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〈スタッフ〉
監督 : 柴田昌平
プロデューサー : 大兼久由美
小泉修吉
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撮影 : 澤幡正範
川崎哲也
一之瀬正史
川口慎一郎 |
録音 : 吉野奈保子
翁長良
山根則行
音響効果 : 鈴木利之
題字 : 財前謙 |
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この映画は、生き残った者の真実の叫びであり、
亡くなった友への心の奥底からの鎮魂の思いを綴ったものです。
生存者はほとんどが80歳を越えました。いつかは消えてなくなります。
でも、何年たってもこの映画は、
ひめゆりの記憶を後世に確かに語り継ぐ大事な財産になるだろうと、確信しています。
−−−− ひめゆり学徒生存者 本村つる
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<解説>
紡がれる言葉が見る者の想像力を強く刺激し、少女たちの過酷な運命が刻一刻と浮かび上がってくる稀有なドキュメンタリー。13年の時をかけ、ひめゆり学徒生存者22人の証言を丹念に紡いた作品だ。
第2次世界大戦末期、沖縄では住民を巻き込んだ地上戦が展開された。15歳から19歳の女学生たちも戦場動員され、献身的な看護活動の末、多くが亡くなった。「ひめゆり学徒隊」―――繰り返し映画やテレビ、舞台で取り上げられたものの、生存者たちの思いや実体験とは離れたものだった。あまりにむごい体験をへて生きのびた少女たちの多くは、戦後長く沈黙を保ってきたのだ。
彼女たちが過酷な記憶を掘り起こし、自らの言葉にするまで、数十年の月日が必要だったのだ。
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<映画に寄せられた言葉>
映画の完成を待たずに3人の証言者が亡くなっている。
ひとつひとつ私たちは失くしていく。全てを失くす前に叶えたい。
おばぁたち、待っててね、なんにも分かっちゃいない私は
せめておばぁたちが好きだった歌をうたおう。
鮮やかに見えるようだ。壕の中の笑い声。
あなたが笑ってくれる歌を届けるからね。
“忘れたいこと”を話してくれてありがとう。
“忘れちゃいけないこと”を話してくれてありがとう。
歌手Cocco(毎日新聞『想い事。』より)
長編にもかかわらず、全く長さを感じませんでした。ひめゆりの方々の数十日が、手に取るように伝わりました。
土本典昭(記録映画作家)
見る者の想像力を強く刺激し、残酷で哀しい悲劇的出来事を再び蘇らせる。緻密な証言を通して、刻一刻と追い詰められていく彼女たちの過酷な運命が見事に浮かび上がってくる稀有なドキュメンタリー映画である。
村山匡一郎(映画評論家)
感動しました。オバァたちはとても魅力的で、十代の時の素直な気持ちがそのまま伝わってきます。こうした一人ひとりの戦争体験を見ると,戦争の実態がわかります。過去の霧のなかへ消えてしまわないように,今に生かしてほしい。
ジャン・ユンカーマンJohn Junkerman(ドキュメンタリー映画監督)
ひめゆりの方々の語りに、カウンセリングに通底する希望をみました。大きな傷を負いながらも生きていくという希望です。
稲田隆司(精神科医)
古いモノクロの少女時代の写真と、80歳近い生存者が語る、というシンプルな繰り返し。その間、音楽やナレーションによる誇張や煽動が一切ない。語る人と、それを伝えようとする人の、静かで大きな勇気が、真実の記録として結実したのでしょう。2時間はあっという間に過ぎ、亡き友の命と今もつながっているからこうして語るのだ、という生存者の方々の言葉が胸の奥まで届きました。
高橋靖子(スタイリスト)
「殺してください」と言った、あの日。「生き残ってしまってごめんなさい」と言わせてしまう、今日。とても悲しくて、受け止めがたい事実だけれど……絶対に目を背けてはいけないことだと思った。
CONCENT LAN COPA(アートディレクター)
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