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<スタッフ>
監督 : 纐纈(はなぶさ)あや
製作総指揮 : 本橋成一
撮影 : 大久保千津奈(KBC映像)
編集 : 四宮鉄男
整音 : 菊池信之
音楽 : 温井亮
ナレーション : 斉藤とも子
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宣伝美術 : 西村繁男
グラフィックデザイン : 森デザイン室
パンフレット編集 : 近藤志乃
製作デスク : 中植きさら
製作統括 : 大槻貴宏
制作 : 石川翔平
協力 : 祝島のみなさん、KBC映像、
祝島島民の会、映画「祝の島」を応援する会
製作 : ポレポレタイムス社 |
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1000年前、沖で難破した船を助けたことから農耕がもたらされ、
子孫が栄え、現在に至るまでいのちをつないできた小さな島がある。
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<ストーリー>
山口県上関町祝島。
瀬戸内海に浮かぶこの島は、台風が直撃することも多く、岩だらけの土地には確保できる真水も限られ、人が暮らしやすい環境とは決していえない。その中で人々は、海からもたらされる豊穣な恵みに支えられ、岩山を開墾し、暮らしを営んできた。そして互いに助け合い、分かちあう共同体としての結びつきが育まれた。人間の営みが自然の循環の一部であることが、祝島でははっきりと見える。
「海は私たちのいのち」と島の人は言う。
1982年、島の対岸4kmに原子力発電所の建設計画が持ち上がった。
「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」という祝島の人々は、以来28年間反対を続けている。
効率と利益を追い求める社会が生み出した原発。
大きな時間の流れと共にある島の生活。
原発予定地と祝島の集落は、海を挟んで向かい合っている。
1000年先の未来が
今の暮らしの続きにあると思うとき、
私たちは何を選ぶのか。
いのちをつなぐ暮らし。
祝島にはそのヒントがたくさん詰まっている。
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<コメント>
そこには、当たり前の海と当たり前の山がある。当たり前の労働と当たり前の営みがある処に、当たり前のように神が宿り、おおらかにして荘厳なる祝祭が準備されている。おそらくは、路地に横たわる猫のあくびほどに贅沢で退屈な小島に、28年間におよぶ原発問題を、あたかも自身の運命であるかのように受け止める、したたかでしなやかな島民たちのいのちの輝きを、褻(け)から晴への移行、あるいは動から静への転換のつなぎ目に現出させた、纐纈あやの確かな眼差しを確認することにおいて「祝(ほうり)の島」がいま、私たちの目前に立ちのぼってくる。
村石 保(編集者) |
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