鶴彬 こころの軌跡』公開記念 
「神山征二郎監督特集上映」

名優勢揃い!名匠・神山征二郎の3つの傑作、一挙上映!!



新藤兼人のもとで助監督を経験し、1971年のデビュー以来コンスタントに作品を撮り続けている神山征二郎監督の長篇27作目にあたる最新作『鶴彬 こころの軌跡』がポレポレ東中野にて7月4日より公開されます。
神山征二郎は、子どもを主人公にした『鯉のいる村』(1971)『二つのハーモニカ』(1976)『あすも夕やけ』(1977)など児童映画で注目を浴び、1983年の『ふるさと』でモスクワ映画祭に出品、文化庁優秀映画奨励賞を受賞するなど名匠の仲間入りを果たしました。
本年ハリウッド・リメイク版が公開される『ハチ公物語』(1987)は興行収入45億円を超える大ヒットとなり、社会現象になりました。以後も手島悠介原作『千羽づる』(1989)、椎名誠原作『白い手』(1990)、箒木蓬生原作『三たびの海峡』(1995)、五木寛之原作『大河の一滴』(2001)など文芸映画の名作も多く残しています。
近年では『郡上一揆』(2000)、『ラストゲーム 最後の早慶戦』(2008)などの大作でも映画界に話題を振りまいています。現在神山監督は、日韓合作映画『白磁の人』を準備中です。
ポレポレ東中野では、『鶴彬』の公開を記念して、期間中に壮大な神山監督の作品群の中から『三たびの海峡』『千羽づる』『ふるさと』の三作をセレクトして特集上映いたします。
是非この機会に『鶴彬』と神山監督の名作を合わせてご堪能頂ければと思います。
「三たびの海峡」は観て欲しかったのに観て貰えなかった運の悪い作品でした。
誰れも成し得なかった領域の映画を作っている、という興奮を記憶しています。
 「千羽づる」は私の唯一の『原爆物』です。主人公の生命を断った者を許さない―と眼尻を決して作っていたと思います。
 「ふるさと」は私の記念碑です。一九八三年、モスクワの上映会場が終映直後、満場総立ちのスタンディング・オベーションとなった日が、昨日のようです。
---- 神山征二郎
上映作品
『三たびの海峡』

(1995年/123分/35mm/松竹)

監督 : 神山征二郎
原作 : 箒木蓬生
脚色 : 加藤正人、神山征二郎
出演 : 三国連太郎、南野陽子、風間杜夫、岩城滉一、李鐘浩
      白竜、趙方豪、樹木希林、泉ピン子

日本に強制連行され、北九州の炭鉱で労働させられ、日本人女性と恋に落ち…という朝鮮人男性の半生を描く大長編大河ドラマ。原作は吉川英治文学新人賞を受賞した帚木蓬生の同名小説。オールスターキャストによる、日本映画初の本格的韓国ロケーションを敢行した大作。

上映日 : 7/4〜7/10 
『千羽づる』

(1989年/96分/35mm/共同映画)

監督 : 神山征二郎
原作 : 手島悠介
脚本 : 松田昭三、神山征二郎
出演 : 倍賞千恵子、前田吟、広瀬珠実、田村高廣、殿山泰司

二歳で被爆し、その十年後小学6年で無くなった佐々木禎子さんの短い一生を描く感動作。禎子さんは広島平和公園の「原爆の子の像」のモデルとなった。名コンビ・倍賞千恵子と前田吟の両親が涙を誘う。児童映画の傑作を多くもつ神山征二郎の決定作。

上映日 : 7/11〜7/17 
『ふるさと』

(1983年/106分/16mm/松竹富士)

監督 : 神山征二郎
原作 : 平方浩介
脚本 : 神山征二郎
ナレーション : 市原悦子
出演 : 加藤嘉、長門裕之、樫山文枝、浅井晋、前田吟

妻が死んでからボケがひどくなった伝三は、隣家に暮らす少年との交流によって回復の兆しを見せたが…。ダム建設地である徳山村にキャメラをすえて、消えゆく故郷と、そこに生きる人間の営みを最高の演技人の競演で描く。個性派俳優・加藤嘉の代表作でもある神山征二郎初期の名作。

上映日 : 7/18〜7/24