ヒバクシャー世界の終わりに
「私を忘れないで・・・」
2003年/カラー/スタンダード/116分
国際交流基金
芸術文化振興基金助成事業
公式サイト
予告編@youtube
<スタッフ>
監督:鎌仲ひとみ
プロデュ−サ−
:小泉修吉、川井田博幸
撮影:岩田まき子、家塚信
音声:河崎宏一
編集:鎌仲ひとみ、松田美子
音楽:クリストフ・ヒ−マン
写真:森住卓
デザイン:秋元智子
上映配給
:巌本和道、宮原理恵、宮下優子
編集・録音スタジオ:東京テレビセンター
キネコ:ヨコシネD.I.A
製作・配給:グループ現代
後援:財団法人日本ユニセフ協会
<解説>
<国境のない核汚染>
確実に全世界を覆い尽くそうとしている国境のない核汚染。使われる側にも使う側にも等しく被害をもたらす核。普通に生活している人が知らぬ間に被曝し、ゆるやかに殺されていくという現実。この作品は見る事も、感じる事もできない核汚染の環境のもとで生きる、イラク、アメリカ、そして日本の人々の日常の姿を記録し、彼等、ヒバクシャの声を伝えるために作られた。
<ストーリー>
1998年の11月、初めてイラクを訪れ、湾岸戦争時に使用された劣化ウラン弾が原因だとしか考えられない白血病やがんと闘う子どもたちと出会った。その中の一人、14歳の少女ラシャは「私を忘れないで」と書いた小さな紙切れを残し亡くなった。現代に生きるヒバクシャとの出会いから、イラク、アメリカ、そして日本へと世界のヒバクシャたちの声を聴く私の旅が始まった。
2002年、再びイラクを訪れた。白血病の息子ムスタファ(9)とその家族に出会う。汚染された土地に生きるイラクの人々は誰しもが体内被曝の危険にさらされている。それでも日常は続いていく。
広島で被爆した肥田舜太郎医師(85)は、戦後、被爆者たちの診療に従事してきた。彼から原爆がもたらした低線量被曝の恐ろしさを教えられた。体内に残る放射能によって健康を侵されている日本のヒバクシャたちとイラクの子供達が重なって見えてきた。
米ワシントン州、ハンフォード。ここには、長崎に投下された原爆のプルトニウムを製造した核施設がある。そこからの核汚染被害で政府を訴え続けているトム・ベイリ−(56)はヒバクシャと認められないままに死んでいった多くの犠牲者の声なき声を代表している。
今、イラク、アメリカ、そして日本のヒバクシャが自分達の物語を語り始めた。