「かぞくのひけつ」

なんで男と女は一緒になろうとすんねやろ?

2006年/日本映画/DV作品/カラー/STEREO/83分

公式サイト

予告編@youtube

〈出演〉
久野雅弘

秋野暢子

桂雀々

ちすん

谷村美月


テント 
九十九一 
長原成樹

浜村淳

小堀正博 
井上大樹
赤松悠実
入口夕布 
森里砂 
松本唯

平野麻樹子 
友田安紀 
飯島順子
大塚大雅 
里吉萌亜 
中西宏樹

石塚真道 
角田あつし 
山沖亜矢 
信国輝彦
南方英二

水木薫
桜井一枝 
荒谷清水

創叡プロダクション 
ザ・ブロードキャストショウ 
神津連合子供会 
神津女性会
神津新北野連合ソフトボールチーム
神津連合老人クラブ
シニアリトルリーグ淀川チーム
株式会社シエル 
岩崎幸子 
米沢文子 
平水恵美
角田光隆 
大倉武
〈スタッフ〉
監督・脚本 : 小林聖太郎

企画・製作  : 志摩敏樹

プロデューサー : 中村有孝

アソシエイト・プロデューサー : 富岡邦彦

脚本 : 小林聖太郎 ・ 吉川菜美

撮影 : 近藤龍人
録音 : 石寺健一
(タフガイFACTORY)
美術 : 宇山隆之
演出部応援 : 武正晴

キャスティング : 佐藤唯史
編集監修 : 宮島竜治
編集 : 鈴木真一 ・ 小林由加子
音響効果 : 伊藤瑞樹
スタジオ・エンジニア : 石井秀明

音楽 :
 Flat Three(flower record)
  岩田幸也・森本泰介・五十嵐郁

挿入歌 『行き先は若者』
    作詞・作曲・歌 テント


テクニカルコーディネーター :山下哲司
カラリスト :高田渡
HDエディター :内藤亮
スタイリスト :薮野麻矢
メイク :窪田弥生
スチール :堂地勝己
製作担当 :城内政芳
照明助手 :藤野みちる ・ 浅川周
撮影助手 :高木風太
美術助手 :沖原正純 ・ 樋口麻衣
スタイリスト助手 :
 大塚彩子 ・ 奥田友美 ・ 谷川幸
メイク助手 :竹岡美華
製作進行 :伊月肇 ・ 福嶋美穂
AP :松田渡
演出部見習い :水落拓平 ・ 南圭司
メイキング撮影 :
 ビジュアルアーツ専門学校 大阪
美術部応援 :
 阿部弘秀 ・ 内堀義之
 川井洋明 ・ 匂坂力祥
 佐藤麻衣子 ・ 澤田宏平
 杉本弥咲 ・ 二宮瑠美 ・ 山尚子
関西キャスティング応援 :菊池正和
メイク応援 :大堀由樹子
編集応援 :小原聡子
音楽応援 :
 柿澤龍介 ・ 曽我淳一  Chris Weber(トルネード竜巻)
製作部応援 :
 坂田史志 ・ 伊藤裕美
 波多野亮平 ・ 松野泉
 清水艶 ・ 木村文洋
 塩川節子 
劇用車 : 小野商事
製作協力 :
 プラネット・スタジオ ・ プラスワン
美術協力 :青沼塗装 ・ 創造社
音楽協力 :高宮永徹
衣装協力 :
 松竹衣裳 ・ CPルーム
 第一衣裳 ・ SPPINS HANJIRO
 刺繍.com ・ スタジオフィリオ
協力 :
 IMAGICA
 東宝サウンドスタジオ
 パナソニックDVワークショップスタジオDU
 マジックハンド
 大阪芸術大学
 ビジュアルアーツ専門学校大阪
 有限会社J2
 株式会社米朝事務所
 サラ・プロジェクト
 志摩機械株式会社
 JIAMS
 有限会社山王電子サービス
 CLOUD9STUDIO
 矢野正人(M’s sound)
 池田大輔(タフガイFACTORY)

配給 :
 シマフィルム
 第七藝術劇場
 スローラーナー
関西宣伝 :
 おふぃす風まかせ
 松井寛子

制作 :シマフィルム株式会社


<解説>
賢治くん、女ってめんどくさいでしょ?
でも、何でみんな一緒になろうとするんだろ?

オンナ癖の悪い父、嫉妬深い母。息子の賢治は今日も尾行を頼まれ、仲良くカノジョと居酒屋にいる父を発見!なんとかカノジョに諦めるよう説得した賢治だが、翌日、両親が営む不動産屋のバイト募集にそのカノジョがあらわれた…!一方、恥ずかしい悩みを抱えて彼女の手も握れない賢治に恋人・典子はイライラ…。大人たちの板挟みになり、典子からもビンタを喰らい、賢治の恋の行方は?家族の崩壊は止められるのか?私たちのすぐ身近なところにある“家族”と“恋”という問題。当たり前のことも思春期の賢治にとっては初めての人生の岐路だった。誰にも言えない悩みも、自分でも気付かない気持ちも全部抱えて私たちはみんな大人になっていく!なんでみんなツラい思いをしながら、一緒になろうとするんだろ?悩め、頑張れ、賢治!!

ベテラン監督たちにも認められた大型実力派監督誕生!!
日常を鋭い観察力と軽妙な笑いでとらえた『かぞくのひけつ』東京上陸!

第47回日本映画監督協会新人賞に輝いた本作は、審査委員長の大林宣彦監督や長谷部安春監督をはじめとし、数々の巨匠監督たちから信頼される小林聖太郎の第一回目監督作品。『パッチギ!』『ゲロッパ!』(井筒和幸監督)、『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督)、『ニワトリはハダシだ』(森崎東監督)など、日本映画界を支える巨匠たちの作品の助監督として活躍してきた小林聖太郎。大阪出身の小林監督が、一般的イメージの大阪人でなく、等身大のありのままの大阪人を描きたいとメガホンを取った。日常を捉える鋭い観察眼で、大阪の軽やかさと喧噪を心地よいリズムで描き出し、“若手実力派”という言葉にふさわしい21世紀の喜劇映画として製作された『かぞくのひけつ』。06年鑑代表シナリオ集の10本にも選ばれ、演出力、シナリオ構成力も兼ね揃えた作品。小さな頃から落語が好きだという小林監督により、心地よい笑いのツボを押さえた軽快な物語世界が出来上がっている。舞台となった大阪十三の第七藝術劇場の復活記念作品として製作され、関西地区で先行上映された本作が、ついに東京上陸!!

大阪出身者で固めた豪華キャストで贈る、普段着の大阪人を描いた作品が登場!
主人公の悩める高校生・賢治には、『ごめん』(冨樫森監督/02)、『蝉しぐれ』(黒土三男/05)の久野雅弘。情けない男の子ぶりが板についた演技は、共演の谷村美月に「弱そぉ?」と評されたほど。そして、しなやかさと爆発する力強さを併せ持ちマルチな才能を発揮する秋野暢子と、上方落語で絶大な人気を誇る桂雀々(映画初出演)が最強夫婦を結成した。二人の夫婦役は、実は15年ぶり2度目。ぴったりと息の合ったその演技は、舞台となった十三の夫婦の存在感をそのままに感じさせ、エキセントリックかつ愛溢れる夫婦の関係を軽やかに魅せている。そして谷村美月が扮するのは賢治の彼女・典子。『カナリア』(塩田明彦監督/04)『檸檬のころ』(岩田ユキ/07)など着々と若手実力派女優として活躍し、本作では爽やかで強気な思春期の女子を演じた。そして、父親の愛人・ゆかり役には映画・舞台などで活躍の幅を広げるちすんが、揺れ動く女心を逞しく、かつ繊細に表現している。

脇を固めるの出演陣には、関西が誇る才能!!
本作のテーマを象徴するかのような「行き先は若者」を唄う怪しい薬屋の天道には、カルト的人気を誇る吉本興業のテント。そして、北野武監督や井筒和幸監督などの映画にも出演する、“チャンバラトリオ”の“カシラ”こと南方英二が扮するのはオドオドしながら上海に旅立つ友人。商店街の仲間には「お笑いスター誕生」で人気を博し、テレビ・映画・演出・舞台・執筆などマルチに活躍する九十九一、そして「探偵!ナイトスクープ」での名探偵としての活躍や、『ゲロッパ!』『パッチギ!』など井筒和幸監督作品にも出演の長原成樹。主人公・賢治がようやく辿り着けた病院のお医者さんには、「ありがとう浜村淳です」の司会でおなじみ、絶大な人気を誇る司会者、パーソナリティを務める浜村淳。漫才師のようなミキ&マキコンビは東京から参戦のNHK教育「高校地学」や紀伊国屋書店「KINOVISION」に出演中の平野麻樹子と、「イチカバチか」の美人お笑いコンビとして活躍が期待される友田安紀。その他『かぞくのひけつ』でしか見られない豪華な出演陣がところどころに出演し、一層可笑しく華やかな世界を作り出した。

舞台は大阪でも色濃い街、十三(じゅうそう)!!
リドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』の舞台にもなった大阪市淀川区の十三。温かい雰囲気と人情深い人々のおかげで、エキストラには困ることなく商店街の誰もが快く協力してくれたという温かい街。母・京子役の秋野暢子さんの衣裳合わせも急遽十三の商店街で行われ、閉店直前の洋服屋さんが次々と衣裳合わせの場となった。この住民の方々の温かい御協力あってこそ、十三の街に自然になじむオカンスタイルが成立したのだ。ニ度目に観る際は、十三のエキストラの方々にも注目するのもオススメです!

<ストーリー>
大阪、十三の商店街。
女癖の悪い父と、嫉妬深い母を持つ高校生・賢治。賢治は半年付き合っている彼女と手もつなげずにいた…。なぜなら、経験もないのに性病にかかったと思い込んでいるからなのだ。ウジウジ悩む賢治を尻目に、彼女は、煮え切らない賢治を映画館に連れて行き、手を握ろうとする。だが、賢治は思わず手を引っ込める。そして次に典子は、賢治を自転車の後ろに乗せてあやしい界隈へ。「あれ?どこ行くねん」
ラブホテルの駐車場から、またまた慌てて飛び出す賢治。「賢治、わたしのこと嫌いなんや!」「なんでそうなんねん!」
二人はすれ違ったまま。その夕方、鼻を摘みながら<思春期・性の悩み相談室>に電話をかける賢治。

両親が営む不動産屋。
カップル割引のクーポンが一枚なくなっていることに不安をかくせない母。「バイトせえへん?」と賢治に一万円で父の尾行を頼む。仕方なく賢治が居酒屋に行くと、若くて綺麗な女の子と一緒にいる父を発見。「毎日ゆかりちゃんのことばっかり考えてんねんで。」と言いながらいそいそと帰る父。賢治はゆかりの後を追い、ストーカーと間違うゆかりに誤解を解くように父の息子だと伝える。「宏治さん、奥さんとは別居中で子供は不妊症ででけへんって…」いつもの父・宏治の手を知っている賢治はなんとかゆかりを説得して諦めさせようとする。だが、それ以上にゆかりは強かった…。
翌日。なんと両親の不動産屋のアルバイト募集で来ていたのは、何を隠そう愛人・ゆかり。事情を知る賢治は頭を抱え、偶然帰ってきた宏治はゆかりを見るなりクルッととんぼ帰り。母は、パソコンができ気が利くゆかりを重宝して上機嫌…。

一方、煮え切らない賢治の姿を見て不安を抱える典子は、スポーツ万能でモテ男の立花に少しずつ惹かれはじめていた。そして賢治はなんとか性病を治そうと男友達と怪しい薬屋の前に。「あの?、性病に効く薬あります?」
「それやったらこの薬。一日一回先っぽに塗るだけで軽ぅいエイズやったら二ヵ月で跡形もない。」怪しい軟膏を一万円で買い、淀川の橋の下で早速塗る賢治。

父・宏治は母・京子と約束した法事と、ゆかりに頼まれたヘップバーンの映画を観に行く約束をどうにかこなそうと四苦八苦していた。しかもその日は宏治の誕生日。
法事を途中で抜け出し、ゆかりのところに行く途中に、宏治は東京から来て迷っている二人組みの女の子(ミキ&マキ)と出くわして、そのまま朝まで居酒屋で楽しく飲んでしまう。数日前から商店街に設置された監視カメラにしっかりと写されたその姿は、母・京子とゆかりの二人の大目玉を喰らうことになるとも知らず…。
次の日の朝、不動産屋で待つ京子とゆかりのもとに、しれっと帰ってくる宏治。同時に、宏治が内緒で借りていたゆかりと会うための家の主から電話がかかってくる。その家で昨夜の女と逢引していると読んだ母は、キレながら貸家へ向かう。ドアを開けるとそこにはなんと「HAPPY BIRTHDAY宏ちゃん!」の飾り。
怒り狂う母は離婚届を持ち、出ていってしまう。

京子を探すゆかりと賢治。
「昔、ようここに入っててん、家出したフリして…」賢治は押入を開ける。

商店街を越え、あちこち深夜まで探し続ける二人。
京子の行方は分からず、夜が明け、二人はとぼとぼと父が借りていた家に戻る。
朝。宏治はひとり誕生日祝いの飾りを片付けている。偶然、居酒屋で一緒に飲んでいたマキが貸家の前を通り、トイレを借りたいと言う彼女を家に上げる宏治。お茶を飲む二人の背後で鳴るチャイムが鳴った。クローゼットにマキを押し込むと、玄関にはゆかりと賢治が。別れを決意して来たゆかりだが、目にしたのはクローゼットから出てきたマキの姿。すると、またチャイムが鳴り、母・京子が玄関に!宏治を残し、みんなでクローゼットに押し込まれる。離婚届けと不受理届けを持ち、居間に入ってくる京子。「この20年考え続けさせてもうたわ!」結婚指輪を叩き付け、「ほんなら、さようなら」と出ていこうとする京子。
クローゼットの中で揉み合っている弾みで転がり出てきてしまった三人。宏治との不倫を暴露するゆかりとその脇の二人の姿に、呆気に取られる京子。「初めっから、グルだったんか」すべての事情を知っている賢治は、父と母が暴れている隙に、ポケットから飛び出た謎の薬を宏治の口に押し込む。「お、オレのが…ない!ないいいいいーっ!」救急車で運ばれる宏治。

押入の中でうずくまっている賢治。
「なんで男と女は一緒になろうとすんねやろ…なんで典子のことが気になんねやろ…」
<プロフィール>
小林聖太郎(監督・脚本)
1971年3月3日、大阪府出身。
94年関西大学法学部政治学科卒業後、ジャーナリスト今井一氏の助手を務め、「阪神大震災の被災者にラジオ放送は何ができたか」「大震災100人の瞬間」「大事なことは国民投票で決めよう」などの取材、執筆に協力する。
95年、原一男監督が開いた「CINEMA塾」に第一期生として参加。96〜98年にかけて同監督のドキュメンタリー「映画監督浦山桐郎の肖像」の助監督を務める。その後、劇映画の演出部として『ナビィの恋』(98)『ホテルハイビスカス』(02/以上中江裕司監督)、『閉じる日』(00)『えんがわの犬』(00/以上行定勲監督)、『ぶりてぃウーマン』(02/渡邊孝好監督)、『ゲロッパ!』(02)『パッチギ!』(04/以上井筒和幸監督)、『ニワトリはハダシだ』(03/森崎東監督)、『69sixtynine』(03/李相日監督)、『リンダリンダリンダ』(04/山下敦弘監督)、『雪に願うこと』(05/根岸吉太郎監督)など数多くの映画製作に関わる。(カッコ内は撮影年度)
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