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製作: カナダ国立映画制作庁(NFB)
ディレクター/ライター:ジョーン・ルミール
撮影:マーティン・ルクレール
水中撮影: マリオ・シール
録音:ヒューバート・マセ・デ・ギャスティーヌ
編集:フレデリック・ロシニョール
アラン・ベルミュール
音声編集:マリー・クロード・ギャンネ
音楽:エルベ・ポスティック
制作会社:グラシャリス・プロダクションズ
共同制作者: National Film Board of Canada, Gedeon
写真:スタニスラス・デヴィユ
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日本語版制作
プロデューサー: 中村 和子
翻訳: 河野 雅昭
録音・調整: 峰尾研究所
演出: 三好 慶一郎
東北新社担当: 小柳 剛、 西 仁司、 佐藤 志帆
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<解説>
大自然が太古と変らない姿で息づく、地球上に残された数少ない地、北極。そこでは、アザラシや白熊、海鳥などの動物たち、そして少数民族イヌイットたちの、大自然と共存する営みがはるか昔から続けられている。
しかし、誰しもが思い描いているイメージとは裏腹に、この自然に富んだ地が急激な環境変化によって危機に瀕していることを、果たしてどれだけの人々が知っているのであろうか。
かつて150年前に、英国のフランクリン隊が遭難した悲劇の舞台でもあった北極海北西航路。押し寄せる流氷、帆を切り裂くブリザード、海図には無い浅瀬での座礁。多くの困難に立ち向かいながら、カナダの環境調査船セドナ号は、5ヶ月に及ぶ航海に果敢にも挑戦した。そして、美しい3本マストの帆船が目の当たりにしたのが、予想を超えた環境の変化だった。
進行する地球温暖化による氷河の侵食、永久凍土の消滅、そして海面の上昇。その影響は動物たちにも深刻なダメージを与えていた。生活圏の縮小、極度のえさ不足、生態系の微妙なバランスは大きく崩れだしていた−。
愛すべき生き物たちが環境の変化に翻弄されてゆく姿。それは、われわれ人間に対する、無言の警告である。
忍び寄る温暖化の中で、彼らはいったい何を見ているのか。
これは壮大な自然に挑んだセドナ号と科学者たちの、ロマン溢れる冒険科学ドキュメンタリーである。 |
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このドキュメンタリーには、北極グマの死が象徴的に現れる。それは純白のイメージを持った北極圏の「死」のシンボルに他ならない。優雅な3本マストの帆船がカナダ北辺の海を航海する。この記録映画は、地球温暖化の恐ろしい現実を私たちに知らせる。それにしても、苛酷な北極圏の何と美しいことか…。
品田雄吉(映画評論家)
地球温暖化が言葉だけ先走っているような感が拭えない、と思っていたところでこの映画を見た。すでに温暖化はここまで進んでいる、ということを教えてくれる作品だ。本や書類、データに目を落とす前に、ほんの少し遠くに目を向ければ、そこに地球温暖化は確実に存在している。
森田正光(気象予報士)
北極という極寒の地で起こる想像を越えた自然の厳しさに驚きました。北極は、白クマにとって楽園だと思っていたのに、冒頭での白クマの変わり果てた姿。温暖化現象という自然破壊が、この白クマを餓死においやったのか? その死に人間として胸の詰まる思いがしました。
長 高士(声優) |
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