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<スタッフ>
製作 (株)環境テレビトラスト、舞踏研究所・白踏館
プロデューサー 小泉 修吉、岩名 雅記、川井田博幸
監督・脚本 岩名雅記
撮影監督 パスカル・マラン
音楽 平石博一、ライオネル・マルケティ、ル・カン・ニン 他
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<出演>
澤宏
バレンティナ・ミラグリア
モハメッド・アロシ |
長岡ゆり
滝原祐太
首くくり栲象 |
根岸良一
若松萌野
七感弥広彰 |
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<解説>
1988年以来、日欧で活動を展開する舞踏家、岩名雅記が彼自身の脚本、演出により35ミリモノクローム長編劇映画を制作した。岩名は1967年、ドラマ制作を志してTBS(東京放送)に入社したが時代状況の変化により69年これを断念、以後、演劇と舞踊に転進して以来実に37年が経過した。その間、映画制作への情熱いささかも失せず、今回日仏スタッフ協同で初の長篇劇映画を完成した。
本作品の舞台は第二次大戦7年後の東京。空から撒かれたビラを追って不思議な館にたどり着いた少年の夢と現実が織り成すドラマである。
そこには陽射しに当たることの出来ない難病(病理学的にはポルフィリン代謝異常と言われるものだがここでは仮定された病い)を持った人々が幽閉されるように暮らしている。ケモノのヒズメの手を持って生まれ、見世物として口で文字を書く事を生業(なりわい)としてきた通称「ヒズメ」、お女郎でありながら心中未遂して心と体に傷を持つ女ネアン、そして話せず聴こえず歩くことも出来ぬ年齢不詳の女マリア、そして今朝縊死したばかりのカケラである。彼らは一日でも早い死を願って行政による「ガス放出」の日を待っている。彼らを監視するのが特攻帰りの男ヒノマルだが、戦争で死ねなかった無念と死んでいった仲間への哀惜とで自身もひたすら死を祈願している。そんな日に少年が館に舞い込み、その翌日、行政からガス放出の連絡が来る。死ぬことの出来る喜びも束の間、たとえヒノマルが前年冬に館から脱走―
陽光死したマスキヨに成り代わりおおせても、行政の指定する「生きる者5名」という条件に1人満たない。なぜなら自死したカケラをヒノマルが館の中にある道穴に放り込んでしまったからだ。噂によるとこの穴は山谷まで通じていると言う。生きる者5名という条件を満たす為には死んでいるカケラを何処まで続くか知れぬ洞穴へ捜しに行かねばならない。死にたい人間たちの最後の「生き様」が始まる------ |
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