「ふるさとをください」

【ほのぼのと心あたたまるヒューマン・ドラマ】


<出演>
大路恵美   ベンガル   烏丸せつこ   
藤田弓子   中山仁   石井めぐみ
<スタッフ>
脚本 ジェームス三木

音楽 小六禮次郎

監督 冨永憲治
<ストーリー>
片倉千草は大学院を出て県庁の職員になり新生活がスタート。父の雄二郎は店を営むと共に地域のリーダー。母の邦子はその父を支え、弟の健太はサッカー好きの高校生。
 そんな折りに、街も片隅で障害者がクリーニング屋を始めたことに、町内会で反対に立ち上がる雄二郎。千草は、その共同作業所の若い職員の内藤明彦と知り合い、彼らの働く姿に共感するが、父や母は警戒する…。千草は作業所を応援しようとするのだが…。懸命な千草と、反対する雄二郎との衝突は激しくなる。
その頃、作業所メンバー同士が結婚しようとしている。彼らを支えようとする千草や内藤の努力が実り、街の人々の雰囲気が変わり始めるのだが…。父と娘の対立はどうなるのか?これを見守る街の人々や、作業所の関係者を巻き込んで、笑いと涙に満ちた物語が繰り広げられる。美しい自然と優しい心にあふれる和歌山でのロケーション。ハートフルな映像は、観る人の心を癒してくれるでしょう。
<プロダクション・ノート>
ヒロインには、中学生でCM界に鮮烈デビューして以降、テレビや映画で活躍を続ける大路恵美(おおじ めぐみ)。93年からのTVドラマ「ひとつ屋根の下」の清純な妹役で人気を集め、95年に映画「ひめゆりの塔」(神山征二郎監督)で沖縄戦を生きた看護学生を演じ演技派若手女優のトップに立つ。04年には東海TV「永遠の君へ」に主演。06年には日本TVの終戦記念特別ドラマ「最後のナイチンゲール」やNHK「芋たこなんきん」など、また「京都迷宮案内シリーズ」「鬼平犯科帖スペシャル」にも出演しており、現代劇から時代劇まで幅広い役をこなしチャーミングな笑顔で人気を広げている。

その父親を演じるのは、多彩なキャラクターを演じて映画・テレビで大活躍のベンガル。今や伝説的劇団となった「自由劇場」を経て、劇団「東京乾電池」を柄本明らと共に結成。連続TVドラマ「あぶない刑事」「こちら本池上署」、NHK「オードリー」などでユニークな風貌と器用な演技を見せる。映画では「北京的西瓜」(大林宣彦監督)で主演し庶民の人情厚い生き方を見せて感涙を呼んでいるほか、「遠き落日」「青春デンデケデンデケ」や「あぶない刑事」シリーズ、「ウィニング・パス」「県庁の星」「NANA2」「歌謡曲だよ人生は」など多数の作品で印象深い役作りを見せ、観客を楽しませている。

その家族の母親には、モデル・デビューで脚光を集めた後、映画・テレビで活躍する烏丸せつこ。昨年のNHK大河ドラマ「功名が辻」の明智光秀の妻役でその魅力を発揮している。情熱とエネルギーに満ちた共同作業所の所長を演ずるのは、ドラマや情報バラエティなど多彩なテレビ番組で親しまれる藤田弓子。この活動を支える老練な医師には、若き日のTV「サインはV」以降、味わいのある演技で数多くの作品に参加する中山仁。そして、「きょうされん」第30回全国大会(2007年12月に東京で開催)の実行委員長を務める石井めぐみも、全国の講演など多忙な仕事の合間をぬってこの作品に出演している。

脚本は“ドラマの達人”と多方面から引っ張りだこのジェームス三木。高視聴率で話題となったNHK朝の連続テレビ小説「澪つくし」(日本文芸大賞脚本賞)以降、大河ドラマ「独眼竜正宗」や「八代将軍吉宗」でも注目と話題を集めている。また、「憲法はまだか」(放送文化基金賞脚本賞)、「父の詫び状」(プラハ国際テレビ祭グランプリ)、「弟」(橋田賞大賞)など数多くのテレビドラマで高い評価を得ている。最近では、長時間ドラマ「忠臣蔵−瑤泉院の陰謀」や「海峡」で視聴者の人気を得ている。映画「さらば夏の光よ」「善人の条件」(監督も)、演劇「翼をください」「真珠の首飾り」「さぶ」などで幅広いテーマを見事にこなしている。今回、長年にわたる共同作業所運動の応援団として、深い連帯感を込め、笑いと涙に満ち人情味あふれるヒューマン・ホーム・ドラマを描いている。

音楽は“映画音楽の魔術師”と評判の小六禮次郎(ころく れいじろう)。東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業し、映画・テレビ・舞台の音楽で活躍するトップ・アーティスト。映画では、シベリアの大地に生きる人間と犬たちの交流を描いた「オーロラの下で」(監督:後藤俊夫/アジア太平洋映画祭最優秀音楽賞・日本アカデミー賞音楽賞)や「ゴジラ」(監督:橋本幸治)、アニメでは「うしろの正面だあれ」(監督:有原誠治)など。舞台では世界劇「黄金の刻」(2006年初演・毎年武道館で再演)。テレビでは、2006年のNHK大河ドラマ「功名が辻」において、その面白さを音楽でも盛り上げて話題となる。

監督は、冨永憲治。大阪芸術大学で映像を学んだ後、TV番組の演出で経験を積み、「マリリンに逢いたい」(すずきじゅんいち監督)、「波の数だけ抱きしめて」(馬場康夫監督)、「国会へ行こう!」(一倉治雄監督)などの助監督で多彩な映画修業を重ね、1994年に、空挺部隊での特訓の愚連隊的若者を描く爆笑コミック『右向け左・自衛隊へ行こう!』の映画化で監督デビューして「ゆうばりファンタスティック国際映画祭」の市民賞を受賞。2006年には、いじめにあった少年たちのメッセージを描く社会派の映画「かかしの旅」(文部科学省特選・厚生労働省児童福祉文化賞)を監督して高い評価と注目を受けている。

この作品は、最新の技術を活用し、撮影から編集・仕上げ、そして各地の上映の段階においても、デジタル・シネマによる展開を推進している。これは、日本が生み出した「ハイビジョン映像(高精細映像)」の映画分野への応用として進められているもので。とりわけ、近年、HDデジタル再生装置の開発により、大きなスクリーンでの上映会に活用が進み、地域での映画会の展開促進に大きな役割を発揮している。このような技術を活用することにより、今回の上映活動においても、地域に密着した「草の根・網の目」の取組みが推進されるものと期待されている。
また、この映画は情報バリアフリーのモデルとして日本語字幕版(聴覚障害者用)での上映会が全国で開催されていく。さらに、英語字幕版やスペイン語字幕版を制作し、アジアや欧米、南米に届けていく計画。こうした問題についての日本の優れた実践と経験を様々な国の人々にも知らせていきたいと考えている。
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