<青春H シリーズ第2弾>
藤原健一監督『Date...』
内藤隆嗣監督『狼の時代』」



青春Hシリーズとは?
「青春H」のテーマは、“空の高い愛の表出”。さまざまな色とりどりの“愛”を情熱的に華麗に、悲観と哀愁、そして美しさと淫らさを偉才、異才、鬼才、奇才と言われる映画作家たちが赤裸々に自由奔放に個性豊かに織り成していく。それが「青春H」シリーズ。
第3弾以降には『ラザロ』の井土紀州、『代行のススメ』の山口智、『LUNATIC』のサトウトシキと映画ファンを唸らせる映画作家たちの作品が控えている。
上映作品
Date...

2010年/日本/カラー/80分/ステレオ/ビスタサイズ/DV

監督・脚本:藤原健一

出演:杉崎歩美/鈴木拓也/姑山武司/茅野雅生/田中尚仁/小林晶/新里猛/鮫達也

製作:松下順一/企画:木谷祐介 高崎正年/プロデューサー:小貫英樹/ラインプロデューサー:奥野邦洋/アソシエイトプロデューサー:清水稔 笠原慎吾/音楽:金山健太郎/撮影:中尾正人/編集:青木紀親/監督助手:布施直輔 芦沢紘一 安随泰宏/撮影助手:山口慎吾/編集助手:小松洋平/アシスタントプロデューサー:堀川美佳/制作プロダクション:東京レイダース/製作:アートポート

配給・宣伝:アートポート

『ゴーストキス』(いまおかしんじ監督) 『making of LOVE』(古澤健監督)シリーズ第1弾にて既に伝説となった青春Hシリーズ第2弾!

<解説>
藤原健一の夢の正体
『イズ・エー[is.A]』では社会派ドラマを、『紅薔薇夫人』では団鬼六の緊縛の世界を、また『NIGHT KING ナイトキング』では実録サクセス・ストーリーと、様々なジャンルの作品を監督してきた藤原健一が青春Hシリーズ『Date...』で挑んだものとは。
この映画では藤原健一が常に抱く願望や夢を具現化しようとしたのか? それとも夢と狂気は表裏一体だということを訴えたかったのか?前述した3作品いずれにも共通して言えることはあらゆる側面の「人間」を描いているということ。この『Date...』でも描かれている人間の虚実皮膜。果たしてどの側面にスポットライトを当てているのだろうか。


     

<ストーリー>
夢に溺れた人間の果て
競馬で万馬券を当て大金を手にした売れない役者の茂。かれは自分自身を主役に映画を撮ることを決意する。モチーフはアメリカ映画『デート・ウィズ・ドリュー』。茂は憧れの着エロアイドル・奥田杏奈に愛の告白をするため、知り合いの監督の山下、女優の歩美らを誘い意気揚々と撮影を開始した。
スタートはいたって順調に行われていたが、奥田杏奈を調べるうち、彼女が自身のマネージャーと付き合っている事が発覚!しかも彼女の事務所のバックにはヤクザがついているらしく、安易に近づくと危険にさらされる。
それでも諦められない茂は、運良く彼女の抽選撮影会に当選したのを機に、隠しカメラを持って彼女に会いに行く。しかし茂は彼女に気味悪がられ、挙句の果てに盗撮がバレてしまう。それ以来、忽然と姿を消した茂を心配する山下と歩美らは、さらに奥田杏奈について調べていくうちに、想像を絶する狂気・狂乱の世界を目の当たりにする。

<監督コメント>
酒を飲んでは吐きまくり、誰かを好きになっては振られ続け、それでも思い続けておかしくなって、また酔っ払って誰かを殴ったり、殴られたり…
無茶苦茶だった俺の青春時代。
この映画が「なんだこれは?」と思われたら最高です。
――藤原健一
(c) 2010アートポート
『狼の時代』

2010年/日本/カラー/81分/ステレオ/ビスタサイズ/DV

監督・脚本:内藤隆嗣

出演:相川由季/林下友昭

製作:松下順一/企画:木谷祐介 高崎正年/プロデューサー:小貫英樹
アソシエイトプロデューサー:清水稔 笠原慎吾/ラインプロデューサー:奥野邦洋/音楽:金山健太郎/撮影:高木風太/監督助手:東谷一樹 高間美咲 村上沙穂/アシスタントプロデューサー:堀川美佳/制作プロダクション:東京レイダース/製作:アートポート

配給・宣伝:アートポート

<解説>
内藤隆嗣の“今の日本”の『男と女』
男の匂い、男の肖像、そして男のロマン…。不器用ながら真っ直ぐな、愛すべき男を描かせたら右に出るものは無い内藤隆嗣。愛を求めてさすらう独身漁師の悲恋を描いた『不灯港』がロッテルダム国際映画祭で喝采を浴びてから早や1年。そして10年秋、今度はどんな男を見せてくれるのか?
主人公はやはり実直かつ不器用な汗ほとばしる男、二郎。しかし、映画の中で彼が出会った女性は自分が居る世界とは全く異なる場所に生きる麗子。端から見れば相容れない2人は、現代社会の若者が身にまとう心を遮断するベールを脱ぎ捨て、生き物であることをさらけ出す。内藤隆嗣が本作で描きたかったことは、「生き物であることを忘れるな人間よ!」そして「男よ、生き物であると同時に獣であれ」―すべては狼にしかわからない。



<ストーリー>
男の匂い、女の薫り。会話はいらない! 愛を嗅ぎ取れ!!
高層マンションに住むデイトレイダーの麗子は物質的に潤ってはいるが、心が渇ききっていた。地べたで肉体労働をはしごする二郎は汗で心は潤っていても愛には飢えていた。これほど違う世界に住む2人の出会いは、狭い東京では必然なのか? それとも運命的な何かを予感させる偶然なのか?
不器用だからこそ、その思いを素直に伝えようとする二郎。実直で一途な性格だからこそ、麗子には新鮮かつ力強く心に響く。触れ合えば触れ合うほど、お互いの渇きと飢えが見る見るうちに潤わされ、満たされ、視野も考え方も一変させる。そして何もかも…。

<監督コメント>
この頃街を歩いて思うことがある。それは、街に狼がいないということ。「昔はようおったんじゃよ」と、生前の祖母の話を思い出す。日本語で『良い』『獣』と書くこの狼を皆さんも是非スクリーンで目撃してください。
――内藤隆嗣

(c) 2010アートポート