ヤ ン キ ー の 夢
不 良 少 年  夢

花堂純次監督作品
原作:義家弘介(「不良少年の夢」光文社刊)


カラー/ヴィスタ・サイズ/1時間54分

文部科学省選定 / 推薦:日本PTA全国協議会

<キャスト>
松山ケンイチ  (義家弘介役)
真野響子 (安達俊子 /弘介の担任教師役)
伴杏里
(ばんあんり) (西崎美紗緒・弘介の同級生役)
片桐竜次 (佐古進・汐美下宿の主人役)
二木てるみ (
佐古道代(佐古の妻役)
田中 健 (岸本孝一・北星学園の名物教師役)
武藤敬司
(全日本プロレス) (山口芳之・謹慎の館親父役)
竹内都子 (滝本知子・滝本の妻役)
でんでん (山村栄・北星学園教師役)
西村雅彦 (滝本博・友愛寮の親父役)
<スタッフ>

製作 : 橋 松男

プロデューサー : 三村 順一、霜村 裕、野辺 忠彦
アソシエイト・プロデューサー : 竹村 友里

原作 : 義家 弘介(「不良少年の夢」光文社刊)
脚本 : 中岡 京平、花堂 純次

監督 : 花堂 純次

製作:アマナスキネマ東京 
企画:橋松男事務所
協賛:C・T・S 
配給:オムロ キネマスターフィルム
宣伝協力 グアパ・グアポ
音楽 : 安川 午朗
撮影 : 佐々木原保志
照明 : 金沢正夫
美術 : 金勝浩一

録音 : 岩倉雅之
編集 : 奥原好幸
記録 : 甲斐哲子
キャスティング  : 阿部一夫
助監督 : 水戸敏博
制作担当 : 宮川健治

協力 : 北星学園余市高等学校
協賛 : C・T・S



後援 : 北海道 北海道教育委員会 余市町 北海道新聞社
      青少年育成国民会議 青少年育成アドバイザー連合会 全国都市教育長協議会
      中小企業家同友会全国協議会 北海道中小企業家同友会
<STORY>
 親からも学校からも見放され、居場所を失った不良少年義家弘介。ある日、里親から一つの新聞記事を手渡される。“廃校の危機に陥った北星学園余市高等学校が、全国から中退・不登校生徒の受け入れを開始”というものだった。
 目的もなく退屈な毎日を過ごしていた彼は、北海道行きを決意する。だが、これまで他人への敵愾心剥き出しで生きてきた彼が、新しい環境にすんなり順応できるはずもなく、編入早々、寮のワルたちと凄まじい衝突を引き起こす。「ここを出て行け!」と宣告された義家は、信じがたい壮絶な落とし前をつける。ようやく見つけた自分の居場所を、まさしく死守したのだ。

担任の安達俊子先生は「ガンバ!」が口癖の熱血教師。掃除当番をさぼっただけでどこまでも追いかけて来る。そんな彼女に義家は、まるで異星人と出会ったような新鮮な驚きを感じていた。
 学校にも寮生活にもようやく慣れてきた頃、ある出来事をきっかけに大暴れして強制退寮処分になってしまった義家たちワルグループは、生活指導の岸本先生の奔走のおかげで滝本夫妻の寮に入る。そこで彼は、生まれて初めて家庭のぬくもりを知った。風邪で寝込んだ彼を親身に介抱する滝本に「あんたら、何でそんなにやさしく出来るんだ。赤の他人なのに…。」あふれ出る熱い涙に、愛を知らなかった少年の心の氷が溶けていく。


 義家は、同じ日に北星に編入した同級生・西崎美紗緒がずっと気になっていた。美紗緒の両手には、母親から受けた虐待の跡やリストカットの傷が痛々しく残る。イジメにあい、寮に閉じこもっていた彼女は、ある日海で入水自殺を図るが、偶然通りかかった義家が必死で救出する。そんな彼の優しさに触れた美紗緒は、初めて生きる希望を彼の中に見つける。しかし、親からの送金が途絶えた彼女は北星を去ることに。「一人で働いてお金をためて、必ず学校をやり直す。もう死のうなんて思わない。義家のお蔭で乗り越えられたから」精一杯の思いを告げた彼女を乗せて、列車はホームから去っていった。


 足に血豆を作りながら歩き抜いた“強歩遠足”や、遅刻の常習犯の生徒の留年騒ぎに立ち上がった義家の言葉が、バラバラだったクラスメイトの心を一つにし、次第に全員が一致団結した。先生と一丸となって“共育”してきた生徒たちは、皆で大熱唱した文化祭などたくさんの記憶を胸に刻みながら、やがて卒業の時を迎える。みんなそれぞれの想いを胸に旅立って行った。
義家は、東京の大学で弁護士になる日を夢見て勉学にバイトに励んでいた。そんなある日、バイク事故を起こし瀕死の重傷を負う。昏睡状態に陥いり生死をさ迷う彼に、懐かしい声が聞こえてくる。安達先生の声だった。「生きて、義家君。あなたは私の夢だから」

テレビドラマ『ヤンキー母校に帰る』の原作者であり、
現在は横浜市教育委員会委員を務める義家弘介の
ベストセラー自伝「不良少年の夢」の映画化。
 1965年創設の北星学園余市高校は、生徒に寄り添いながら、彼らの自立を目指す教育を貫いてきたが、'87年、全国に吹き荒れた少子化・生徒減の嵐に廃校の瀬戸際に追い込まれる。進学やスポーツを看板に生き残ろうとする高校が多い中、そこからはじき出された子供たちを立ち直らせるための高校が全国で一つくらい生き残ってもよいのではと、同校は、日本で初めて「高校中退者も受け入れる」高校となる。
 '88年、同校に編入して来た札付きの不良、義家弘介が、安達俊子先生をはじめとする北星の教師や、余市の大人たちと出会い、ふれあい、次第に心を開き、やがて母校の教師として再び余市に帰って来るまでの実話をもとに描く。

 「大人が大嫌い」という子どもたちがたくさんいる。中には、大人たちにチクらない不文律によって、子供の閉鎖社会を築き、それがイジメや不登校の温床と化している。大人社会への不信と絶望感とがもたらした、まるで心の氷河時代の中で、今、全国の子供たちの「夢」が凍えついていないだろうか?
 心の氷河時代に「教育の原点」の姿を問う渾身作である。

監督は、『永遠の仔』『ホテルウーマン』などのテレビドラマ、『夢追いかけて』などで若者の心を描いた花堂純次。主演は、『NANA』『男たちの大和 YAMATO』などで注目の松山ケンイチ。『約三十の嘘』の伴杏里が女生徒美紗緒を好演するほか、義家の心の支えとなる安達先生に真野響子。田中健、竹内都子、西村雅彦ら豪華な共演者が脇を固めている。
監督:花堂純次
1955年鹿児島生まれ。77年日大芸術学部映画学科卒業。84年『愛の嵐』(CX系)は、古典「嵐が丘」を昭和初期に設定した文芸調の昼メロドラマが高視聴率を獲得。鮮烈な監督デビューを果す。以降ドラマ『永遠の仔』『ホテルウーマン』『別れさせ屋』など数多く手がけ、01年、高い支持を得たコミック『羊のうた』の映画化で監督デビュー。同年の東京国際映画祭正式招待作品に選ばれ高い評価を得る。02年に、中学3年で失明しながらも、全国初の全盲の一般教員となった河合純一氏を描く『夢追いけて』を監督。若者たちの繊細な心を描く手腕に定評がある。


原作:義家弘介

1971年 長野県生まれ 。中学生の頃から不良と呼ばれ、87年高校生の時退学処分を受ける。同時に家からも絶縁され、児童相談所経由で里親に引き取られる。88年、北星学園余市高等学校が、全国からの中退者の本格受け入れを始めた初年度に、傷心の思いを抱えて同校の門を叩く。90年、明治学院大学法学部法律学科入学。在学中に自動車事故を起こしたが無事回復。その時の恩師との体験から教師の道を志す。卒業後は札幌で大手進学塾に就職。99年、待ちに待った北星の教員に採用が決定。社会科教師として赴任。2005年4月、横浜市教育委員会教育委員に就任。



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