<ストーリー>
神奈川県鎌倉市で、1985年から野外での自主保育を続けている「青空自主保育なかよし会」。谷戸(やと)と呼ばれる里山を拠点に、野山や海で遊ぶ保育グループだ。保育の基本は、手出し口出しをせず、そっと見守ること。子どもたちは、1歳から3歳までの三年間を自然の中で過ごす。
野山に自生するサクランボの実に手を伸ばし、夢中で食べる1歳児たちの中に、小さな実を、無言で友と分け合う女の子がいる。二人に会話はない。分け合うことを、大人が教えたわけでもない。
足場の悪い山道を歩く2歳児たち。山登りが得意な子が、不得手な子に手を貸す。手を借りた子は、あまえるだけではない。「じぶんであるくよ」と立ち上がる。
3歳児ともなると、ケンカが頻繁に起こる。自然の中で分かち合い、助け合う中で育んできたつながり・・・子どもたちは自身の力で解決していく。
私たち大人は、未来を担う子どもたちに何を伝え、何を手渡さなければならないのだろうか。その答えは、三年間の記録に刻まれている。
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