「水になった村」公開記念
ダム映画特集




ダムに沈む旧徳山村に住む人々を追ったドキュメンタリー『水になった村』の公開を記念して、ポレポレ東中野では「ダム映画特集」を開催します。
 今日ダムは、建設に莫大な費用が掛かる上、水環境の汚染や建設予定地の住民問題など多くの問題を抱えており、市民団体のみならず行政からもダムに対する反対運動が高まっています。しかし、元々ダムは人々にとって有害なだけではなく、水害対策や農業用水においてたいへん有益なものでもありました。
 また、映画史上において、ダムはスペクタクルの格好の舞台として存在していました。人類がつくる最大級の建造物としてダムはその威厳や迫力を君臨させていたのです。
 この特集上映では、ダムが出来るまでを追った産業映画や、ダムに沈む村に住む人々のドキュメンタリー、ダムが舞台となる娯楽大作などを並列に上映します。それらのダムが登場する映画を観ることで、私たちにとってダムはどのような存在なのか、ダムの問題点は何か、ダムの魅力とは何なのか、多くのことを考える機会としていただければと思います。

企画:ポレポレ東中野



  各作品の上映タイムテーブル・イベント情報

『ザ・ダム』
(2006年/日本/80分/DVD)

c2006 ALBATROS CO.LTD.,All Rights Reserved


監督:石川順
監修・出演:萩原雅紀

 ホームビデオ撮影による超低予算完全自主制作。それは意外にも奇妙な味わいのB級ロードムービーとして仕上がっていた。記念すべき世界初ダムめぐりムービーの誕生だ。恐らく最初で最後の劇場公開!前代未聞のカルトダムービー!お見逃し無く!

作品提供:
アルバトロス株式会社 


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上映日  7/29(日) 19:00     
       7/30(月) 15:10 
       7/31(火) 17:00+トーク    
       8/3(金) 14:30
『タキアン』
(2003年/タイ/99分/DVD)

(c)2003 Sahamongkolfilm International Co., Ltd All Rights Revered

監督:チャルーム・ウォンピム
出演:ナンタワット・アシラポッチャナグン /アティットヤー・ディティーペン/ソーラポン・チャートリー/ピパット・アピラックタナーゴーン/ルンラヴィー・バリジンダークン

 都市化が進む中、樹齢100年以上の木々で成す森にも開発の波が押し寄せる。伐採が始まり、長年育まれた自然の破壊が開始された。ダム建設の責任者ヴィタヤは、森の不穏な空気を感じ取りながらも伐採を進める。だが、森にいる「何か」を信じる住民たちは、急ピッチで進む開発に恐怖を抱き始めていた。ダムの底に亡霊が!

作品提供:アルバトロス株式会社 
c2006 ALBATROS CO.LTD.,All Rights Reserved


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上映日  7/31(火) 14:45 
       8/1(水) 14:40
       8/2(木) 12:30

『ふるさと』

(1983年/日本/106分/16mm)
監督:神山征二郎
撮影:南文憲
録音:菊池進平
音楽:針生正男



出演:加藤嘉/長門裕之/樫山文枝/前田吟/樹木希林/花澤徳衛/鈴木ヒロミツ/岡田奈々

 『水になった村』と同じ、岐阜県徳山村が舞台の劇映画。離村準備で忙しい徳山村が舞台で、妻が死んでからボケがひどくなった伝三は、隣家に暮らす少年との交流によって回復の兆しを見せたが…。ダム建設地である徳山村にキャメラをすえて、消えゆく故郷と、そこに生きる人間の営みを最高の演技人の競演で描く。

作品提供:こぶしプロダクション

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上映日 
 7/29(日)12:30+トーク 
 8/3(金)16:25+トーク

『ホワイトアウト』
(2000年/日本/129分/35mm)

c2000「ホワイトアウト」製作委員会
監督:若松節朗
脚本:真保裕一/長谷川康夫
撮影:山本英夫/小川富美夫
録音:小野寺修
出演:織田裕二/松嶋菜々子/佐藤浩市/中村嘉葎雄/石黒賢/古尾谷雅人/平田満

 テロリスト集団がダムを占拠した。テログループは政府に50億円を要求、拒否すればダムを破壊すると通告。ダムが破壊されたら20万世帯は一瞬にして水没してしまう。偶然テロリストから逃げられたダム職員・富樫は人質となっている仲間の職員たちを救出すべく単身テロリストに戦いを挑む。織田裕二主演の大ヒットサスペンス・アクション。

作品提供:東宝

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上映日  7/30(日)12:30  8/2(木)15:00

『モスラ』
(1961年/日本/101分/35mm)
c東宝
監督:本多猪四郎
特技監督:円谷英二
製作:田中友幸
撮影:小泉一
音楽:古関裕而
出演:フランキー堺/小泉博/香川京子/ザ・ピーナッツ/上原謙/ジェリー伊藤/志村喬/河津清三郎

 水爆実験場であるインファント島の調査のために上陸した調査隊は、放射能汚染された森で巨大な食虫植物に絡め捕られる。その窮地を救ったのは双子の妖精、小美人だった。小美人の存在を知ったロリシカ国事務局長ネルソンは、小美人にショウをさせようと無理矢理日本に連れ帰る。小美人を連れ戻すためにインファント島の原住民たちは呪文を唱える…。モスラが全貌を現すまで約一時間!そしてモスラはダムを破壊して登場する。名匠・本多猪四郎による怪獣映画の傑作。

作品提供:東宝

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上映日 7/28(土)18:20 7/31(火)12:30

『井川五郎ダム』

(1958年/日本/82分/16mm)

監督:赤佐政治
撮影:守部甫
音楽:小沢直与志

 ダム建設予定地の井川村における、ダム建設に反対する村全体の険悪な情勢、新しき村造りへの発足等好転する事態、大規模なダムの建設、新しき村造りの完成等、ダム建設とそれをめぐる歴史的変貌を始めから終りまでが収録された作品。

作品提供:株式会社間組/英映画社

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上映日 7/30(月)17:10 8/3(金)12:30

『御母衣ロックフィルダム 第1部・第2部』

(1960年/日本/95分/βカム)

監督:高木邦治
撮影:河合不二夫
録音:阿部恒雄
音楽:陶野重雄

 奥飛騨の白川郷に当時世界で一、二を競う大規模なダムが建設される。御母衣ダムである。御母衣地区一帯は岩盤が軟弱なため、安全を主眼に置き日本で始めてコンクリートではなく岩石や土砂を積み上げる方式の“ロックフィルダム”が採用された。第一部では建設初期の模様が、第二部では建設最盛期の模様が収録されている。

作品提供:株式会社間組/英映画社

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上映日 7/30(月)19:00 8/1(水)12:30
オープニング作品
『佐久間ダム−総集編』
(1958年/日本/96分/DV-CAM)
監督:高村武次
撮影:小村静夫
編集:伊勢長之助
音楽:芥川也寸志

 佐久間ダム建設は、巨大な洪水量、深さ20mを超える砂礫層などの障害をアメリカの大型土木機械を導入することで克服し、ダム工法を革新した画期的な事業とされる。ダムによる電力の増産、産業の発展という戦後の経済復興を象徴するのが佐久間ダムであった。ドキュメンタリー映画史に残る傑作と云われ続けているこの映画は、日本記録映画史上初のカラーフィルムの使用、テープレコーダーによる現場音の収録など、映画の技術においても時代を画するものだった。

作品提供:電源開発株式会社/株式会社日立製作所


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上映日 7/28(土)12:30 8/1(水)18:55+トーク

『水没の前に』

(2004年/中国/143分/DV-CAM)

監督:リ・イーファン、イェン・ユィ

 2009年完成予定の世界最大の三峡ダム。何百、何千の人々が住居を失い、多くの町が貯水の水位下に沈む。そのひとつ詩人李白で有名な四川省奉節の町にカメラは目を向ける。住み慣れた家々はいとも簡単にダイナマイトで壊され、水没する町から移転する人々の葛藤や先の生活への不安も至る所で噴出。壮大な歴史や人々の思いは、いつか水の下へ。ひとつの時代の変遷を鋭く捉え、これから編まれてゆく時の流れを予感させる見事な余韻。
 2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞受賞作品。

作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

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上映日 7/28(土)15:00 8/2(木)18:00
特別先行上映・クロージング作品
『水になった村』

(2007年/日本/93分/DV-CAM)

監督・撮影:大西暢夫
製作:本橋成一
編集:土井康一
主題歌:李政美

 2008年完成予定の日本最大のダム“徳山ダム”に水没する徳山村の住民は次々と近隣の移転地へ引っ越して行った。しかし、村が沈んでしまうまでできる限り暮らし続けたいと、街から戻ってくる老人たちがいた。写真家の大西暢夫は、誰もいないと思っていた徳山村から笑い声が聞こえてきたことに驚き、ジジババの暮らしに魅せられ、以来15年間通い続けた。バッタや草木そして人間たち、すべての生き物に捧ぐ、徳山村15年のドキュメンタリー。

作品提供:サスナフィルム

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上映日 8/3(金)18:50+トーク


2007年8月4日よりロードショー! 情報ページ
8/4〜 12:30/14:50/16:50/18:50

<ダムの異邦人>

 ダムには様々な人が訪れます。代々続く穏やかな暮らしをしていた村にはダム建設が。静かなダムのある渓谷には隕石から生まれたモンスターが。映画の中で描かれるダムの地には、常に何かが訪れるのです。

『ウルトラQより「ガラダマ」』

(1966年/日本/25分/βCAM)

c1966円谷プロ
監督:円谷一
脚本:金城哲夫
特技監督:的場徹

出演:
佐原健二/西條康彦/桜井浩子/江川宇礼雄/石坂浩二

 テレビシリーズ「ウルトラQ」の第13話。弓ヶ谷地方に落ちた異常に軽い隕石によって日本各地には原因不明のデリンジャー現象が起きていた。その研究の最中、隕石が極超短波を発信し始めたため、研究員たちは急いで隕石落下地点向かう。そこには巨大な隕石が炎を上げて落ちてきていた。ダムに落下した隕石によって水は干上がり、そこからガラモンが誕生する。

作品提供:円谷エンタープライズ

『消えゆく故郷』
(1981年/日本/27分/16mm)
消えゆく故郷 続編』
(1983年/日本/24分/16mm)


 千葉県・高滝ダムの建設によって水没する地域の文化・信仰・生活を記録した文化映画。終盤にふと流れる民謡がもはや失われた生活と文化が二度と戻らぬことを想起させる。

作品提供:市原市/株式会社千葉県創映グループ

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上映日 7/29(日)14:55 8/1(水)18:00

<画期的な工事の記録>

 ダムは“人類最大規模の建造物”といわれるほどの巨大工事です。数ある難工事の中から、火山帯の温泉脈を掘り進む黒部ダムの脅威の工事の記録映像、日本発の工法で斜めにトンネルを掘る大内ダムと大川ダムの間にある下郷発電所の建設記録、過酷な大自然の中に巨大なドームタイプアーチダムを建造した奈川渡ダムの建設記録、の3作品を上映します。

『地熱に挑む ―新黒部第3発電所導水路―』

(1963年/日本/25分/DV-CAM)

監督:近藤才司
撮影:山口弐郎

 新黒部第三発電所を建設するためには、170℃を越える火山帯の温泉脈を掘り進まなければならない。土木技術の粋を集めての髄道工事が貫通するまでの困難な工程を記録する。

作品提供:大成建設株式会社/株式会社日映企画

『斜坑に挑むTBM
  ―下郷発電所・水圧管路工事の記録―』

(1980年/日本/35分/DV?CAM)

監督:田代公幸
撮影:大鹿隆一郎

  福島県下郷発電所は一帯の自然景観を壊さないため、水圧管路を地下に設けねばならず、斜坑掘りのため、日本で初めて西ドイツ製のトンネルボーリングマシーン(TBM)が使われた。日本産業映画コンクール大賞受賞作品。

作品提供:電源開発株式会社/株式会社カジマビジョン


『アルプスにダムができた』
(1969年/日本/33分/DV-CAM)


監督:池田元嘉
撮影:入沢甲

 北アルプスの登山口にあたる過酷に厳しい自然条件の狭谷にさまざまな工法を駆使して、発電能力90万粁ワットの発電所の大工事が行われるダム建設地の大自然の様相を描く。
作品提供:鹿島建設株式会社/株式会社カジマビジョン
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   上映日 7/29(日)16:50 7/31(火)19:00
  各作品の上映タイムテーブル・イベント情報