれた
飾りのない真っ直ぐな
言葉につつまれながら
懐かしい奈緒ちゃん一家の
世界に帰ってゆくことが
できました。


人と人は答えの
でないなかを生きていく。
そんな当たり前のことが
写っていました。


「自分自身の25年間を
思い返しました」
監督 伊勢真一
「奈緒ちゃん」1995年/「ルーペ」1996年
「えんとこ」1999年/「ぴぐれっと」2002年
「風のかたち」2003年/「朋あり」2004年他
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