かタイトル

「戸塚ヨットスクール事件」から30年―― あの時代が裁いたものは何だったのか。
2010年|HD 16:9|日本|98分|ドキュメンタリー



<スタッフ>
監督:齊藤 潤一

ナレーション:中村 獅童

プロデューサー:阿武野 勝彦 

音楽:村井 秀清 
音楽プロデューサー:岡田 こずえ
撮影:村田 敦崇 
音声:戸田 達也  /  車両:鷲見 禎典 
TK:河合 舞   /  題字:山本 史凰 
効果:久保田 吉根 /  ミキシング:澤田 弘基 
編集:山本 哲二

制作・著作・配給:東海テレビ放送 
配給協力:東風

(c) 2010 東海テレビ放送


<ストーリー>

1980年代、社会問題となっていた非行や登校拒否の子供達を、激しい体罰を含む訓練で再教育していた戸塚ヨットスクール。訓練生の死亡や行方不明事件を起こし、時代のヒーローから一転、戸塚宏校長は“希代の悪役”として裁かれることになった。マスコミ報道と世論に圧される形で、体罰は教育界から排除、戸塚事件は時代の象徴となった。 当時から自らの正当性を主張し続けた戸塚校長は、2006年に刑期を満了し、スクールに復帰した。現在、スクールには10名の訓練生が在籍しているが、体罰は封印され、そこにはかつての緊張感はない。訓練生の大半は引きこもりやニートで、その多くが20代と高年齢化、スクールは世相を反映している。70歳を過ぎた戸塚校長の講演は年間70回に及び、子育てに悩む保護者や教育関係者が集まる。あのとき時代は何を裁き、今にどう繋がっているのか。モンスターペアレンツの出現や学級崩壊など混迷を極める教育現場。平成ニッポンが抱えるジレンマが、スクリーンに浮かび上がる。 報道の裏に確かに存在する、 事件当事者の“生の姿” 。 本作を制作したのは、戸塚ヨットスクールを取材エリアに持つ東海テレビ放送。つまり、時代と世論を先導したメディア自身によって作られたドキュメントである。2010年5月にテレビドキュメンタリーとして東海三県で放送されると、再放送を望む声が殺到。未公開シーンも加えて劇場公開することになった。監督は、光市母子殺害事件を弁護団の側から照射した「光と影 〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜」などで高い評価を得ている東海テレビディレクターの齊藤潤一。 2009年、戸塚ヨットスクールの屋上から、訓練生の女子高生が転落死した事件。カメラは、その3日前、入校する彼女の姿も捉えている。一般のニュースでは“18歳の女子生徒”と扱われ顔の見えなかった彼女が、ここでは話し、笑い、泣いている。1980年代の事件当時からの長期取材によって、現場の内と外、その両側から事件を見つめた本作には、事件当事者それぞれの生の姿が刻み込まれている。

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