上映作品 |
≪松川八洲雄 テレビドキュメンタリーコレクション 3作品≫ |
オオシカの村
1993年/60分
ナレーション:佐藤オリエ
プロデューサー:国分道雄 監督:松川八洲雄 ディレクター:三股こずえ 撮影:中島洋
文化庁芸術作品賞
長野県大鹿村。室町時代の石像も残るこの村では、代々石ころだらけの山肌を耕し続け、神遊びで創造世界を楽しんできた。今は人口も激減し、そのほとんどがお年寄り。しかし、近年になり住み着いた若い世代もいる。機織りをして暮らすチェコ人、稲作に挑戦するイギリス人、村ではおヒゲさんと呼ばれる、いわゆるヒッピーの男性たち。深い谷底の村で慎ましく暮らしてきた村人の姿を映し出す。 |
ガウディへの旅 ~世紀を超えた建築家~
1989年/64分
ナレーション:奥田瑛二
監督:松川八洲雄 プロデューサー:髙松良丸 ディレクター:阿武野勝彦 撮影:中島洋
日本民間放送連盟賞 教養部門 優秀賞
1926年、バルセロナの街中で、市電にはねられて死んだ一人の老人。サグラダファミリアを建設中のアントニ・ガウディだった。カタロニアの田舎町で育ったガウディが、バルセロナに実業家グエルと築こうとした理想郷。彼の死後、台頭してきたファシズムによって抑圧された自由。刻々と変わりゆく時代を背景に、ランボーの詩の朗読と成長し続けるサグラダファミリアが重なり合う。 |
新シルクロード考 砂漠に降りた飛天たち
1991年/64分
ナレーション:江守徹
ディレクター:石井仁 監督:松川八洲雄 撮影:中島洋、岩井彰彦
奈良の法隆寺に描かれた飛天。同じモチーフが、遥か西の地ウイグルにあるキジル千仏洞に描かれている。中国西域の暗黒部と呼ばれたこの砂漠の地は、しかしシルクロードのオアシス都市として発展し、ここで西洋と東洋の文化が入り混じった。古代の人々が空に観た仏教の宇宙観。キジル千仏洞の顛末を通じて、遥か西の地と日本の仏教思想を繋ぐシルクロードを捉えなおすドキュメンタリー。 |
≪宮本信子 ナレーションデラックス 4作品≫
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検事のふろしき
2009年/53分
ナレーション:宮本信子
音楽:本多俊之 プロデューサー:阿武野勝彦 ディレクター:齊藤潤一 撮影:塩屋久夫
ギャラクシー賞 奨励賞
撮影絶対禁止の検察庁。そこにカメラを長期に入れた。検事は、法廷に行く際、濃紺の風呂敷を持っている。大きな風呂敷の中には、被告の罪状の一部始終が入っている。裁判員裁判の導入前夜、日本で初めて検察庁の内部に長期密着取材を敢行し、『公益の代表』として仕事にあたる検事たちの知られざる姿を映像化した。
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裁判長のお弁当
2007年/48分
ナレーション:宮本信子
プロデューサー:阿武野勝彦 ディレクター:齊藤潤一 撮影:板谷達男
ギャラクシー賞 大賞、日本放送文化大賞 入選
弁当が二つ。ある裁判長の注目すべき日常。愛妻弁当を毎日昼と夜、執務室で二回食べる生活サイクル。日曜も祝日も夜十時まで仕事を続けている。名古屋地裁の天野裁判長は、毎年400件の新規事件と100件の裁判を同時進行しなくてはならないのだ。日本で初めて、現役の裁判長に長期密着し、裁判所の内部そして裁判官の肉声を世に出したドキュメンタリーである。 |
とうちゃんはエジソン
2003年/47分
ナレーション:宮本信子
プロデューサー:阿武野勝彦 ディレクター:伏原健之 撮影:中根芳樹
ギャラクシー賞 大賞、FNSドキュメンタリー大賞 大賞
愛知県額田町の山奥の工房。ここで福祉用具の発明をしている加藤源重さんは、そのユニークな発想と飽くなき研究心から、“三河のエジソン”と呼ばれている。利益はとらず、材料費と光熱費だけで、高齢者や障害者のためのオーダーメイド生活用具を作り続ける。夫を支え、見守り続ける信子夫人。女優・宮本信子が、信子夫人の一人称で優しく語り、加藤さんの発明人生を見守るドキュメンタリー。 |
いくさのかけら ~戦後六十年 四つの物語~
2005年/48分
ナレーション:宮本信子
プロデューサー・ディレクター:阿武野勝彦 撮影:塩屋久夫、岩井彰彦
終戦から60年、戦争の名残と共に生きる人々がいる。戦場で綴られた兄の日記。借金で家族を苦しめた父の隠された戦争時代の記憶。防空壕で聞いた、音楽好きの青年将校の叶わぬ夢。爆撃された東洋一の兵器工場・豊川海軍工廠の、最後の慰霊祭。それぞれが、いまを生きる人々が握りしめている戦争の欠片。4つの物語を通して、戦後60年間続いてきた人々の想いを描き出す。 |
≪東海テレビ ドキュメンタリーの世界 5作品≫
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あやまち
1970年/49分
ナレーション:岸田今日子
企画:田中信之 ディレクター:大西文一郎 撮影:中島洋
日本民間放送連盟賞銀賞
行政が誘致したコンビナートが吐き出す煙の下の町・三重県四日市市磯津。ぜんそくに蝕まれ苦しむわが子を自分の手で救えないと知った時、母親たちが集まり、訴え、行進する。しかしデモの流れは広がらず消えた。工場で豊かになった磯津は、きれいな空と海も失った。詩人・石垣りんが紡ぐ言葉にのせ、磯津の路地裏から四日市公害を見た映像詩。 |
浮いてまう ~岐阜県徳山村への愛惜~
1977年/48分
ナレーション:渡辺美佐子
プロデューサー・ディレクター:山内公明 撮影:中島洋
文化庁芸術祭参加
昭和52年、岐阜県徳山村。この村は、間もなくダムに沈む。村の水没は、村人たちにとっては「浮いてしまう」こと。戦時中、兵士として男たちが出ていき、戦後、働き手として若者が町へ出ていき、いま経済成長という新たな戦争で、村人は村から引きはがされ浮いてゆく。村人たちが村で過ごす最後の一年間を、60戸余りが暮らす集落・戸入の人々の日常と季節の移り変わりを通して描き出す。
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証言 ~調査報道・名張毒ブドウ酒事件~
1987年/60分
ナレーション:佐藤慶
プロデューサー:江野雄二 ディレクター:山内公明、門脇康郎
昭和36年、三重県名張市葛尾という小さな山村で、村の集会中、ブドウ酒に農薬が混入され、女性5人が死亡する事件が起きた。犯人とされた奥西勝の犯行を断定するには物証が乏しく、村人たちの証言が決め手となった。しかし、事件からおよそ1ヵ月、彼らは事件直後の証言を一斉に変更し、新しい証言をもって奥西の死刑が確定する。独自の取材と検証で、名張毒ブドウ酒事件の証言を巡る真相に迫る。
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約束 ~日本一のダムが奪うもの~
2007年/48分
ナレーション:小西美帆
プロデューサー・ディレクター:阿武野勝彦 取材:鈴木祐司 撮影:塩屋久夫
地方の時代映像祭グランプリ、日本民間放送連盟賞 報道部門 優秀賞
人生最大の悲劇は、金に換えられないものを力づくで奪われたり、騙し取られたりすることではないか。岐阜と福井の県境。「徳山ダム」のため徳山村は水没し廃村となった。行政は水没する道の代わりに新しい道路網の建設を約束したが、平成の市町村合併のドサクサにまぎれて反故にした。故郷を奪われ、道まで奪われた村民の怒り。取材開始は32年前。 |
村と戦争
1995年/71分
ナレーション:杉浦直樹
プロデューサー・ディレクター:阿武野勝彦 撮影:岩井彰彦
日本民間放送連盟賞 優秀賞、ギャラクシー賞 優秀賞、放送文化基金賞優秀賞
人口3,000人。小さな村の戦争とその傷痕。岐阜県東白川村。戦後50年という年に、村の古老たちが、各戸を回り、平和祈念館に収めるために戦争関連の遺品を収集していた。ハワイ真珠湾へ参加した雷撃隊員、満州開拓団、学徒出陣の兄と植物図鑑の好きな弟。半世紀たった山里で戦時品が語りだす。 |
≪司法シリーズ 3作品≫ |
光と影~光市母子殺害事件 弁護団の300日~
(2008年/47分)
ナレーション : 寺島しのぶ
プロデューサー : 阿武野勝彦 ディレクター : 齊藤潤一 撮影:岩井彰彦
日本民間放送連盟賞 最優秀賞、芸術祭優秀賞、ギャラクシー賞優秀賞
殺人鬼を守る鬼畜弁護団というバッシング。この事件で弁護士たちは激しく非難された。1999年山口県光市で発生した母子殺害事件。当時18歳1ヶ月の少年が逮捕された。世間は、犯人を死刑にせよと熱狂していた。報道も、被告の発言を「荒唐無稽」と切り捨て、弁護など不要という世論に加担していた。鬼畜と呼ばれた弁護団の内部にカメラを入れ、社会の深層を照射した。
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罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父
(2009年/47分)
ナレーション : 藤原竜也
プロデューサー : 阿武野勝彦 ディレクター : 齊藤潤一 撮影:板谷達男
FNSドキュメンタリー大賞 大賞 日本放送文化大賞 入選
犯罪被害者は、みな死刑を求めているのか…。2007年、名古屋・闇サイト事件で娘を殺害された母、磯谷富美子さん。1983年、半田保険殺人事件で弟を殺された兄、原田正治さん。1994年、長良川木曽川連続リンチ殺人事件で一人息子を失った父、江崎恭平さん。死刑の現実と遺族の多様な思いを、肉親を殺害された3人の取材で明らかにする。 |
毒とひまわり~名張毒ぶどう酒事件の半世紀~
(2010年/52分)
ナレーション : 仲代達矢 音楽 : 鈴木よしひさ
プロデューサー : 阿武野勝彦 ディレクター : 齊藤潤一 撮影:坂井洋紀
ギャラクシー賞 奨励賞
司法は、獄中死を望んでいる…。1961年、三重県名張市で起きた女性5人の毒殺事件。犯人とされた奥西勝死刑囚は、一貫して獄中から無罪を訴え続けている。2010年4月、最高裁は名古屋高裁へ審理を差し戻した。鈴木泉弁護団長は「一日も早い釈放を勝ち取る」と言う。しかし、奥西は84歳…。帝銀事件の周辺も辿り、一度下した判決に固執する司法の姿を浮き彫りにする。 |