『季節、めぐり それぞれの居場所』

そして、また新しい“春”が来る
雪の北津軽、震災直後の宮古、真夏の石巻――映画で見つめる僕らの介護。
2012年│HD│16:9|日本│82分│ドキュメンタリー

公式サイト

<登場施設・事業所>
ピープル福祉事業社「元気な亀さん」  「花まるデイサービスセンター」
NPO法人「愛福祉会」  NPO法人「井戸端介護」  お茶っこスペース「ちょこらい」
利用者と利用者の家族のみなさん  スタッフとスタッフの家族のみなさん
<スタッフ>
企画・製作・監督 : 大宮浩一

取材ディレクター  : 北里宇一郎 

撮影 : 山内大堂 
編集 : 辻井潔
サウンドデザイン : 石垣哲 
題字 : 坂谷彦山 
音楽 : 森圭一郎
協力 :
 生活協同組合 あいコープみやぎ 
 東北関東大震災・共同支援ネットワーク

配給 : 東風 製作・著作:大宮映像製作所




<ストーリー>
本作に登場するのは、老舗の福祉施設(埼玉県坂戸市)、若者が立ち上げた宅老所(千葉県木更津市)、雪が舞う北の地で続くデイサービス(青森県北津軽郡)、そして、東日本大震災直後の介護付有料老人ホーム(岩手県宮古市)、真夏の被災地ではじまった寄り合いサロン(宮城県石巻市)。映画は、「介護」や「ケア」と呼ばれるいとなみのなかで、利用者と介護スタッフたちがともにつくりあげた“それぞれの居場所”を見つめます。そこでは、「老い」や「死」と向き合うことで培われた、それぞれの“生”への想像力が息づいています。

監督は『ただいま それぞれの居場所』で、自ら理想とする介護を実現しようと施設・事業所を立ち上げた若者たちを描き、平成二十二年度文化庁映画賞「文化記録映画大賞」を受賞した大宮浩一。人と深く関わることのよろこび。人生最期の時間をともに過ごし、その瞬間に立ち会う若いスタッフたちの葛藤。そして、家族の想い。すべてがないまぜとなって、私たちが今まさに生きている季節を彩りゆたかに映し出していきます。
<コメント>
死ぬためでなく。生きるために、生きてます!
津波でぜーんぶ流された。病で身体は倒れた。そして老いまでやってきた。それでも人類は、、、まだ、生きてるし!
「介護」とは、チョーおもしろい営みです。なにしろ、「ナマモノ」が相手ですから。人類という、自分勝手なくせに優しい「ナマモノ」が、好きになっちゃう映画です。
作家 大野更紗さん――『困ってるひと』著者

誰かを糾弾しては潰しにかかり、何かを持ち出しては脅迫する。それで変わる社会もあるだろう。しかし、そこに必要とされる「敵」や「悲劇」、浅はかな「希望」だけでは変わりえぬ社会もある。
本作に描かれる、一見無秩序にすら見えるそれぞれの「居場所」の風景は、その「変わりえぬ社会」の虚をついた実践の記録に他ならない。映し出される明るい景色の中には「ともに生活する仲間」と「喜びの物語」が溢れている。ここにこそ未来がある。
社会学者 開沼博さん――『「フクシマ論」 原子力ムラはなぜ生まれたのか』著者

前作『ただいま それぞれの居場所』は、介護職の間で話題になり、いまだに全国各地で自主上映が続いている。いい居場所こそがいい死に場所である。医療に丸投げするな。そして「ストトン節」(映画冒頭!)で送ろう。生活の場での看取りを創り出している人たちのドキュメント。介護関係者のみならず必見。
生活とリハビリ研究所 代表 三好春樹さん――『月刊ブリコラージュ』編集人




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