究竟の地  岩崎鬼剣舞の一年

東北岩手の地に脈々と受け継がれる芸能と、そこに生きる人々の姿
私たちが見失ってきたものがここにある
2008年/DV/カラー/128分
山形国際ドキュメンタリー映画祭2009正式出品

公式サイト

<出演>

岩崎鬼剣舞の人々

ナレーション : 豊川潤
<スタッフ>
監督・撮影・編集 : 三宅流
整音 : 種子田郷
製作 : 愛知芸術文化センター
宣伝デザイン : 大橋祐介
企画・宣伝 : contrail
配給 : Corrosion films
<イントロダクション>
『究竟(くっきょう)の地 岩崎鬼剣舞(おにけんばい)の一年』は、岩手県北上市に1300年続くといわれる伝統芸能「鬼剣舞」を通して、芸能が生活の一部となり、地域の人々が絆を深めている姿を1年間に渡って追い続けたドキュメンタリー映画である。

「鬼剣舞」は異形の面をつけて勇壮に地を踏みしめる、鎮魂と祈りの舞である。北上市には15の各地域でそれぞれの踊り組があり、岩崎地区の「岩崎鬼剣舞」がその源流であるといわれている。踊り手たちの多くは兼業農家の大工や職人、または勤め人で、忙しい仕事の合間を縫って練習に励み、子供たちに教え、ほぼ毎週土日にある公演依頼のために、日々奔走している。岩崎では、老若男女みな鬼剣舞を踊る。それはあたかも地域全体が鬼剣舞を中心に回っているかのようであり、かつて宮沢賢治が『農民芸術概論綱要』の中で述べた「究竟地」を体現しているかのようでもある。

「究竟(くっきょう)」とは、究極と屈強の意味がある。この地に脈々と受け継がれてきた芸能の力、人と人とが繋がる力。その強さはどこからくるのか。その力の源泉に迫ることは、これからの私たちの生活、それぞれの「究竟の地」を考えるうえで、貴重な機会になるのではないだろうか。

監督は、『面打/men-uchi』(06)、『朱鷺島 創作能「トキ」の誕生』(10)が話題となった、三宅流。実験映画からそのキャリアをスタートさせ、ドキュメンタリーにおいても独特の視点と感覚で、伝統芸能の新しい魅力を描き出している。本作では、単身で長期取材と撮影を行い、自ら岩崎の地に根ざした力を体感した。きっとあなたも、鬼剣舞に眠っている力を呼び起されるに違いない。

繋がった力は、東北から全国へ
2011年3月11日の東日本大震災。日本の状況は一変しました。その大変な苦難の中、東北の人々の忍耐強さと地域社会の絆の強さは、国内外の多くの人々に強く印象づけられました。「その力を一緒に感じたい」、そうして『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』の上映は、東北の巡回上映から開始しました。盛岡映画祭2011を皮切りに、花巻、宮古、仙台、田沢湖、そして岩崎へ。「地元の人間でも見たことがない、貴重な映像でした」「映画にしてくれて、ありがとう」東北各地での上映が自然発生的に盛り上がり、いまその熱が東京でも旋風を巻き起こそうとしています。
いま、あなたは、どんな地を踏みしめて立っていますか。

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