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<スタッフ>
監督 藤本 幸久
企画
北海道アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
製作 (有)森の映画社
監督 藤本 幸久
撮影 小寺 卓矢/藤本 幸久/宮崎 利春/西丸 栄次
録音 久保田 幸雄
編集 藤本 幸久
ナレーター 影山 あさ子
三線・ 唄 金城繁師匠 |
通訳 金俊河
翻訳 金成進
題字 伊藤 悳夫
録音スタジオ 協映
編集・録音協力 ビデオ・ラボ千歳
協力
矢臼別平和委員会/北海道平和委員会
ヘリ基地反対協議会
梅香里米空軍国際爆撃場撤閉住民対策委員会
英語版字幕 加藤鈴子
協力 山之内悦子 |
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<ストーリー>
国内にアメリカ軍基地を抱える日本と韓国。9年になろうとする闘いで米軍基地の建設を止め続けている沖縄・辺野古、半世紀以上、米軍の射爆場に苦しめられてきた韓国・梅香里、演習場のど真ん中に住み続ける川瀬氾二さんたち北海道・矢臼別の闘い。この映画を観る人は、報道されないそれぞれの地の真実と、闘いに磨かれ、闘いの中で育ったたくさんの美しい人たちに出会うことになるでしょう。
戦争をする国にするのか、そうはさせないのか。瀬戸際の闘いが続いています。
この映画で、2003年9月から2005年9月まで、韓国の梅香里に4回、沖縄の辺野古に4回、矢臼別を6回、撮影に訪れた。
知らなかった梅香里がここにあります。これまで見たことのない矢臼別がここにあります。伝えられることのない辺野古がここにあります。
辺野古(へのこ)
・・・・米海兵隊ヘリ基地建設計画が持ち上がって9年、海上ボーリングが着手されようとしたのが2004年4月。それ以来、沖縄・辺野古では“人殺しのための基地を造らせない”と、住民たちが体を張って、500日以上に及ぶ座り込みと海上での阻止行動を繰り広げてきた。まだ1ヶ所のボーリングもさせていない。
梅香里(メヒャンニ)
・・・・50年にわたって米空軍の爆撃演習に苦しんできた韓国・梅香里。チョン・マンギュを先頭に住民たちの粘り強い闘いで、2005年、ついに射爆場の閉鎖と損害賠償を勝ち取った。
矢臼別(やうすべつ)・・・・北海道・矢臼別にある日本一広い自衛隊演習場。97年から毎年、沖縄の海兵隊が実弾演習にやってくる。川瀬氾二さんはその真ん中に40年も住み続けている。彼を支えているのは、日本国憲法第9条の存在だ。
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<コメント>
逆風のなかで
澤地 久枝(作家/9条の会呼びかけ人)
人間として、ギリギリの声をあげようとする人たちに、逆風が吹きつのる。勇気を試されるいやな「政治の季節」到来である。しかし、何十年も見事にその志を守り、屈せずに生きてきた人たちはいる。日本にも、韓国にも。
戦後六十年、さらにはこれからの計測しがたい年月、米軍の軍事基地を容認し続けるとはどういうことか。米軍基地という明白な憲法違反を日米安保条約は招来した。
北海道矢臼別の陸上自衛隊基地。その原野の真ん中に四十年住みつづけ「自衛隊は憲法違反」と大書し、憲法前文と第九条条文を屋根にくっきり書いている川瀬氾二さん。米軍の実弾射爆場梅香里で反対運動を展開したチョン・マンギュさんが川瀬さんを訪ねてくる。実弾演習は沖縄の市民生活のそばでもおこなわれ、沖縄から矢臼別へ米軍の移動訓練もある。梅香里も日本本土も沖縄も、まるで「アメリカ軍の庭」のようだ。
一九九五年秋、米兵による少女強姦事件のあと、沖縄県民空前の抗議行動から、普天間基地返還問題は日程にのぼった。だが、代替に辺野古の海上基地建設という驚くべきすりかえがなされた。辺野古の海を守るべく、座り込み九年、さらにボーリング阻止の行動がおこなわれている。本土から参加の若者は、沖縄のおばあたちの逞しい明るさに励まされ、力づけられている。
辺野古では、日本人対日本人の対決となり、米軍は他人事のようだ。施設庁の役人は平然と同胞をだまし討ちする。日米関係を冷静に見直さなければ、日ならずして日本はアジアで、世界で孤立しよう。いつまで米軍基地を許しておくのか。
米軍基地の実態、たたかう人たちの静かでつよい意志と暮らし。私たちが日頃見失っている世界がゆるやかなテンポ、丁寧な描写でしっかりとらえられ提示される。
作者たちの情熱と執念が辺野古、梅香里、矢臼別の三点を結んだ。事実を知ることは力になる。そこから知恵も勇気も生れてくるのだ。
未来を確信させる辺野古、梅香里、矢臼別のたたかい
山田 和夫(映画評論家)
「Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別」は、私たちの目を大きく見開かせ、心をゆさぶる力強い長編ドキュメンタリーだ。唯一の超大国アメリカは、自分勝手な単独行動主義で、全世界に侵略と占領をほしいままにしている。その突撃部隊がMarines、米海兵隊だ。しかし彼らが全世界に手を出し、牙をむくならば、全世界のいたるところで人間の声が響き、民衆の叫びが聞こえる。
1万7千ヘクタールの広大な矢臼別演習場。北海道の農民、川瀬氾二さんは、自分の牧場を守って立ち退きを拒否、住み続ける。毎日止むことのない砲声のもと、牧舎の屋根に「自衛隊は憲法違反」の大文字が輝く。1997年からは毎年、沖縄の米海兵隊が演習に来る。この静かで平和なはずの原野が、イラクの戦場に続く。そして川瀬さんを訪れた韓国のチョン・マンギュさんは、梅香里(メヒャンニ)の米軍射爆場反対闘争の先頭に立つ。浜からすぐ近くに見えるノン島射爆場で、米軍機がナパーム弾を燃え上がらせ、ミサイルを撃ち込み、劣化ウラン弾のための訓練をする。爆煙に包まれるノン島にベトナムの森林やイラクの街々を思い、梅香里の住民たちは心を痛めてきた。そして長い抵抗の末、ついに2005年8月、50年以上占拠されてきた射爆場の閉鎖をかちとる。
沖縄東海岸の辺野古では、米軍ヘリコプター基地建設に反対する住民たちのたたかいが9年も続く。防衛施設局は、ついに2004年9月から、サンゴ礁の海へボーリングを打ちこむ建設調査に入った。しかし住民たちは、ボーリング作業のヤグラに取りつき、調査活動の開始を命がけで阻止し続けている。いまもただ1本のボーリングも打ち込ませていない。その間、沖縄の海兵隊はイラクのファルージャ攻撃に主役を果たし、多くの住民を殺りくした。沖縄はイラクに続く。
かつてベトナム戦争のとき「ヤンキー・ゴーホーム」の声が、世界に溢れ、ついに「ヤンキー・カムホーム」と米国民が叫んだとき、米軍は敗北した。いま「マリーンズ・ゴーホーム」の声が世界に広がるとき、遠からず「マリーンズ・カムホーム」の叫びも米国内から起きるに違いない。その未来をたしかな手ごたえで確信させてくれる辺野古、梅香里、矢臼別のたたかい、それを捉え切った藤本幸久監督らスタッフの意志と情熱と力量に心から拍手をおくりたい。
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<プロフィール>
監督 : 藤本 幸久(ふじもと・ゆきひさ)
1954 三重県四日市市生まれ
1980 早稲田大学政経学部卒業
1982 土本典昭監督の助監督
1992 初監督作品「教えられなかった戦争−侵略・マレー半島」
1995 北海道上川郡新得町へ移住
1996 第1回SHINTOKU空想の森映画祭を開催(以後、毎年)
1998 「森と水の夢〜大雪・トムラウシ〜」
ムンバイ国際映画祭招待作品(インド)
カトマンズ国際映画祭招待作品(ネパール)
2001 「闇を掘る」
アンカラ国際映画祭招待作品(トルコ)
レティナ国際映画祭準グランプリ受賞(ハンガリー)
2005 「Marines Go Home-辺野古・梅香里・矢臼別」
2005山形国際ドキュメンタリー映画祭上映作品(New Docs Japan)
10月から劇場公開中。
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