三池 終わらない炭鉱の物語


地元の人から突きつけられた「負の遺産」という言葉。
戦前の囚人労働、強制連行、戦後の労働争議、炭鉱事故…。
そこで必死に生きた人がいる。


 公式HP

<スタッフ>
企画・製作協力:大牟田市・大牟田市石炭産業科学館
制作:オフィス熊谷 

監督:熊谷 博子 

撮影:大津 幸四郎 
VE:奥井 義哉、隈元 政良 
編集:大橋 富代 
映像技術:柳生 俊一、田代 定三 
CG:祖父江 成則 
整音:久保田 幸雄 
MA:滝澤 康 
撮影協力:小澤 由己子 
制作進行:巣内 尚子 
音楽:本田 成子 

ナレーター:中里 雅子 

協力:三池炭鉱に生きた人々
宣伝・配給:シグロ


時代の大きな変わり目の中で懸命に生きた人々の姿は、今に通じるものがある。
アジアのどの地域の人が見ても共感できる作品だ。
----- 佐藤忠男


<概要>
三池炭鉱の廃坑跡に足を踏み入れたその瞬間です。地底から、働いていた人の声が本当に聞こえたような気がしました。
地元の人から突きつけられた「負の遺産」という言葉。戦前の囚人労働、強制連行、戦後の労働争議、炭鉱事故…。
そこで必死に生きた人がいる。

その時から炭鉱(やま)の本当の声を聞こうとする、私の長い旅が始まりました。映画を完成させるまでに7年かかりました。炭鉱の残した人とものは、あまりに力強く魅力的でした。なのにその足あとを消したい人がいる。怒りが沸き起こりました。私一人でできたわけではありません。まちの歴史と向き合おうとした行政、自分たちの思いを伝えようとした市民と撮影スタッフの、不思議な協同作業から生まれました。100人近い方たちの証言と30を越す炭鉱関連施設の撮影。地下深い危険な場所で石炭を掘り続け、日本を支えた無数の人々がいます。私は炭鉱の女たちのエネルギッシュな生き様に、何度も涙を流しました。
三池炭鉱の歴史は、日本が歩んだ戦争と平和の道、そのものでもあります。石油へのエネルギー政策の大転換の中、炭鉱は閉じられました。これは過去を描いた作品ではありません。アジアフォーカス・福岡映画祭で初公開され、会場で涙する多くの方に会いました。未来へ向けて勇気ある一歩を踏み出す、とても大きな力がみなぎります。
<語りつぐ・・・・・人たちの言葉>

堀り始めて一番こわいのは天井に空洞ができて100メタくらいの真四角になった時、いっぺんに落つることがあるわけですもう人間が人間でなかごして吹飛んでいくんですね
炭鉱マンだった 竹川一正さん
 
みんなは第二組合に行った人たちを敵視して、交流もせんじゃったですよ落盤におうた時には第一もない第二もない互いにしっかりしろと引き起こしてきたのが、われわれの坑内生活じゃないかと/三池争議を闘った 西脇仲川さん
今だに季節で忘れられんのは11月9日の爆発事故の夜の寒かったことと、CO特別立法ができる時の東京の暑さですねぇ。「廃案になた時は単独で首相官邸に飛び込め!」って私は命令されてたんですよ
炭鉱事故で夫がCO(一酸化炭素)中毒になったさん

与論島の人たちが直轄になったのが昭和17年。それまでみんな下請けのゴンゾウ(船積み夫)で、船や貨車に石炭を積み込む時は、みんなで歌ば歌いながらやったとばってん
父が与論島から移住してきた 池畑重富さん

具合悪うして2日休んだだけで、憲兵に捕まって真黒い血が出るくらい打たれて打たれて・・・。今日、話してスッキリしました
現韓国から強制連行された 沈 載吉さん
<三池炭鉱の歴史>
1469年(文明元) 燃える石が発見される。
1873年(明治6) 国営の炭鉱となり、囚人を使った石炭の採掘が始まる。
1889年(明治22)「三井」に払い下げられ民営になる。
1899年(明治32)与論島(鹿児島県)から三池炭鉱への集団移住始まる。
1939年(昭和14)炭鉱へ朝鮮人の強制連行が始まる。
1941年(昭和16)太平洋戦争始まる。
1959〜60年(昭和34〜35)約1年続いた三池炭鉱の労働争議。
1963年(昭和38)死者458人を出した炭じん爆発事故。
1997年(平成9) 三池炭鉱閉山。
三池炭鉱は、福岡県大牟田市を中心に20あまりの坑口(坑内への入口)を持ち、その坑道は有明海の下に迷路のように延びていた。最も深い所では海面下600メートルにも及ぶ。石炭を掘るトンネルの先端まで、坑内電車を乗り継ぎ1時間かかることもあった。一時は、全国の石炭の4分の1を掘り出していた日本最大の炭鉱。
<監督プロフィール>
熊谷博子 (くまがい・ひろこ)
1951年東京生まれ。日本映像記録センターにて、
ディレクターとしてTVドキュメンタリーの制作を開始。戦争、麻薬、薬害などさまざまな社会問題を追い、『幻の全原爆フィルム日本人の手へ』など演出。85年、フリーの映像ジャーナリストに。これまで各テレビ局で約50本のドキュメンタリー番組を作る。TV番組のほかにも、戦時下のアフガニスタンに生きる人々を描いた『よみがえれカレーズ』(89年 土本典昭と共同監督)、自らの育児体験をもとにした『ふれあうまち』(95年)、日本の女性監督たちの格闘を描いた『映画をつくる女性たち』(04年)などのドキュメンタリー映画を多数監督する。

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<料金>
当日一般1,600円/大学・専門学生1,300円/中学生・シニア1,000円
前売特別鑑賞券 1300円 *特別鑑賞券は劇場窓口、チケットぴあにて好評発売中!
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