|
スタッフ |
監督:スティーヴ・ジェイムス
プロデューサー:ゴードン・クィン/アダム・シンガー/スティーヴ・ジェイムス
音楽:ダーク・パウエル
エンディング曲:ウィリー・ネルソン“The Maker”
配給:ムヴィオラ
|
出演 |
スティヴィー・フィールディング
ヴァーナ・ハグラー
バニース・ハグラー
ブレンダ&ダグ・ヒッカム
トーニャ・グレゴリー |
|
ひとりの青年が、ある少年の「ビッグ・ブラザー」になった。
10年後、青年は映画監督に、少年は非行を繰り返し社会から疎外された存在になっていた。
|
大学生だったスティーヴ・ジェイムスは、11歳の少年スティーヴィー・フィールディングの更正を助ける「ビッグ・ブラザー(兄役の制度)」になった。少年は私生児で、母親に愛されていなかった。
出来る限り少年に手を差し伸べようとしていたジェイムスだったが、大学卒業後、いつしか彼とは疎遠になってしまう。
ある日、映画監督となったジェイムスは、10年振りに故郷へ帰り、青年となったスティーヴィーの今を撮ろうと試みる。
とても個人的な小さなスケッチになるはずだったその映画は、スティーヴィーが重大な犯罪の容疑に問われたことで思いもかけない局面を迎える。当初、物語と距離をおくつもりだったジェイムスは、スティーヴィーと彼の家族に深く関わらざるを得なくなった。
問題を抱えながらも愛と絆をあきらめなかった家族。そして、それに深く関わった映画監督の矛盾した思いを浮き彫りにしたドキュメンタリーへ。
スティーヴィーが重罪を犯した今、この映画作りを続けるべきか、やめるべきか。ジェイムスは、大きな問題に直面する。しかし、結局、彼はカメラを手放さなかった。悩みながらも、映画は続けられ、それは4年半におよぶ魂の記録となった。
犯罪の加害者といかに向き合うか、人はいかに罪を負い、その罪はいかに償われるか。簡単な解決はここにはない。
しかし、深い傷を抱えながらも家族であることを受け入れるスティーヴィーの家族、失われない愛情を正直に認める婚約者、そしてスティーヴィーと共に生きることを選ぶジェイムスの姿は、人生というものの力強さを私たちに伝えてはいないだろうか。
傑作ドキュメンタリー『フープ・ドリームス』の監督と製作チームが贈る魂のメモリアル。
|
|
監督は『フープ・ドリームス』で数々の映画賞を獲得した、スティーヴ・ジェイムス。製作はアメリカのドキュメンタリー映画製作の先駆者的な存在カルテムキン・フィルムズで、『フープ・ドリームス』の製作チームがあたっている。
サンダンス映画祭で賞に輝いた撮影は、製作総指揮のゴードン・クィンをはじめとする3名のカメラマンがあたっている。
また印象的な音楽は、カントリー&マウンテン・ミュージック界で著名なフィドル&バンジョー奏者ダーク・パウエル。
心を洗うように印象的なエンディング曲は、大御所ウィリー・ネルソンが歌う“The
Maker”。
本作は、日本では山形国際ドキュメンタリー映画祭2003で上映され、大賞に次ぐ、最優秀賞を受賞。2年の歳月の後、ようやく劇場公開にいたる。
|
|
暴力の連鎖を停めるためにも、僕らは、加害者に思いを馳せねばならない。
一人でも多くの人に観て欲しい作品だ。
森 達也(映画監督/ドキュメンタリー作家)
性加害者の主人公をなぜ撮り続けるのか?
監督自身の迷いと動揺がこれほどまでに率直に描かれた映画はないだろう。
周囲からの誠意を裏切り続けるかのような主人公の行動は大きな謎を観る者につきつける。
重く感動的な作品だ。
信田さよ子(原宿カウンセリングセンター) |
|
スティーヴ・ジェイムス:監督
初の長編ドキュメンタリー『フープ・ドリームス』(1994)はアカデミー賞編集部門でノミネート、
A.C.E.編集賞を受賞し、アメリカドキュメンタリー史上記録的な大ヒットとなる。最近では、現代に
おける移民、難民に焦点を当てたアメリカのテレビシリーズ『The New Americans』(PBS)の製作責
任、監督、シリーズ編集に携わる。『スティーヴィー』は長編ドキュメンタリー第2作目となる。本
作の後も、イラク帰還兵のドキュメンタリーなどに取り組んでいる。
アダム・シンガー:プロデューサー
アメリカが誇るドキュメンタリー製作の先駆的存在カルテムキン・フィルムズを拠点に活躍。ジェイム
ス監督の『フープ・ドリームス』『The New Americans』にも参加。 |
|