「バオバブの記憶」公開記念 本橋成一作品アンコールレイトショー
〜世界はたくさん、人類はみな他人〜




 『アレクセイと泉』予告編@Youtube


―世界はたくさん、人類はみな他人―
 写真家・本橋成一が初めて訪れたアフリカでバオバブの樹に魅せられてから35年、念願の映画『バオバブの記憶』が公開中です。
この映画の公開を記念して、彼が今までに監督した三作、プロデュースした一作を2週間にわたって一 挙上映致します。
 本特集上映のタイトルでもある「世界はたくさん、人類はみな他人」。これは、「一人一人違う価値観を持った人間同士が それぞれを認め合う事が大事」という本橋監督自身の言葉です。ベラルーシ、日本、セネガル、様々な国々の異なる価値観、そしてそれを柔らかい眼差しで見つめる彼の映画からは一貫して、このメッセージが感じられます。
 本橋成一の四作品と新作『バオバブの記憶』、この機会に是非ご覧下さい。

上映作品
<ナージャの村>


ベラルーシ共和国ゴメリ州ドゥヂチ村。
チェルノブイリ原発事故で汚染された小さな村。
皮肉にも、放射能に汚染された村は、原子力の恩恵を受けない生活を続ける村だ。 政府からの立ち退き要請で、村は地図から消えてしまった。
村の3ケ所の入口はゲートで遮断され、 外部の人間は許可証がないと入れない。 それでも故郷を離れず、汚染された村に残る6家族がいる。
ユートピアのように美しい村。四季が移ろう。
麦やじゃがいもを育て、きのこを採り、詩を口ずさむ。
美しく厳しい自然とともに、大地に根ざして明るくたくましく生きる彼らの暮らしは、豊かさとは何かということを私たちに教えてくれる。 本橋成一が、写真家ならではの美しい映像で綴る、いのちの大地の物語。

企画・監督:本橋成一
制作総括:鎌田實
制作:神谷さだ子、小松原時夫
撮影:一之瀬正史
編集:佐藤真
音楽:小室等
語り:小沢昭一

上映日 :
4月18日(土)〜21日(火)    21:00
<ナミイと唄えば>


ナミイこと新城浪、85歳。 9歳で那覇のお座敷に身売りされて以来、彼女の人生はずっと歌と三線と共にある。
鍛え抜かれたレパートリーは、島唄だけにはとどまらず、童謡、軍歌、歌謡曲まで、"人間ジュークボックス"と呼ばれるほど。 彼女の願いは唄って遊んで人を喜ばせながら、ヒャクハタチまで生きること。
そんなナミイが三線片手に旅に出た!
お座敷時代の旧友と再会しては歌い、与那国クブラバリで、命を落とした女たちのために歌う。 50年ぶりの台湾ではハンセン病療養所の人たちとの歌遊び...。
ひとたびナミイと唄ってみれば、誰もがその歌三線の世界に引き込まれていく。 さあさ、あなたもご一緒にナミイの歌と旅の物語。
はじまりはじまり?!

監督/本橋成一
企画・原作/姜信子
制作/纐纈あや
構成・編集/村本勝
撮影/一之瀬正史
VE/奥井義哉
録音/弦巻裕
スチール/明石雄介


上映日 :
22日(水)〜24日(金)    21:00
<アレクセイと泉>


ベルリン映画祭を始め、世界各国で好評を博した『ナージャの村』から5年。
写真家・本橋成一と音楽家・坂本龍一と組んで〈泉〉を主題としたドキュメンタリーを完成させた。 舞台となる〈泉〉は、1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発(旧ソ連・現ウクライナ共和国)の爆発事故で被災した、
ベラルーシ共和国東南部にある小さな村ブジシチェにある。
この村の学校跡からも、畑からも、森からも、採集されるキノコからも放射能が検出されるが、不思議なことに、この〈泉〉からは検出されない。
「なぜって?それは百年前の水だからさ」と、村人たちは自慢そうに答える。 この百年、人間は何の豊かさを求めてきたのだろう。
《水の惑星=地球》の強い意志のようにこんこんと湧く〈泉〉は、私たちに"本当の豊かさとは何か"を静謐に語りかける。

撮影:一之瀬正史
録音:弦巻裕
編集:村本勝
撮影助手:山田武典
現地録音:永井重生
スチール:明石雄介
製作補:瀬川敦子
宣伝美術:渡辺寧人
音楽:坂本龍一

上映日 :
25日(土)〜28日(火)    21:00
<水になった村>


1957年、岐阜県徳山村にダム建設の話が広まった。
総貯水量6億6千万立方メートル、日本最大のダムだ。
当時徳山村の住民は、約1600人。
みな次々に近隣の街につくられた移転地へと引っ越していった。
それでも、何家族かの老人たちが、村が沈んでしまうまでできる限り暮らし続けたい、と、街から戻って来た。 写真家の大西暢夫が初めて村を訪ねたのは今から15年前のこと。
だれもいないと思っていた集落に家があることに驚いた。
以来、ジジババたちの暮らしに魅せられ、東京から徳山村まで片道500キロ、
バイクで高速道は使わず山道を走り抜けて何度も何度も通った。
そしてその村でジジババたちは大西を「兄ちゃん」と呼び,共にたくさん食べ、いっぱい笑った。 村には季節ごとに土地で採れるものを大切にする、暮らしの知恵や技がある。
食卓にはいつも食べきれないほど大盛りのごはんが並び、山はジジババたちの笑い声に満ちている。 2006年秋、いよいよ工事が終わり、水がたまり始めた。
もう誰も、村に帰ることはできない。
ジジババたちの変わりゆく暮らしに寄り添った15年間の記録。

監督・撮影・スチール:大西暢夫
企画・製作:本橋成一
編集:土井康一
録音:米山靖
整音:渡辺丈彦
音楽:林祐介
音楽コーディネーター:和田亨
音響助手:井上久美子


上映日 :
29日(水・祝)〜5月1日(金・映画サービスデー)    21:00

     

<<料金>>
前売 : 1,000円(劇場窓口・チケットぴあにて発売中!)
当日 : 一般1,300円 / 大・専・高・中・シニア:1,000円

5月1日は映画サービスデー!1,000円でご覧いただけます!

※相互/リピーター割引実施!(ポレポレ東中野でのみ有効)
本橋成一最新作『バオバブの記憶』、もしくは本橋作品アンコールレイトショーのチケット半券ご提示で、
『バオバブの記憶』は当日1,300円、本橋作品アンコールレイトショーは当日1,000円でご覧いただけます。