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<スタッフ>
監督・脚本:梁英姫(ヤン・ヨンヒ)
撮影:梁英姫
編集:中牛あかね
サウンド:犬丸正博
翻訳・字幕:赤松立太
プロデューサー:稲葉敏也
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協力:パッソパッソ
協賛:総合学園テクノスカレッジ
東京工学院専門学校
東京エアトラベル・ホテル専門学校
制作協力:プラムクリークス、メディアプラザ
制作:CHEON
配給:シネカノン
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愛しい人たちが暮らすその地には、どうしても受け入れらないシステムがある。
30数年前、朝鮮総聯の幹部である父は、日本で生まれ育った3人の兄たちを、彼らが見たこともない「祖国」に送った。大好きな両親が信じるものに対して、どうしようもない違和感を抱きながら、私は大人になり、やがてカメラを持った。
生活のすべてを祖国に捧げてきた父が、そんな私の生き方を認めてくれる日はやって来るのだろうか?
そして私は、父が人生をかけて守ろうとしてきたものを、いつか理解できるようになるのだろうか? |
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<大阪〜ピョンヤン、たまらなく愉快で壮絶な父娘のバトルの記録>
大阪で生まれ育った映像作家ヤン・ヨンヒが、自身の家族を10年間にわたって追い続けたドキュメンタリー『ディア・ピョンヤン』。
17歳の時に朝鮮学校の修学旅行で初めて渡朝してから20数年、幾度となくピョンヤンを訪れ、そこに暮らす兄たちの家族と交流を深めてきた〈私〉=ヤン・ヨンヒ監督は、学校では教わらなかった「祖国」の現実を肌で感じながら、近くて遠い二つの国に生きる自分の家族のあり方を記録することを決意する。
家族をとても大切にする父母が、なぜ息子たちを「祖国」に送ったのか?自分たちの生活すべてを祖国に捧げるのはどうしてなのか?
下町人情あふれる大阪の路上で、金日成賛歌が流れる万景峰号の中で、兄の家族が生活するピョンヤンのアパートで、娘は真っ正面から父にカメラを向ける。
朝鮮半島と日本の政治情勢に翻弄されながらも祖国の発展を一途に信じ、家族のささやかな暮らしのために闘ってきた父親と、生まれた時から自由を謳歌して育った娘のジェネレーションギャップ。「死ぬまで仲良くしよーな」「うるさいわ!」といった漫才さながらのやりとりの奥にある、あまりにも複雑でせつない思い。映画はそれらを痛快なエンタテインメントとして描きながら、思想や価値観の違いをはるかに超えた場所にある絆を浮かび上がらせいく。 |
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<愛にあふれたヤン家に世界がくぎづけ!>
ステテコ姿で「オモニ(母ちゃん)は最高や!」と叫ぶ父。とびっきりの笑顔で家族を包み込む母。何よりも妹の幸せを願う3人の兄。ビデオカメラに興味津々の北朝鮮の甥っ子姪っ子。
誰もが微笑まずにはいられない、あたたかくておおらかな家族の情景がつまった本作は、世界各国で話題騒然! 観終わった人々が、思わず自分の家族について語り出すというムーブメントを巻き起こしている。
韓国では、頑固一徹な父のキャラクターに観客が大笑い! ベルリン国際映画祭、サンダンス映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭といった主要な映画祭でも、父娘の和解ドラマが共感を呼び、それぞれ栄誉ある賞を受賞。笑いあり涙ありの“感情のジェットコースター映画”として、世界各地の観客を魅了している。 |
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<ヤン・ヨンヒ監督からのメッセージ>
私はキャメラを通して多くの人と出会ってきた。
その人々と共有した時間の記録が映像作品となる。
そして観客はこの作品を通して「彼ら」と出会う。
私は人間同士の新しい関係性を築き上げるためのマッチメーカーに過ぎない。
そのためにキャメラを持ち、他人の私生活に踏み込むという暴力的で傲慢な作業を積み重ねる。
そのなかで拾い集められるプライベートな小さな瞬間は私たちが生きる時代や世界、歴史までも垣間見ることが出来るほどのエキサイティングな時間となって私たちを包んでくれるだろう。
監督:梁英姫 (ヤン・ヨンヒ)Yang Yonghi
大阪市生まれ。〈在日〉コリアン2世。東京の朝鮮大学校を卒業後、教師、劇団女優を経てラジオパーソナリティーに。ドキュメンタリー映像作家として活躍する一方で、テレビ朝日・ニュースステーションなどの報道番組でも独自の視点でニュースを取材し、活躍する。1997年渡米。NYでも取材活動を続けながらニュースクール大学大学院修士号取得。2003年に帰国後、日本での活動を再開する。現在、学習院大学非常勤講師、テクノスカレッジ客員講師をつとめる。 |
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