炭鉱(ヤマ)に生きる


ボタ山よ汝人生の如し。

 公式サイト


筑豊で炭鉱夫として生きぬいた山本作兵衛翁が描く絵画には、
生への肯定があり、
生きぬこうとするエネルギーがあり、
生活の中にうるおいを見出そうとする意欲がある
<スタッフ>
監督 萩原吉弘

原画 山本作兵衛
出演 荒垣栄 他
ナレーター 窪田等
語り 小沢昭一


製作指揮 住田望
企画 田中直樹・小松原時夫
監修 深町純亮・田中直樹 

プロデューサー 今関直哉
撮影 住田望
照明 小峯睦男
VE 落合智成

モーションコントロール 山下由晃・沼田京
美術 関根章敦
大道具 高瀬岩夫
デジタルFX 渡部洋
EED 久保田尚
音響効果 小野弘典
整音・MIX 滝澤修

題字 阪野高光
音楽 埜邑紀見男
二胡演奏 賈鵬芳/
助監督 滝口伸一
撮影助手 神戸千木
照明助手 石原裕一
進行助手 大友伸吾
宣伝 茶谷淳・海老原由紀・松寺園子・須田恵子
デザイン 落合正夫・高木志保

特別協力 山本照雄・田川市石炭資料館
        九州大学石炭研究資料センター
撮影協力
 宮田町石炭記念館・株式会社麻生
 片岡演劇道場・普光王寺・脇田温泉ホテル楠水閣
 飯塚労働会館
協力 
 飯塚市・田川市・穂波町教育委員会・
 宮田町教育委員会・稲築町教育委員会・
 桂川町教育委員会・王塚装飾古墳館・
 福岡県立筑豊工業高等学校・ RKB毎日放送・
 西日本新聞社・毎日新聞社・朝日新聞社・
 新日本製鐵株式会社・株式会社東芝・
 市立岡谷蚕糸博物館・国立国会図書館



<解説>
民俗学者の宮本常一氏は「日本の民族学の中で炭鉱民俗が非常に欠落している」と語り、あまりに炭鉱社会の暮らしや文化を伝える作品が少ないことを嘆いたことがある。
確かに、現存する記録映像や文学作品は、石油へのエネルギー転換によって崩壊していった石炭産業の暗部に集中しているようだ。しかし、そのことへの憤懣が筑豊の人々にあり、今でも「暗い、怖いといった印象だけを伝えている」と語気を強める人が多い。
そういった中で、称賛されたのが山本作兵衛翁の描いた数百枚の炭鉱絵画であった。
翁自身が明治から昭和まで人生の大半を炭鉱(ヤマ)で過ごしている。ゆえに、そこに描かれた真の炭鉱社会の姿は、観る人々に鮮烈な印象を与えたものである。
本作品は山本作兵衛翁の炭鉱絵画を中心に、炭鉱の人々の暮らしを描き、さらに炭鉱で働いていた人々のインタビューを随所に交えることで、筑豊の炭鉱で生きた人々の文化史に新たな1ページを加えるといった試みに挑戦している。
<監督メッセージ>
『アリのように小さな生涯だったかもしれないが、人生に一点の曇りもなく生きてきた』
長年、炭鉱で働いてきた古老が毅然と私に言い放ちました。最初に筑豊を取材していたときのことです。そこで、春の日差しを浴びた氷のように、ある謎が解けたのでした。
山本作兵衛さんの炭鉱絵画に登場する人物たちは何故、あのように凛々しく見えるのか。きっと、作兵衛さんは炭鉱(ヤマ)に生きた仲間たちの心意気を描きたかったのでしょう。取材した多くの人々は、かつての炭鉱の生活を懐かしんでいました。それは単なる郷愁ではなく、仲間と『共に生きた』という濃密な時間に想いを馳せていたように思えてなりません。それらの証言が作兵衛さんの絵画と絡み合ってくると、炭鉱社会でとても大切にしてきた言葉、『人情』が息づいてくるようです。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

------------------------------------------------------------------------