上映作品一覧

『愛なくして』
2003年/35ミリ/カラー/82分/
企画・製作:二人だけの劇場セザンヌ/製作協力:たかばやしよういちプロ、ムービーワークショップ、ビジュアルアーツ専門学校
製作/遠藤久仁子 脚本・脚本/高林陽一
出演/藤沢薫、木元としひろ、栗塚旭、浜崎麿吉、遠藤久仁子、竹橋団、遠藤博圭、稗田邦隆、塩見順一、椋木春菜、坂元剛、大平由佳、中武題、村田稔、米沢梢、吉井多美子

◆高林陽一監督が16年ぶりにメガホンをとった最新作。この映画は、京都で活躍する劇団「二人だけの劇場セザンヌ」が企画し、広く出資を募り、既成の映画俳優、撮影システムを使わず制作。高林監督が人間の生命の尊厳をテーマに、シナリオを書き、四季折々の京都を舞台として、孤独な老人の死にまつわる多彩なエピソードの中から人間の尊厳、生と死の問題を描き出した、今を問う渾身の問題作。
『すばらしい蒸気機関車』
1970年/35ミリ/カラー/83分/
製作:たかばやしよういちプロ
演出・脚本・撮影/高林陽一 音楽/大林宣彦
配役/(機関車と対話する少女)谷口法子

◆自らの念願叶い「蒸気機関車の勇姿で」ついに35ミリ長編に進出した大ヒット作。記録であると同時に、機関車に捧げる献詩として制作された鉄道映画の神髄。今回、ニュープリント復活版で、待望のリバイバル公開!
初期 短・中編作品 Aプロ (上映時間:96分(8ミリ作品はDV上映となります))
『南無』
1959年/8ミリ/白黒/20分
撮影・構成/高林陽一
◆九品仏(九品山浄真寺)をスケッチしつつ、浄土に到達する構成の小品。監督自ら「たしかな一つの道を見いだし歩き始めた」と語る高林芸術の出発点。
『石ッころ』
1960年/8ミリ/白黒/30分(サイレント)
脚本・撮影・監督/高林陽一 出演/加藤伝、小柴摩理子
イタリア・モンテカティーニ・アマチュア国際映画祭金賞、イタリア・サレルノ国際映画祭銀賞
◆河原で石を運び続ける男。その延々とした繰り返しのうちに、人生の始まりから終わりまでが描かれている。国際的に「高林」の名を知らしめた記念碑的作品。
『京都』
1961年/8ミリ/白黒/24分
撮影・監督/高林陽一 出演/祇園豊次、富鶴 能管演奏/寺井政数(無形文化財)
◆「私の"京都"作品の中で、私的にして"純な京都"に最も近く濁りがないように思われる」(高林)。「これは歩く映画。高林さんとキャメラは一体となり、呼吸している」(大林宣彦)。
『石が呼ぶ』
1961年/8ミリ/白黒/12分
撮影・構成・演出/高林陽一
◆「人は昔から石に仏を刻み、祈りを捧げ、自らの願いをこめてきた。私は何時も石の世界に自らの思いを託し、そして石の呼ぶ声に心をゆさぶられた」(高林)
初期 短・中編作品 Bプロ (上映時間:97分)
『砂』
1963年/16ミリ/白黒/26分
撮影・監督/高林陽一 出演/田辺元、正城睦子
ベルギー国際実験映画祭審査委員会特別賞
◆壷を抱えてひたすら砂丘を歩く男と、壷に砂を入れる女。男と女、ただそれだけでアヴァンギャルドな空間が創出する、必見!
『ひなのかげ』
1965年/16ミリ/白黒/20分
脚本・撮影・監督/高林陽一 出演/小池敬子
◆雛人形と生きた女に共通して存在する時間の流れとイリュージョン。女の幻視的世界から、ひな祭りに込められた原始的宇宙が現われる。
『むさしのいのち』
1965/16mm/白黒/11分
監督・脚本・撮影:高林陽一 出演:おおやきくえ
林の中に佇む幻想的な女と浮世絵に描かれた女。大胆なモンタージュや切り抜かれた浮世絵から垣間見られる女のエロス。最近ネガが発見された幻の作品。今回ニュープリントを作成。
『べんがら格子』
1971年/35ミリ/カラー/40分
脚本・構成・演出/高林陽一 
出演/衣麻遼子、小野秋子、荒尾一郎、清元梅花代 
◆子守唄「ねんねなさいませ」をモチーフに、女たちの苦しみと悲劇を"シネマツルギー"でひとつの世界に構成することを試みた野心作。
『餓鬼草紙』
1973年/35ミリ/白黒/92分/製作:たかばやしよういちプロ
企画・監督・撮影・編集/高林陽一 脚本/松井智彦 
出演/伴勇太郎、新田章、松田幸江、小林加奈枝
73年カンヌ映画祭批評家週間参加、マンハイム国際映画祭グランプリ受賞、テヘラン映画祭招待作品。

◆第1回長編劇映画にして、カンヌ映画祭出品!  出演者4人とも科白なし、音楽なし、の異色の傑作。一人の僧侶の内部に広がる飢餓情況を描く。
『本陣殺人事件』
1975年/35ミリ/106分/カラー/製作:たかばやしよういちプロ+映像京都+ATG
監督・脚本/高林陽一 原作/横溝正史 音楽/大林宣彦 美術/西岡善信 
出演/中尾彬、田村高廣、新田章、高沢順子、東竜子、伴勇太郎、山本織枝、水原ゆう紀、小林加奈枝、常田富士男

◆ATGと提携、横溝正史ブームの先駆けとなった意欲作。結婚初夜に惨殺されたふたり。現場は密室。名高い旧家を襲った悲劇に挑むは、中尾彬版・金田一耕助。高林の耽美ワールド炸裂!
『金閣寺』
1976年/35ミリ/109分/カラー/製作:たかばやしよういちプロ+映像京都+ATG
監督・脚本/高林陽一 原作/三島由紀夫 美術/西岡善信 
出演/篠田三郎、柴俊夫、横光勝彦、島村佳江、テレサ野田、市原悦子、水原ゆう紀、 内田朝雄、加賀まりこ

◆ATG2作目。三島由紀夫の同名作品の2度目の映画化。金閣炎上と三島自決を見てしまった高林自身の青春を投影して、市川崑版より空虚感の色合いが強い、ヒット作。
『往生安楽国』
1976年/35ミリ/92分/カラー/製作:たかばやしよういちプロ
監督・脚本・撮影/高林陽一 音楽/ブラッディ・マリー
出演/高沢順子、服部妙子、星美智子、原泉、中尾彬、上条慎五

◆ATGを一度離れ、製作・キャストらの熱き友情に支えられた高林自身、久々にフリーハンドでつくった作品。人間の営みの混沌の中、極楽を求めてさすらう男女の"地獄草紙"。
『西陣心中』
1977年/35ミリ/110分/カラー/製作:たかばやしよういちプロ+ATG
監督・原案・撮影/高林陽一 脚本/高田宏治 音楽/高林博子 
出演/島村佳江、光田昌弘、土屋嘉男、楠侑子、成田三樹夫、上月左知子、山田吾一、大泉滉、名古屋章、中尾彬、三原葉子、白川和子、松川勉

◆ATG3作目。高林本人による「愛宕山情死行」の原案を『仁義なき戦い・完結篇』の高田宏治が構築し直してシナリオ化。心中に失敗した女と西陣織り手の恋。
『蔵の中』
1981年/35ミリ/101分/カラー/製作:角川春樹事務所
製作/角川春樹 監督/高林陽一 脚本/桂千穂 原作/横溝正史 音楽/桃山晴衣 
出演/山中康仁、松原留美子、亜湖、小林加奈枝、きたむらあきこ、中尾彬、吉行和子

◆『本陣殺人事件』で横溝ブームを切り開いた高林が、そのブームの締めくくりに横溝中期の純文学的名作を映画化。肺病で蔵の中にすごす聾唖の姉と、彼女を慕う弟との妖しき迷宮の世界を描く。
『雪華葬刺し』
1982年/35ミリ/103分/カラー/製作:大映(京都撮影所)
監督/高林陽一 脚本/桂千穂 原作/赤江瀑 
82年カンヌ国際映画祭監督週間出品
出演/若山富三郎、宇津宮雅代、京本政樹、滝田裕介、白石奈緒美、殿山泰司

◆若山富三郎の名演が見どころ。名代の彫物師・彫経を中心に複雑に絡み合う人間模様。美しき白肌の女を得て、彼は最後の墨入れに刺青師生涯のすべてをかける。最後の大映京都撮影所作品。
『赤いスキャンダル・情事』
1982年/35ミリ/76分/カラー/製作:にっかつ
監督/高林陽一 脚本/いどあきお 
出演/水原ゆう紀、泉じゅん、戸川昌子、水木薫、西沢利明、南城竜也

◆普段は貞淑な妻が、夫の出張中に高級娼婦として官能の世界に溺れる姿を描いた傑作。現在では上映される機会も少ない"にっかつロマンポルノ"お正月作品。
『魂遊び ほうこう』
1986年/35ミリ/117分/カラー/製作:たかばやしよういちプロ
監督・脚本・編集/高林陽一 
出演/奥山恵介、山田悟志、加藤直美、佐野恵美子、佐野貴子、美麗、葵邦人

◆京都に住む妖しの人形師・奥山恵介の独創的な人形の世界を中心に描くフィクション/ドキュメンタリー。"男と女の修羅の世界"をテーマに、めくるめく幻想が展開する。

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